144MHz CW 送信機 CW-TX-2 の製作

海のかざり

2013/9/23
Last update : 2017/8/15

花のアニメCW-TX-2 の概要

144MHz CW 送信機 「CW-TX-2」を製作しました(2013年8月完成)。
全体としてはオリジナルですが、効率的に製作するために、アイテック電子研究所の基板ユニットのキットを改造、組合わせて構成しています。
出力は約 200mW です。

CW-TX-2 外観

CW-TX-2
(テイシン TC-110に収納した:W80×D110×H30)
(チューニングツマミは、サトーパーツのメタルツマミ K-59-S-AG を使用)

CW-TX-2 リアパネル

CW-TX-2 リアパネル

あゆ 40」(市販の専用ケースより一回り小さい)と同じアルミケースに入れました。手のひらサイズ(QSLカードの面積比60%の大きさ)です。「3.5MHz CW 送信機 CW-TX-80」も同じケース・パネルデザインです(CW-TX-2 の方がスイッチが1つ少ない)。


花のアニメ製作概要

CW-TX-2 内部

CW-TX-2 内部
(基板は手前から順に MC-44、プリアンプ転用ドライバ、MC-64)
(右上にファイナルの後のローパスフィルタが見える)

製作概要は以下の通りです。

JF1RNR 今井 OM 著「手作りトランシーバ入門」の「10mW 出力の 144MHz CW トランシーバ」も参考になりました。


花のアニメVXO+増幅2段は、MC-44 144MHz帯 FM QRP 送信機を転用

VXO(可変水晶発振)+増幅2段は、アイテック電子研究所の「MC-44 144MHz帯 FM QRP 送信機」を転用しました。FM 送信機の FM 変調回路を使わず、キーイングすれば CW 送信機、という発想です。FM より CW の方が周波数安定度が求められますが、実用上問題ありませんでした。MC-44 では、VXO を FM 変調に使っていますが、今回はチューニングに使いました。水晶振動子の表示周波数の上側への周波数可変となりますが、周波数可変範囲の確保のため、スーパーVXO(水晶振動子2個)としました(表示周波数より上側で発振させる VXO もスーパーVXOが良い点については、アイテック電子研究所の千葉 OM からアドバイス頂きました)。

MC-44 144MHz帯 FM QRP 送信機 改

アイテック電子研究所の MC-44(改)を転用
(FM変調回路は使わないので、左側が未実装のままである)
(水晶振動子は2個使用(スーパーVXO))

周波数可変範囲は以下の通りです。水晶振動子の表示周波数より上側で発振させる VXO ですが、水晶振動子と直列に C ではなく小さい L を入れて目的の周波数になりました。確かに、水晶振動子を2個使用(スーパーVXO)した方がよく上に動きました。

水晶振動子 VXOコイル 周波数可変範囲 備考
16.000MHz ×2個
(スーパーVXO)
1μH 144.0375〜144.0840 MHz
0.68μH 144.0418〜144.0892 MHz ←採用

水晶振動子はアイテック電子研究所から購入した UM-1 です(キットの部品の水晶振動子と同じ種類)。当初、バリコンを回すと周波数が飛ぶ箇所があり、水晶振動子を他社製(複数)に交換してテストするなど苦労しましたが、結局原因はポリバリコンであることが判明し、他社製ポリバリコンに交換後正常になりました。


花のアニメプリアンプ転用ドライバ

ドライバは、製作当時、キャリブレーションから発売されていた「RFプリアンプ(144MHz)」(アイテック電子研究所と共同開発)を転用しました。2017/5/31 現在も「RFプリアンプ」がパーツセットとして販売されており、同じものと思われます。もともと、MC-44 と MC-64 だけで構成する予定でしたが、作り方が良くなかったのかトータルのゲインが不足したので、少々安易ですが、1段追加しました。

キャリブレーション RFプリアンプ(改)

キャリブレーションの「RFプリアンプ」(改)をドライバに転用

2SK439 のソースは直接アースしており、ゲート・アース間に 1kΩを入れています。オリジナルに使われている三端子レギュレータは使わず、代わりにデカップリング用に 10Ωを入れています。


花のアニメファイナルは MC-64

ファイナルは、アイテック電子研究所の「MC-64 パワーアンプ」を使用しました。トランジスタは 2SC3605で、VCC〜ベース間に 1.8kΩ を追加し、R1 は 100Ωに変更しました。

MC-64 パワーアンプ CW-TX-2 ローパスフィルタ

ファイナルは、アイテック電子研究所の MC-64(左)
ローパスフィルタ(右)

(ローパスフィルタは左がアンテナ側。レイアウトの都合上、アンテナコネクタに直結した)

ファイナルの後のローパスフィルタは、トロイダルコイル(T-25#12)を用い、π型1段+T型1段(Q≒5)としました。


花のアニメ交信状況

2017/8/15 現在で、交信回数は 78 回になりました。交信記録は以下の通りです。

和歌山市〜静岡県(市郡区不明)
(2014/9/15)
約220km

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