御挨拶

---和裁志望の方々へ---



一般に、着物の仕立屋などと昔から言われ続けて来た職業ですが
現代は時代の中で失いつつ在る日本の技術職です。

世の中が発展するにつれて世間全般に亘って生存競争も大変激化して参りました
ほんの一寸道草をしただけで、時は容赦なく通りすぎ
時の流れから取り残されてしまいます
皆様の前途には多大の幸せも有る反面、多難な将来も有るものと覚悟しなければなりません。


亦、如何なる時代にも即応して行ける強力な意志と
常に自信を持って生き抜いて征く心構えが必要となって来ます。

そのためには、やはり自分自身に何か確実な技能を
身に付けることが大切だと私は考えております。


特に和裁に関しては他のあらゆる職業を通じて知る職業の中で一番家庭的で
他の会社・商社における共稼ぎ家庭に見られるような弊害もなく
結婚を境に女子の退職・定年と云ったものも有りません。

普通、皆様の友人と大多数は中学・高校を卒業後直ちに一般社会人として会社や商社に
就職され多額の収入を得ておられる方もあるかと存じますが
和裁を志す皆様は現在よりも将来の目的のために
一生一代の技能の修得に再び修業するもので
勿論修業年限中は多額の収入など望めません


どうか皆様、くじけることなくこの道一筋に初心を貫いて戴くよう心から願っております。


特に皆様に影響ある気候風土の環境等を考えて見ましても
山紫水明に恵まれた京都は皆様の心の故郷の如く
ゆっくりと落着いた情緒の中に在って皆様が安心して
和裁技能の修得に専念されるだろうと期待しております。

三代目 山崎利 氏 筆


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