TRX-602 AGC とSメータ回路の改造

海のかざり

2001/9/29
Last update : 2002/2/14

花のアニメ最終状態

AGC、Sメータ関係は現在以下のようになっており、満足しています(実施順ではありません)。
AとCが効いているように思われます(変更箇所はすべて CQ-2 基板上です)。

@ 受信IFアンプ1段目の AGC の抵抗 R23 を 33kΩから 15kΩに変更。
A 受信IFアンプ2段目 3SK240→3SK59 に変更(3SK59 ・・・3SK73 でもよい)。
B 平衡検波回路の後段の受信AFアンプ T4 のコレクタ抵抗 R14=5.6kΩ→2.2kΩに変更。
C AGCアンプ T3 の電圧増幅率アップのため、T3の電源電圧を5Vから12Vに変更( R10 の接続先変更)。
D AGC電圧の制限のため、AGC出力端子とパラに小型の赤色LEDを追加(アノードがアース)
  ・・・3SK240 の VGS の絶対最大定格は−4V なので保険のためつけた。
E AGCラインのコンデンサ C27,C30 47μF×2をバイポーラ型に変更。
F Sメータの感度を下げるため、Sメータ倍電圧整流用ダイオード D1 とパラに 10kΩ の半固定抵抗(4kΩに設定)を追加(CANタイプの超小型のもの)。

以下、変更の時系列順に紹介します
(時系列順なので、上記の@、A、・・・と、以下の(1)、(2)、・・・とは対応していません)。


花のアニメ第1ステップ (2000/8/18実施)

オリジナル(ただし以下の1、2は実施後)では、強い局を受信すると受信音が少し歪んでおり、Sメータが振り切るので、以下の改造をしました(変更したのは、すべてSSBジェネレータ CQ-2 です)。

変更内容 説明
(1)受信IFアンプ1段目の AGC の抵抗 R23 を33kΩから15kΩに変更。 (1)と(2)はテクニカルニュース(アイテック電子からの追加情報)に従ったまでです。部品も付いていたので、基板への部品半田づけ時すでに実施していました。受信RFアンプ TV-2 T4用の変更用部品も付いていましたが、3SK60、12Vなので変更しませんでした。
(2)受信IFアンプ2段目の AGC の抵抗 R20 を33kΩから10kΩに変更。
(3)AGCラインのコンデンサ C27,C30 47μF×2をバイポーラ型に変更。 この回路で AGC電圧は、無信号時若干「正」であり、強い信号があると当然「負」になり、正負両方の値を取るからです。そのままでもよいかもしれません。
(4)AGCアンプ T3 の電圧増幅率アップのため、T3の電源電圧を5Vから12Vに変更( R10 の接続先変更)。 AGC電圧が弱いように思われたため実施しました。1石のAFアンプにおいて、電圧増幅率は概ね VCC に比例する(エミッタ接地で直流動作点= VCC/2 とし、エミッタに抵抗器が無いかパスコンで交流的に0Ωと見なせる場合)のでVCCをアップしました。 (4)R10 の接続先変更と(5)追加したLED
(5)AGC電圧の制限のため、AGC出力端子とパラに小型の赤色LEDを追加(アノードがアース) 3SK240 の VGS の絶対最大定格は−4V なので保険のためつけました。赤色 LED で AGC電圧が約−1.7V に制限されると、ゲート〜ソース間は約−2.55V に制限されます(ソース〜アース間は実測+0.85V)・・・実際には AGC電圧がここまで下がることはなく、実測でAGC電圧>−1.25V でした。
(6)Sメータの感度を下げるため、Sメータ倍電圧整流用ダイオード D1 とパラに 3.3kΩ の抵抗器を追加。 テキストにあるように D1 を 3.3kΩの抵抗器に変えると、それまで振り切れていたのがS=7〜8までしか振れなくなりました。
左記により、強い信号を受けた時、Sメータがほぼフルスケールまで振れるようになりました。

ステップ1の(6)までの改造後、山の上(約800mH)から実運用してみたところ、受信音の歪みはほとんど気にならない程度まで良くなっており( 8km 離れた山の上の局でもOK)、Sメータについても思った通りのフィーリングで振れておりFBです。しかし、数〜10局に1局くらいの強い信号を受信したとき、少しだけ音が歪む感じがします。AGC電圧(の絶対値)を大きくしたことにより、RF、IFのゲインを抑制しすぎているように思われます。そこでステップ2の(7)と(8)を実施しました。


花のアニメ第2ステップ (2000/11/7実施)

ステップ1に加え、以下の改造をしました。

変更内容 説明
(7)平衡検波回路の後段の受信AFアンプ T4
 ・エミッタ抵抗 R12=100Ω固定抵抗
  →1kΩの半固定抵抗に変更
    (500Ωに設定)。
 ・コレクタ抵抗 R14=5.6kΩ→2.2kΩ
  に変更
(7)はAFアンプのゲインを下げるためです。
(出力インピーダンスも下げるようにしました)。
受信AFアンプの半固定抵抗の写真
(8)(6)の 3.3kΩ固定抵抗→10kΩの半固定抵抗に変更(4kΩに設定) (7)と(8)は今後も調整しやすいように半固定抵抗にしました。CANタイプの超小型のもので、1個200円ほどしました。 Sメータ回路の半固定抵抗の写真

ステップ2の変更後、ローカル局(2km)を受信したところ(ステップ1と比較して)、歪みがかなり減っていることを確認しました。Sメータもフルスケールで振れています。ただし、S=3くらいの局では、たいへん音が小さく、Sメータも全然振れない(フィーリングが合わない)ため、さらなる改善の必要性を感じました。

ステップ2実施後、ステップ3実施前まで移動運用をしておらず、冬で聞こえる局数も少なかったので正当に評価できませんが、ステップ1実施後の方が、数局に1局少しだけ歪むが、フィーリングとしてはFBな気がしています。


花のアニメ第3ステップ (2001/3/19実施)

ステップ1、2に加え、以下の改造をしました。

変更内容 説明
(9)受信IFアンプ2段目 3SK240→3SK59 に変更(右の写真は 3SK59)。 3SK240 より 3SK59/73 の方が AGC が効きやすそうだったので交換しました。 3SK59 に交換した部分の写真
(2)の抵抗を10kΩから33kΩに復旧。 石が変わったので、元に戻しました。
(7)の半固定抵抗の設定を500Ω→100Ωに変更 AFアンプのゲインをほぼ元に戻しました。

ステップ3実施後、移動運用を含め、70回以上交信しましたが(2001/10/2 現在)、一言で言えば、AGC については気にならなくなりました。非常に強い信号では歪むこともありますが、受信感度やSメータのフィーリングも含め、自作機としては合格点に達したと考えています。


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