子どもの心に点数、教育に格差持ち込む教育基本法改悪

徹底審議し、強行採決するな!

 教育基本法改悪法案が衆議院で公聴会を開く前に、与党が数の力で採決日程を決め、国会のルールを無視して強行採決をしました。

 「やらせタウンミーティング」やいじめ問題など、もっと徹底審議して、強行採決をするべきではありません。またルールを守らない政府与党に、「教育改革」を語る資格はまったくありません。

子どもの心に点数つけることできますか?

 改悪案は、基本法にあらたに「国を愛する態度」などの「徳目」を盛り込み、その「達成」を教育の目標、目的にしています。

 こうなると、学校は子どもの「国を愛する態度」などの良し悪しを点検し、問題があれば「態度」を改めるよう指導、それが内申書にも響くことにもなります。しかし、何をどう愛するかというのは人間の思想・良心の問題です。それを政府や行政が法律で決めて、子どもの考えを否定したり、鋳型にはめるようなことは、憲法19条で保障されている「思想・良心の自由」に照らして許されません。心とか態度は、自分らしさがだせる空間で、納得、信頼関係のなかで自然にはぐくんでいくものです。そのためには、法律による強制は必要ないと思うんですが…

教育に「勝ち組」「負け組」持ち込む 安倍「教育再生プラン」

 安倍「教育再生」プランでは、公立の小中学校で学ぶ子どもたちを、激しい競争にかりたて、「勝ち組」「負け組」にふるいわけするメニューが満載されています。全国いっせい学力テストをおこない、結果を公表し、全国の学校に点数で序列をつけるというのです。

 学校選択制を全国に広げ、生徒の募集でも、勝ち負けをつくるというのです。学校の予算でも差別をつけ、「勝ち組」の学校は予算をつけるが、「負け組」の学校はつぶしてしまうというのです。さらに、国が、学校と先生と子どもたちに優劣をつけるために監査官を全国に配置するという。監査官によって「悪い学校」とされたら、廃校に追い込まれてしまうということになります。

 安倍内閣で「教育再生」プランの旗ふりをしている下村博文内閣官房副長官は、「国の基準を満たせない学校は廃校になっても仕方ないし、学校選択制のもとでは、子どもが集まらないだろうから、つぶれてしまうだろう。そのような学校にいた先生は、廃校とともに職探しをしてもらうことになる」と言っています。

 こうなれば、「国の基準を満たせない」とされた学校に学ぶ子どもたちがどんなに傷つくでしょうか。

 安倍「教育再生プラン」のモデルとしているイギリスでは、学校と子どもに徹底的な競争とふるいわけを強要した結果、「問題がある」とされた子どもたちは、学校から追い出されるという異常事態が広がりました。義務教育修了資格を持たずに学校を去る子どもが約8%、不登校は毎年100万人以上、停学処分は10万人以上、退学処分は1万人以上と、多くの子どもたちが学校から追い出されています。これでは「教育再生」どころか、“教育破壊”そのものではないでしょうか?

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