普天間基地は無条件撤去を!

日本国民、沖縄県民の立場で対米交渉を!

 アメリカ海兵隊普天間基地の撤去に絡む新基地建設を焦点にした沖縄県名護市長選挙で、新基地建設反対、基地に依存しない地域振興をかかげた稲嶺進氏が当選しました。

 日米両政府は民意に従って新基地建設計画を断念するとともに、「基地のない沖縄」「基地のない日本」へ大きくふみだすことが求められています。

鳩山首相は移設先探しはやめ、無条件撤去に踏み出せ!

 鳩山首相は、名護市長選挙結果を受けて「ゼロベースで移設先を決めていくことに変わりはない」と述べ普天間基地を、従来通り辺野古への移設も含めて検討する意思を表明しました。

 首相自ら、先の選挙で語っていた公約からも、名護市長選挙結果に照らしても絶対に許されません。

 普天間基地はアメリカの国防長官ですら「世界一危険」と認める危険な基地です。移設すれば解決する問題ではありません。

 04年8月には、沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落する大事故が起こりました。沖縄県の統計によると、米軍航空機の事故は、この5年間に212件に達し、それ以前の5年間の144件と比較しても4割以上増えています。このままではいつ市民の尊い命が奪われるかわかりません。これを防ぐ方法はただ一つ。普天間基地を即時閉鎖・撤去することです。

政府は「抑止力」として必要と言うが…海兵隊は「侵略力」

 普天間基地に所属している米軍は海兵隊です。ベトナム戦争、湾岸戦争、アフガン戦争、イラク戦争――米軍の戦争で常に先陣を切って「殴り込み」の任務を与えられてきたのが沖縄の海兵隊です。最近でも03年3月のイラク戦争開戦時には、沖縄の第3海兵遠征軍や横須賀の空母打撃群など在日米軍約1万人が派兵されました。04年2月には、沖縄から海兵隊3000人とヘリ二十数機が派兵されました。04年8月には、普天間基地のヘリ部隊など第31海兵遠征隊の約2200人が、イラクに派兵され、ファルージャでの民間人の無差別虐殺に参加しました。沖縄国際大学に墜落したCH53D輸送ヘリも、イラク派兵のための訓練中でした。

 つまり、海兵隊は、「日本の平和と安全のため」の「抑止力」ではなく、世界への「殴り込み」を任務とする「侵略力」です。海兵隊は必要ありません。「移設」する必要もありません。「移設先」を日本から提案する道理はありません。

 非人道的な無差別殺りく部隊のための基地提供は、きっぱり拒否することこそ、世界平和への貢献ではないでしょうか?

軍事同盟あっても世界では米軍基地撤去

 世界では、米国と軍事同盟や軍事協定を結んでいた国で、堂々と基地を撤去させた例があります。92年にはフィリピンで、最近ではエクアドルで米軍基地を撤去させています。

 86年、フィリピンで、アキノ政権が生まれ、「外国基地の撤去」を掲げました。ところがアキノ氏は、米政府の圧力のなかで、基地存続容認に転じていきます。国民からは「公約違反」だと厳しく批判されました。ちょうどいまの新政権と同じです。しかし、議員らは勇気をもって国民の意思を貫きました。

 フィリピン側が米軍の「段階的撤退」を主張したときに、米国の交渉団長を務めたのが今と同じアーミテージ氏です。当時、国防次官補だったアーミテージ氏は、フィリピン側が「撤退」といったことに激怒し、「これでわれわれの関係はおしまいだ」と怒鳴り、会談を決裂させ、アメリカに帰ると脅しにかかりました。

 「米軍基地がなければ経済は破たんする」、「外国に攻め込まれる」、上院審議の最中に激しい攻撃がなされました。しかし、上院は基地存続の新条約を否決し、スビック海軍基地とクラーク空軍基地は返還されたのです。

 フィリピン上院の議論のなかでは、「いかなる国においても外国軍が存在することは異常な状態である」、「米国との友好、協力、貿易は望むが、服従は望まない」という堂々たる演説が、議場を圧しました。

 基地返還の跡地は、フィリピンで大きな雇用を生み出しました。フィリピンが加入するASEAN(東南アジア諸国連合)は、東南アジア友好協力条約(TAC)を、ユーラシア大陸全体に大きく広げ、TACには、ついに米国も加入することになり、アメリカも含めた平和の流れが世界に広がっています。

 新政権はこの経験を真摯に学ぶべきです。

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