日本共産党 ムダな道路はつくらない!立場デス
10年間で59兆円を道路だけに使い切る―。道路特定財源の見直しが通常国会の焦点の一つになっています。政府・与党は、ガソリン税などに上乗せされた暫定税率を10年間延長したうえで、道路建設を続けるために巨額な税収を温存する方針です。本当にそれでいいのでしょうか。
道路特定財源って?
A.道路だけに税金使う仕組み
道路特定財源とは、ガソリン税(揮発油税と地方道路税)、自動車重量税など自動車関連の税金を道路建設・整備だけに使う仕組みです。1953年に田中角栄氏ら自民党議員の議員立法によって導入されました。
財源はガソリン税のほか8税目で構成され、国と地方に配分されます。07年度予算では3.4兆円(国税分)、2.2兆円(地方分)の合計5.6兆円。08年度予算案では、3.3兆円(同)、2.1兆円(同)の合計5.4兆円にのぼります。
ガソリン税などには、特別措置として本来の税率より上乗せした税率が適用されています(税額は約2.7兆円)。例えば揮発油税の本来の税額は1リットル当たり24.3円ですが同じ額を上乗せして48.6円になっています。上乗せ分がなくなれば、ガソリンの小売価格も1リットル当たり25円ほど安くなります。この税率は、ガソリン税は3月末に、自動車重量税は4月末にそれぞれ期限切れを迎えます。
一般財源化し暫定税率は廃止を!
日本共産党は道路特定財源はやめて一般財源化し、道路にも、福祉、教育にも使えるようにすることを求めています。
10年間に59兆円も道路整備に使う「総額先にありき」の「道路中期計画」は撤回するべきです。
暫定税率については、「道路特定財源をさらに上乗せして、無駄な道路をつくることを加速する役割を果たしてきた」(志位和夫委員長、6日、NHKの「日曜討論」)として廃止を主張しています。
自民、公明両党が暫定税率の延長を主張するのに対し、民主党は反対しています。
志位委員長は「反対ということでは(民主党と)一致すると思いますが、ただ、私たちは無駄な道路はつくるのはやめるべきだという立場です」(同番組)とのべ、不要不急の道路建設を見直す政策への転換を呼びかけています。
政府は「真に必要な道路を整備する」といいます。問題はその道路がだれにとって必要なのかということです。
歩車道の区別のない危険な通学路の道幅を広げたり、防災・防雪対策の生活道路の整備は当然であり、緊急性が求められます。
それに対し、空港・港湾のアクセス道路整備はどうか。政府の計画は10分以内に高速道路などへの到達が可能になることを目標にするとしています。加えて国際標準コンテナ用の車両が通れるように橋を補強したり、道路の幅を広げるという内容です。物流機能の強化をうたって推進されるスーパー中枢港湾整備と一体の事業でもあり、喜ぶのは関係業界です。生活関連に優先して整備する必要はありません。
後期高齢者医療 Q&A Q. 世界にはあるん?
A. 高齢者を年齢で切り離して、別建ての医療保険にする制度は、ヨーロッパなど「国民皆保険」(国民全員が加入する医療保険)のある国には例がありません。
イギリスやスウェーデンはすべての国民が一つの医療保険に入っています。ドイツやフランスは労働者と農民の保険制度に分かれていますが、年齢の区別はありません。
国民全員をカバーする公的医療保険のないアメリカにも、「メディケア」という障害者と65歳以上の高齢者を対象とした公的な医療保険制度があります。
この制度は、強制的に加入する病院保険の部分と、任意で選択的に加入する補足保険の部分に分かれています。
強制部分については、高齢者が保険料を負担することはありません。入院時の一部負担はありますが、年間支払額の上限があります。
高齢者だけを一つの医療保険に押し込め、死ぬまで保険料を払わせる制度は、世界でも異常なものです。