日本経団連会長「消費税10%以上に」

政府の試算発表 年金財源に消費税

企業負担はゼロの一方でサラリーマン負担増

 政府は19日、消費税増税を財源にした基礎年金の全額税方式を導入した場合、サラリーマン世帯は負担増になる試算を公表しました。試算は、「社会保障目的税」の名による消費税増税議論を加速させる狙いで、同日の社会保障国民会議の雇用・年金分科会で示されました。

全額税方式がサラリーマン世帯に与える影響のグラフ。詳細は本文参照 試算によれば、過去の保険料の納付実績に関係なく65歳以上に月額6万6千円を一律給付する案(消費税5%引き上げ案)では、月収30万円程度のサラリーマン世帯で、保険料負担はなくなるものの、消費税増税分が上回り、差し引き5千〜7千円の負担増。60万円程度の世帯では6千〜8千円増えます。低所得層の負担が相対的に大きくなりました。

 全額税方式では、企業の保険料負担がなくなります。その分が、庶民の家計負担増として転嫁される実態が浮かび上がりました。

 自営業者では、月収が100万円超の所得層を除き、現在と比べて実質負担は減少。ただ、保険料を一部または全額免除される低所得層では、消費税の負担増の方が保険料の負担減より大きくなります。

経団連会長「消費税10%以上に」

 日本経団連の御手洗冨士夫会長は19日の記者会見で、消費税を基礎年金や医療、介護などの財源に充てる社会保障目的税化した場合、「例えば、2020年とか25年になれば、10%で収まるとは思っていない」と述べ、将来は税率が10%を大きく上回るとの見通しを示しました。

 御手洗会長はこれまで「15年度までに消費税を10%に引き上げるべきだ」との考えを表明してきましたが、10%を超える水準に言及したのは初めて。

 経団連は14日、基礎年金を全額税方式とし、財源に消費税を充てるとともに、医療、介護保険制度への公費投入の拡大を盛り込んだ社会保障制度「改革」の提言を公表しました。御手洗会長は社会保障費が毎年1兆円拡大している現状も踏まえ、医療、介護制度も消費税を財源にすれば、「10%ではやがて済まなくなる」と強調しました。

 財界は、社会保障財源に消費税増税を充てることで、社会保障保険料の企業負担を軽くする狙いがあります。

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