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■SUZUKI GSX1300R"隼"

販社ページ(Moto-Map)
容量1299cc/DOHC/16バルブ
 水冷/4気筒/4スト/最大175ps
全長2140mm/乾燥重量215kg

■GSX1300R"隼"のこと

 GSX1300R HAYABUSA−スズキのフラグシップ。世界で2車種しかない「300km/h出る」量産マシン。カワサキZZ-R1100が長らく保ってきた最速の座を、ホンダCBR1100XXスーパーブラックバードが奪ったとき、最速競争が再燃した。1999年、次にスズキが出したのが隼であり、世界最速・初の300km/hオーバー・初のゼロヨン9秒台という肩書きをひっさげて登場したのだった。2000年、カワサキが最速の座を奪回すべく出したのがZX-12Rであるが、(雑誌によると)同一条件で走ったときに最高速で隼が劣ったということはなく、最高速では未だ最速の一台である。
 Ultimate Sports−隼のコンセプト。レーシーではない、最高のスポーツ。実測310km/hを超えるとされる最高速はレーサーであるGP500やF1マシンにも匹敵し、1300ccから生まれる怒濤の加速はドラッグレーサー並、ハンドリングは900-1000ccクラスの軽量スーパースポーツマシンに迫らんとする性能を持ちながら、街乗りやツーリングにも使えるような現実的な使い勝手と扱い易さ、所有欲を満たす質感も備えている。まさにUltimate Sportsである。

隼捏造写真(笑)

 不朽の名作?−おそらくそうなるだろう。「300km/hバイク」である隼は、登場と同時に「300km/hバイク」の存在を今後生み出さないという宿命を背負ったバイクになってしまった。ヨーロッパで「300km/hも出る危険なバイク」が取りざたされ、2001年以降はメーカーの自主規制で300km/hオーバーのバイクは販売されないという結果を迎えてしまった。つまり2000年モデルまでの隼とZX-12Rは、世界最速の座を永遠に保ち続ける可能性を持っているのだ。そして他と一線を画した独特のフォルムと名前は、誰が見ても分かりやすく、永く人に記憶されることは間違いないだろう。

 2000年1月、大型2輪免許を取りました。RF400RVに不満があったわけではなく、むしろ理想的とも思っていましたが、隼が欲しくなってしまったのでした。一度はフラグシップマシンに乗ってみたいと思ったこともありますし、その存在感から10年は通用する価値観を持つマシンであると思ったのもあります。最終的には今後300km/hバイクが買えないかも知れないというのが決め手になったわけですが、それらは後付の理由でしょうね。やはり300km/hも出る夢のバイクに一度乗ってみたかったというのが動機でした。そのためにRF400の様なツーリングでの便利さは諦めることになりましたが、それは仕方のないことでしょう。
 私の隼のパーソナルネームは「雪風」です。「戦闘妖精・雪風」(著:神林長平 ハヤカワ文庫)の主人公の乗る戦術戦闘電子偵察機FFR31スーパーシルフ/パーソナルネーム「雪風」から取っています。戦闘機をベースに誰にも負けないハイスピードクルージング性能を備えているところや、高度にコンピュータ化されたところ、乗り手をも殺しかねない超高性能が似ていると思ったのですがどうでしょうか。青/銀のマシンに「雪風」という名前が合っていることもありますが。


■隼・インプレッション

 運動性能については何も言うことはないと言えるでしょう。175psを発揮する1300ccのエンジンは2000回転からでも強力に加速しますし、旋回性も悪くありません。ただし、RF400よりはきちんと操作してやらないと曲がらないとは言えます。多少重さを感じる点は不利ですが、それでも1300ccであることを考えればずいぶんと軽いものです。突出した運動性能とは裏腹に、普通に乗る分には乗りやすいのもいい点です。
 その存在感も隼の良さのひとつです。全体の質感が高いですし、時計から燃料計・燃費計までついたメーターパネルはツーリングバイク以上の豪華装備と言えます。また340km/hまで表記されたスピードメーターは、エンジン始動時には針が振り切れて、隼が隼であることを主張します。エンジン音も始動時からいい音を響かせ、走り出しても適度な音量が耳に迫ってきます。そしてその独特のフォルムは、デビュー当時から賛否両論あるものでしたが、見慣れれば格好いいもので、特に青/銀は実にいい色をしています。フォルムが独特であることは、一目見て隼であると分かるということでもあり、実際に乗っていてもよくライダーに注目されます。隼の独特のフォルムは、「300km/hという異次元のスピードが出るバイクは、こんな異次元なフォルムをしてます」と主張しているようです。
 現実的な使い勝手という点になると、どうしても見劣りする部分が出てきます。特にスクリーンは300km/hオーバーの為のもので、普通に座っていればないも同然に風圧を受けます。積載性も掛ける場所が少ないためにネットは使いにくいです。ただし、リアシート下スペースは結構ありますし、サイドバッグもマフラー位置がそれほど高くないために問題なく付くでしょう。すり抜けはマフラーが張り出しているためにちょっと気を使います。それと低速がありすぎるので極低速は苦手ではあります。夏熱いのも欠点ですね。意外にいいのはクラッチの軽さや足つき性でしょうか。
 いくつか欠点もあります。2500回転と5000回転の辺りに谷があるのがひとつ。ワインディングでここだと言うときにアクセルに付いてこないと困ってしまいます。それとホイールベース故にヘアピンはきついです。  総体的によく出来たバイクです。突出した運動性能にある程度の扱いやすさと使い勝手を内包したマシンです。レプリカやスーパースポーツほどに極端ではない辺りは、ツーリングにも充分使えるバイクであると言えます。何故隼がレーサーレプリカ直系であるGSX-R1300の名称ではないのかが現れている気がします。


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