新党が乱立

ほんまに期待にこたえられるの???

 “自民もアカン、民主もアカン”。そんな流れの「受け皿」になろうと、「第三極」を自任する「新党」結成の動きが相次いでいます。しかし、先の総選挙で国民の審判を受けて退場した自民党政治の「二つの異常」―アメリカいいなり、財界・大企業中心―をただせるのか。その「モノサシ」ではかってみると…。

みんなの党―日本をダメにした「小泉改革」の継承宣言

 「『民間にできることは民間に、地域にできることは地域に』という構造改革をやっていかないと、危うい状況から日本は脱却できない」―。2009年1月、自民党から離党し、「みんなの党」を立ち上げた渡辺喜美代表は、近著(『民主党政治の正体』)でこう述べています。

 貧困と格差を広げた「小泉改革」が「中途半端に終わった」として、さらなる「構造改革」をめざしているのです。

 その目玉にするのが、小泉「改革」の柱の一つ「公務員制度改革」です。渡辺代表は「小泉さんや竹中さんの改革のなかで、非常に中途半端に終わった最大の問題が、公務員制度(改革)」(3月13日、民放テレビ)と語っています。

 「改革」の内容は、国家公務員の数を大幅削減し、幹部公務員を任期付きの特別職にして、成果を上げなければ降格処分して、民間企業から人材を公募するもの。「全体の奉仕者」としての公務員のあり方を改悪し、住民サービスを低下させ、強権国家づくりをめざすものです。渡辺代表は、国会議員定数の大幅削減や政党法(国による政党内部への関与・介入)の制定も主張しています。

 また、「将来的な増税を一切認めないという立場は、われわれもとらない」と民主党政権と同様に消費税増税を示唆。一方で、米軍普天間基地問題では「(名護市辺野古沖への『移設』という)国家間の合意がある」「(鳩山政権の)お手並み拝見ということだ」(前出、民放テレビ)と自公政権時代の路線継承の立場です。

 参院選に立候補を予定する同党候補は、「小泉改革」推進の元官僚や自民党の元国会議員や元地方議員。自民党という「泥船」から逃げ出す人たちの「受け皿」となっています。

たちあがれ日本―消費増税と改憲派合体

 「たちあがれ日本」の旗揚げ会見(10日)に並んだ顔ぶれをみると、平沼赳夫代表は森・小泉両内閣で経済産業相、共同代表の与謝野馨氏も小泉内閣当時の自民党政調会長や金融・経済財政担当相、麻生政権の官房長官を歴任するなど、自公政権の悪政を推進してきた人物ばかりです。

 与謝野氏は「現在の状況をみれば、日本もあっという間に没落する可能性がある」と財政破たん論をあおりますが、その要因をつくった責任者です。麻生政権時代にも「戦後最悪の経済危機」だと嘆いていました。

 しかも、与謝野氏は「消費税率の引き上げなしに財政再建が可能であるという幻想を振りまくのは、無責任極まりない」(『文芸春秋』5月号)と民主党を批判。結党宣言でも雇用を「規制緩和と消費税収で創(つく)る」を主張しています。

 一方、綱領でも結党宣言でも「自主憲法の制定」を明記。平沼氏は、日本の侵略戦争を美化・肯定する「靖国」派の日本会議国会議員懇談会の会長であり、著書で改憲試案を示し、「軍隊の保持」や、集団的自衛権も「行使することを可能」とするなどとうたっています。

日本創新党―財界の主張そのままに

 現職首長、首長経験者らが18日に結成した「日本創新党」(代表=山田宏杉並区長)。山田氏と中田宏・前横浜市長、斎藤弘・前山形県知事の3氏は、『文芸春秋』5月号の論文で、「日本は3年後に財政破綻(はたん)する」と危機感をあおり、財界の主張そのままの「構造改革」路線を主張しています。

 政策的には「『民間にできることは民間に』の構造改革路線を追求」「(法人税を)少なくとも30%程度にまで引き下げる必要がある」「『道州制』を導入する」などと自民党で議論されていた内容そのまま。「公立保育園の民営化」を実績と売り込むありさまです。

 国や地方の公務員を3分の2に減らすなど、リストラ計画も他の新党と共通です。

 山田氏も中田氏も「新しい歴史教科書をつくる会」の中学歴史教科書を採択させた首長です。

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