レイヤー

レイヤーの諸設定・管理を行う。

レイヤーサムネール、またはレイヤーそのものを開いている別のファイルにドロップすると、そのレイヤーをコピーできる。

背景のサムネールをダブルクリックするとレイヤー化できる。

リンク(鎖マーク)
パレットで任意のレイヤーを選択し、別のレイヤーのリンクをONにする(鎖マークを出す)と、選択レイヤーと鎖のレイヤ−がリンクして、どちらかを移動した時に自動的に連動する。

また、レイヤーマスク・ベクトルマスクとレイヤーとのリンクは、サムネールの間の鎖マークをクリックすると解除できる。マスクだけを移動したい時には、いったんリンクを解除する。

塗り
テキストやパスの塗りの不透明度を設定する。線には適用されない。

ロック

透明部分を保護
透明部分にブラシなどの効果をかけられなくする。ペイント作業に便利。

画像ピクセルをロック
レイヤー全体にブラシ等を使えなくする。不用意な描き込みの防止に使う。

位置をロック
レイヤーを移動ツールで動かせなくする。

全てをロック
レイヤーに全ての作業をできなくする。

パレットボタン

レイヤースタイルを追加
カスタムのレイヤースタイルを作成し、選択レイヤーに適用する。
(スタイルパレットでプリセットのスタイルを適用することもできる)

なお「レイヤースタイル」とは、同一のレイヤーに設定された複数のレイヤー効果の総称である。「レイヤー効果」は、「ドロップシャドウ」「光彩(外側)」などの、ベクトル演算に基づく特殊効果の1つ1つを指す。レイヤースタイルとレイヤー効果を混同しないよう注意。

◆以下、主に「レイヤースタイル」ダイアログの諸項目について解説。

「レイヤースタイル」ダイアログ インデックス
スタイル
レイヤー効果の共通オプション(高度な合成/ブレンド条件/包括光源/輪郭)
各レイヤー効果について(ドロップシャドウ〜境界線)

※関連 レイヤースタイルサムネールのコンテクストメニュー

スタイル
スタイルパレットを呼び出す。プリセットのスタイルを使用できる。

※レイヤー効果の共通オプション

高度な合成>クリップされたレイヤーをまとめて描画
ベースレイヤー、つまりクリップしているレイヤー(切り抜きの形状となるレイヤー。グループ最下のレイヤー)に適用する。そのレイヤーの描画モードが、クリップされているレイヤー(切り抜かれているレイヤー。上のレイヤー)にも適用される。

高度な合成>透明シェイプレイヤー
ドロップシャドウなど、レイヤーの透明部分に効果を及ぼすレイヤー効果を許可する。OFFにすると透明部分に効果が及ばない。

高度な合成>内部効果をまとめて描画
サテン、カラーオーバーレイ、グラデーションオーバーレイなどの不透明ピクセルを修正するレイヤー効果(設定ダイアログに「描画モード」がある効果)には、通常はレイヤーの描画モードを適用しないが、これをONにすると適用する。

高度な合成>ノックアウト(抜き)
適用レイヤーの形状で、下のレイヤーを切り抜く。透過状態にするには「塗り」の値を下げるか、描画モードを変更する。(これをしないと何も起こらない)
※「浅い」「深い」は、効果の及ぶレイヤーの枚数が違う。「浅い」はクリッピンググループの底、またはレイヤーセットの底まで抜く。「深い」はセットを越えて背景まで抜く。

高度な合成>ベクトルマスクで効果を隠す
ドロップシャドウなど、レイヤーの透明部分(外側)に影響を及ぼすレイヤー効果、あるいはベベルとエンボスなどの立体効果は、通常はベクトルマスクの縁の部分にも適用されるが、これをONにすると(縁とみなされず)適用されなくなる。

高度な合成>レイヤーマスクで効果を隠す
ドロップシャドウなど、レイヤーの透明部分(外側)に影響を及ぼすレイヤー効果、あるいはベベルとエンボスなどの立体効果は、通常はレイヤーマスクの縁の部分にも適用されるが、これをONにすると(縁とみなされず)マスクの透過部分には適用されなくなる。

ブレンド条件
レイヤーを複製して上のレイヤーに強めのシャープをかけ、この「ブレンド条件」の「グレー」で下のレイヤーのシャドウ値を上のレイヤーより上げていくと、シャドウ部分は下のレイヤーがブレンドされ、シャープの強すぎないきれいなコントラストが作れる。料理写真等に便利。

シャドウまたはハイライトの値を任意の範囲に指定したい場合は、Altを押しながら三角スライダをドラッグするとスライダが分割され、それらのスライダ間が指定範囲となる。

包括光源
レイヤースタイルに対する光源の位置を変える。グラデーション・立体(エンボス)・シャドウ系のスタイルの角度・階調等の調節に使う。

輪郭
ドロップシャドウ、光彩などの縁(つまり輪郭)を線にして強調したり、薄くしたり、ぼかすなどの特殊効果を与えられる。特に光彩で使うと面白い。

※各レイヤー効果について

ドロップシャドウ
影を付けて浮き上がった感じにする。

シャドウ(内側)
凹んだ感じになる。

光彩(外側・内側)
選択レイヤーが外側/内側に向けて発光した感じになる。

ベベルとエンボス
立体凸型にする。ベベルとエンボスの質感の違いは、設定ダイアログの「プレビュー」の下参照。テクスチャをかけることもできる。

サテン
光沢(ツヤ)感を出すのに使う。

カラーオーバーレイ
選択レイヤーに色を塗り重ねる。選択レイヤー全体に赤や青などの一定の色みをつけるのに使うと思われる。「新規調整レイヤー>色相・彩度」などでもほぼ同じことができるが、塗るべき色が決まっている場合は、こちらの方が色の呼び出しが速く、かつ正確。

グラデーションオーバーレイ
選択レイヤーにグラデーションを塗り重ねる。もたらす結果について、「新規調整レイヤー>グラデーション」との違いが分からない・・。

パターンオーバーレイ
選択レイヤーにパターンを塗り重ねる。もたらす結果について、「新規調整レイヤー>パターン」との違いが分からない・・。

境界線
選択レイヤーに境界線をつける。CSSのborderのような感じで、作成した境界線はレイヤーの変形に自動的に連動する。

※レイヤースタイルサムネールのコンテクストメニュー

レイヤースタイルをコピー/レイヤースタイルをペースト
選択レイヤーのレイヤースタイル(=適用されているレイヤー効果全部)をコピーし、別のレイヤーにペーストする。
レイヤー効果を個別にコピーすることはできないので、ペーストしてからいらない効果のサムネールを「レイヤーを削除」ボタンにドロップして消去する。

レイヤースタイルをリンクにペースト
選択レイヤーのレイヤースタイル(=適用されているレイヤー効果全部)を、リンクしている全てのレイヤーにペーストする。

レイヤースタイルを消去
選択レイヤーのレイヤースタイル(=適用されているレイヤー効果全部)を消去。レイヤー効果を個々に消去したい場合は、そのレイヤー効果のサムネールを「レイヤーを削除」ボタンにドロップする。

包括光源
選択レイヤーのレイヤースタイルに対する光源の位置を変える。グラデーション・立体(エンボス)・シャドウ系のレイヤー効果の角度・階調等の調節に使う。各レイヤー効果の設定時に調節できるが、レイヤースタイル(=複数のレイヤー効果のセット)の光源を一斉に変えるにはこちらが速い。

レイヤーを作成
選択レイヤーのレイヤースタイルをレイヤーに変換する(つまりラスタライズする)。元レイヤーでクリッピングマスクすることによって、見た目はレイヤースタイルと変わらなくする。
ペイントやフィルタなどはレイヤースタイルには適用できないが、このメニューでレイヤー化することで適用できるようになる。

すべての効果を隠す/すべての効果を表示
画像に含まれる全てのレイヤースタイルの表示/非表示を切り換える。

効果の拡大・縮小
選択レイヤーの全てのレイヤー効果を1~1000%に増減する。

マスクを追加
選択レイヤーにレイヤーマスクを追加・削除する。マスクをかけることで、レイヤーを部分的に非表示にする(=背景を透過させる)ことができる。
応用としてグラデーションでマスクしたり、不透明度を下げて半透明マスクもできる。マスク文字ツールを使うことで、テキストの形状でマスクすることもできる。

デフォルトでは選択範囲外をマスクする(黒で塗りつぶす=そのレイヤーを隠す=背後のレイヤーを透過する)。クイックマスクモードと同じく、Alt+クリックで選択範囲をマスクに切り替わる。

作成したレイヤーマスクは、アルファチャンネルとして自動的にチャンネルパレットに追加される。

サムネールをAlt+クリックでマスクのみ表示。
サムネールをCtrl+クリックでマスクを選択範囲に変換。
サムネールをShift+クリックで、マスクの表示/非表示を切り換える。

レイヤーセット全体にレイヤーマスクを適用することもできる。

新規セットを作成
複数のレイヤーをフォルダでまとめた「レイヤーセット」を作成する。また、既存のセットをドロップするとコピーされる。
レイヤーセットを選択し、移動ツールを使うと、セット内のレイヤーをまとめて動かせる。

※レイヤーセットは、CS以降は「グループ」という名称に変わったらしい。

塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成
塗りつぶしまたはグラデーション、パターン、色調補正系の効果を下層レイヤーにもたらすレイヤーを作成できる(これらのレイヤーを「調整レイヤー」という)。描画モードや不透明度も適用できる。

サムネールをShift+クリックすると、調整レイヤーの表示/非表示を切り換えられる。

調整レイヤーに黒で描画するとレイヤーマスクとなる(つまり下のレイヤーを部分的に透過する)。

パターンの調整レイヤーは、レイヤーの描画モードを「オーバーレイ」にすることで、テクスチャ風に使える。

新規レイヤーを作成
レイヤー新規作成する。また、既存のレイヤーをドロップするとコピーする。

パレットメニュー

レイヤーを複製
選択レイヤーを複製する。また、選択レイヤーを開いている別のファイルにコピーしたり、新規ファイルとして開くこともできる。
もっとも、同一ファイル内でのコピーはサムネールを「新規レイヤーを作成」ボタンにドロップした方が速いし、別ファイルへのコピーについても、レイヤーサムネールやレイヤーそのものを別ファイルにドロップした方が速い。

リンクからのレイヤーセット
リンクした複数のレイヤーをレイヤーセットにまとめる。

リンクしたすべてのレイヤーをロック/セット内のすべてのレイヤーをロック
リンクしている、または同一セット内にある複数のレイヤー全てにロックをかける。適用するロックは、透明ピクセルのロック/画像ピクセルのロック/移動のロックの中から複数選択できる。

レイヤーのプロパティ
レイヤー名の編集と、サムネールのカラーリングができる。

下のレイヤーと結合/グループを結合/リンク部分を結合
何らかの関係があるレイヤー同士を結合して1枚にする。
クリッピンググループや調整レイヤーなどを使ってデザインした画像を、それらの機能をサポートしていない他のフォトレタッチソフトや低バージョンのPhotoshopで開く場合に備えて、あらかじめ1枚のレイヤーに結合しておく時に使う。

「グループを結合」はクリッピンググループのベースレイヤーを選択しないとアクティブにならない(ただしベースレイヤーを選択しても、リンクがあると「リンク部分を結合」が優先される)。

「リンク部分を結合」は、リンクしているレイヤーを選択するとアクティブになるが、リンクがクリッピンググループと重複すると非アクティブになる。

上記のいずれでもないレイヤーを選択している場合は「下のレイヤーと結合」になる。

表示レイヤーを結合/画像の統合
いずれのメニューも、表示状態にあるレイヤー全てを結合して1枚にする。画像合成の最終段階に行う。

「画像を統合」の場合、非表示レイヤーは破棄される。「表示レイヤーを結合」の場合、非表示レイヤーは結合されずに残る。非表示レイヤーも何らかの理由で残したい時はこちらを選ぶ。

※新規レイヤーのサムネールをAlt+クリックしながら「表示レイヤーを結合」を選ぶと、新規レイヤーが結合レイヤーとなり、各レイヤーはそのまま残る。合成画像の仕上げに使われる技。
なお、「編集>結合部分をコピー」でもほぼ同じことができる。