高野一巳
10 敵軍潜入
グリゴンの攻撃機に乗り込んだヒカルは今、火星と木星の間にある小惑星帯にまぎれて ギャリオンとグリゴンの戦闘のようすをレーダースクリーンで見ていた。 両軍は激しくぶつかりあったが、意外にあっけなくそれは終わった。 ギャリオンがグリゴンの偵察隊に対しての、これ以上の領域には立ち入るなという警告で 彼らにとってはあいさつのようなものなのだろう。これがゾラの言っていた前哨戦だな。ヒカルは思った。 やがて、グリゴンの戦闘機が次々と帰り始めた。彼らが戦闘をしている間に、グリゴンが帰る道筋に隠れたのだった。
ヒカルの横を次々にグリゴンの戦闘機が通りすぎていく。
ヒカルはタイミングを計り、早すぎず、遅すぎず、最後尾にうまく滑りこんだ。。
不自然ではないはずだった。ところが、通信がはいった。 |