キャブレターのオーバーホールは手抜きなしで!・・・でもやりすぎない。 |
今だから書けることですが、一度KATAHOは失敗しています。
過去、別のHPで「レストア日記」として随時更新していた頃は、そのまま時系列で追っていたので、失敗談もそのまま日付で掲載していましたが、今回はちょっと整理して書いています。
とにかく、キャブレターは微妙な部品です。
本来は、全てのパーツをばらして分解洗浄するのが基本なのですが、素人はジェット等微妙なセッティングを狂わさないように、KATAHOがやったところあたりで止めておくのが無難でしょう。
また、普通は洗油(灯油でOK)を用意して、その中に漬け込んで洗うのですが、洗油の後処理の問題もありますし、できればキャブレタークリーナーを使った方が良いと思います。 |
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@キャブをばらばらにします |
ばらばらにするといっても、完全にばらすわけではありません。
3LN1に限った話ではなく、4気筒エンジンのキャブレターは、4つのシングルキャブレターをつなげて1つのユニットにしているので、それぞれが同期するようにリンケージされています。
このリンケージで微妙なバランスを取っているわけですから、このリンケージを外してしまうと・・・。
ヘタすると、ちゃんと回らないエンジンになります。
ということで、各気筒ごとに設けられている「外せる部品」を外して洗浄します。
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キャブのダイヤフラム側ネジ2本をはずし、ダイヤフラムとスロットルバルブを取り出します。
大抵、こちら側はあまり汚れていませんので、パーツクリーナーでゴミを吹き飛ばし、グリスアップを行います。 |
ダイヤフラムとスロットルバルブをはずした後。
奥にメインジェットが見えますが、コイツが詰まってると、ほんとーにどーにもなりません。
U字型に見えるバルブのレールも樹脂パーツなので、洗油に冒される危険あり、とのこと。
でも、この程度なら、パーツクリーナーの圧力で吹き飛ばせば、OKのはず。 |
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外した部品は、それぞれどこに付いていたのかがわかるように、写真のように分類箱を作って入れた方が良いです。
というのも、取り付ける気筒を変えただけで、調子が狂うことがあるそうなので。
ちなみに左の写真では、番号1がバイクにまたがった状態で左側の気筒です。 |
最初にばらしてオーバーホールしたときは、単に洗油につけてブラシでこすり洗いをしただけでした。
本来やるべきであるパッキン、Oリング等の総入替をやらなかったこともあり、細かな錆がパーツの隙間に挟まっているのを取り切れず、結果としてオーバーフローを招いてしまいました。
やはり、手抜きは禁物です。 |
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今回購入したパーツ類 |
ガソリン漏れの原因の一つと思われる、フロートチャンバーガスケット。正式名称は、ただの「シール」だそうですが。
1枚350円もします。4枚だから1400円・・・高!
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ブロックジェットアセンブリのシール。
正式名称はOリング。
これもかなりヘタりやすいらしいので、交換。
こいつも1枚550円なので、4枚で2,200円!
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ニードルASSY。傷がついていた1本だけを交換した。 |
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Aフロートバルブの洗浄 |
フロートバルブは、フロート本体に組み込まれています。 |
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フロートバルブを外すには、この位置のピンを抜いて外します。 |
これがフロートバルブです。
キャブクリーナーを吹き付けて洗浄。
大抵は、これでOKですが、中には小さな段差がついていることがあり、その場合ガソリンが漏れてきますので、
要交換。・・・ただし、1本2,000円します! |
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フロートバルブが収まる、ガソリンの入り口。
ここも樹脂パーツなんですよねぇ、意外でした。
こっちも、キャブクリーナーで洗浄します。 |
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Bブロックジェットアッセンブリの洗浄 |
ブロックジェットアッセンブリを外すには、この位置の六角ボルトを回して外します。
ボルトを抜いたら、少し揺り動かして、固着したOリングをはがしながら、慎重に作業してください。 |
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外した後の状態です。
外したら、キャブクリーナーで洗浄。
おそらく、大抵の錆や汚れは、吹き付けるだけで取れますが、無理ならキャブクリーナーを容器に入れて浸せばOK。 |
こちらは外したブロックジェットアッセンブリ。
Oリングを外した後、図のようにジェットに差し込んで洗浄し、新しいOリングを組み付けます。 |
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CニードルAssyの洗浄と組み付け |
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ニードルは、2,3番と1,4番とで形が違います。
どうやらこれはFZRシリーズ全てそうなので、発注時は注意。 |
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キャブクリーナーを使ってきれいになったキャブレターです。 |
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ここまできれいになれば、満足です。
あとは、逆の手順でキャブを組み付けましょう。 |
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