白峰三山3000m超高層縦走報告


8/10,11の二日間で南アルプスの3000m超えが連なる白峰三山(北岳,間ノ岳,農鳥岳)をピストンして来ました。
今回、踏んだ3000m超ピ−クは北岳3192m、中白峰3055m、間ノ岳3189m、西農鳥岳3051m、農鳥岳3026mの5座
天気に恵まれ抜群の眺望と花、雷鳥と野生の日本猿にも遭遇するという最高の山行でした。以下に報告します。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【山 名】南アルプス 白峰三山(北岳3192m,間ノ岳3189m,農鳥岳3026m)
【日 程】H14.8.10(土)〜11(日)
【行 程】(→)印は車、(〜)印は歩き
   8/10  自宅出発→名神吹田IC→中央道韮崎IC→広河原〜二俣〜肩の小屋〜北岳(3192m)〜北岳山荘(泊)
      4:40    4:50     8:50?    10:00着  12:17 14:10    14:55         15:50
                         10:30発 
   8/11 北岳山荘〜中白根山(3055m)〜間の岳(3189m)〜農鳥小屋〜西農鳥岳(3051m)〜農鳥岳(3026m)ピストン
   行き→ 5:00   5:15        5:58       6:45       7:28         7:55着
  帰り→11:30  11:05       10:25       9:06     8:30        8:03発
  (下山)北岳山荘〜八本歯のコル〜二俣〜広河原→ヘルスピア白根温泉→中央道韮崎IC→名神吹田IC→自宅
           11:33     12:43        14:00 15:15着  17:15(17:55発)  18:25     22:45   22:55
                    15:45発
【メンバー】薫単独
【地 図】1/50,000 甲斐駒、北岳
【装 備】
     ☆:ツエルト
     ☆:GPS
      ☆:山登りの標準的装備一式
     ☆:細紐
     ☆:非常食(1食分)
          ☆:囲炉裏バンダナ(No,45)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【出発まで】
 このコースは標高日本第2位の北岳を始め、4位の間ノ岳、15位の西農鳥岳など3000mを超えるピークが5座連なる、
 南アルプス随一の超高層縦走コース。夏山は3000m峰を狙ってきたので是非とも行っておきたい山ではあったが、
 時間の関係で山へは帰りの時間を気にしないですむ車でしか行く気がしない。3000m尾根の縦走で抜群の眺望が
 このコースの魅力であるが、農鳥岳から奈良田へ下山しても、奈良田から出発地点の広河原にどうやって戻るか
 で悩んだ。林道はタクシーも行ってくれない可能性がある。かと言って、この17kmの区間を歩くには時間が掛り
 過ぎる。幸い、捨てても(盗まれても)後悔しないMTBがあったのでそれを下山地にデポしておき、その自転車で
 広河原に戻る案に行き着いた。よっしゃ。しかし、地図をよく見たら道が一本ずれている。これでは車が大幅な
 遠回りになって諦めた。いろいろ考えた末に、結局下山せず尾根を引き返して広河原に戻るのが最も速いと判断。
 北岳から農鳥岳往復縦走を1泊2日で行うという、荒川三山の時と同様、ちょっとハードなスケジュールとなった。

【1日目】自宅→広河原〜大樺沢〜二俣〜肩の小屋〜北岳山頂〜北岳山荘

 4:40 自宅出発。4:00出発を目標にしていたが起きたのが4:20だった。4:50 名神吹田ICから高速に乗る。
    お盆休みにはまだちょっと早いようで名古屋方面への道は空いていた。反対車線は、滋賀辺りから渋滞。
    北陸道を通過した辺りで火災により通行止めのニュースが飛び込む。一瞬、血の気が引いたがどうやら
    東名阪自動車道のようで私には影響がなかった。次に、中央自動車道へ入る直前で恵那峡トンネル内で
    事故発生のニュース。。あ〜今度こそアウトや。と思っていたがなかなか通行止めにならない。あれ?
    東名にするか中央道にすべきか迷ったが、事故処理が速く、速度規制のみだったので中央道に入る。
    トンネル出口には、レッカー車らしき車があった。最近、ホント事故処理が速くなったなぁ〜。

 7:50 伊那IC通過。本来、関西から行くのであればここで降りるのが一番近道なのだが、環境保護目的とかで
    南アルプス林道の戸台大橋〜広河原間は一般車通行止めとなっている。これがどうもよく理解できない。
    関西人を締め出したいのか、はたまた山梨側にお金を落とさせる思惑なのかと勘ぐりたくなる。お陰で
    約90kmほど余分に遠回りすることになる。戸台口からバス2本乗り継ぐ気ならここでも降りられます(笑)

 8:50  韮崎IC到着。ここまで4H。平均時速100kmでした。コンビニ&GS立ち寄って広河原へいそぐ。
     途中から広河原に向かう先行車3台が現れる。時間帯からしてこの4台分の駐車スペースは無さそうだ。

10:00  広河原到着。200台以上は止まっているが、ここまでに4台以上の広河原から出てきた対向車とすれ違って
     いるので空きスペースは有るはずである。それぞれの車が空きを見つけるべく散らばり、あちこちの駐車
     場に入って行く。私は初めから川向こうの広河原ロッジに向かった。幸運にも1台分のスペースがすぐに
       見つかり、最後尾の私が一番に駐車確保できた。ついてるなぁ。GPSが衛星キャッチをする間に身支度
     をすませる。ここで着替える時に胸ポケットから携帯を外すのを忘れ、携帯不携帯で出発するドジふんだ。

10:30  登山届けを出だすためには一旦、来た道を戻るか吊り橋を渡らなければならなかった。届けを済ませ出発。
    山登りも結構長くなってきているが、今回の計画が、今までの中で最も遅い出発だった。広河原標高1529m、
    北岳3192mだから標高差1663mとなる。300m/hで登るとすれば5.5時間で十分明るいうちに着ける時間だが、
    やはり少し急いだ。白根御池小屋への分岐は、15分で着いた。ここから左の大樺沢に向かう。途中、道が
       沢になっている部分もあって、顔の火照りを冷やしながら気持ちよく歩ける。暫くするとストック持った
       下山者とすれ違う。このとき初めてストック持ってくるのを忘れていることに気づく。折角、ツェルトと
       ともに寝具一式を担いできたのにこれでは只のお荷物ではないか。一挙に肩に重くのしかかる。トホホ。
    しばらく山登っていないとこういう失敗もあるんだな。と反省(しても遅いけど)

12:17  二俣到着。ここまでは崩壊跡地以外は、割と傾斜も緩いのでコースタイムはあまり縮められない。
    北岳バットレスが目の前にそびえる。へぇ〜こんな壁を登った囲炉裏村民がいるんだなぁと感心する。
    まだ若干、河原には雪が残っていた。ここで小休止。ここから右俣コースを選択。登っても登っても
    稜線が見えてこない。風通しの良い場所で休憩しようと思うが、どこでも先客があって結局肩の小屋
    まで登ってしまった。白根御池小屋からの分岐まで来ると大展望が開ける。良い日に登った事に感謝。

14:10  肩の小屋到着。みんな携帯でお話しているのを羨ましく思う。小屋で100円出して水1Lを手に入れる。
    これが大誤算。今夜の宿泊先の北岳山荘小屋では、水1L無料券がついていたのである。この水は、
    その夜の焼酎の水割りになってしまった。14:20 小屋を出発。
14:55  北岳山頂。天気も良くて回りの山すべてがみえたが、山座同定用の資料を持ってきていないので
    他人の話を聞いていた。北アルプスなどでは山名入りのプレートが設置されていたりするのだが
    南アルプスには置いていないのかな。私が分かったのは穂高、槍、中央アルプス、御嶽、笊ヶ岳、
    乗鞍、富士山くらいで全て登ったことのある山ばかりだった。

15:50  北岳山荘到着。北岳からの下りは結構ザレていて緊張する。雨の日や膝に笑いが来ているような
    ときには遠慮しておきたい。今回の山は、全般的にこんな感じでした。小屋で宿泊手続きを済ませ、
    缶ビール2本(千円)を買い、富士山を見ながらベンチで一人酒盛りやっていたら横に綺麗な女性がきた。
    ラッキー思ったのも束の間、その後に彼氏が現れ邪魔をしては悪いと思い少し登った岩場に席を変えた。
    2人で一枚の布団ということであったが、私は2階の大部屋の中に更に3人が寝られるだけの梯子で
    登る棚のような場所(中央稜イ−3)で布団一枚に一人で寝る事が出来た。宿泊手続きする際、朝食は
    おにぎりを注文したら朝4:30から食べられますとの事だったので朝食取ることにした。親切な小屋です。
    この小屋ではいつも聞き慣れている歯ぎしりやいびき、雑音をほとんど感じなかった。そういえば
    関西弁はあまり聞かれませんでした。やっぱ賑やかしいのは関西人なのかなぁ。久々に静かな夜でした。

【GPSが描いた軌跡】

《後編へつづく》

山登りの部屋へ戻る