JR 電動ヘリ VoyagerE 改造編
6.ピッチを大きく取る(+−10度)
○事の始まり...
あちこちのHPや雑誌ではよくEPコンセプトが背面で飛行している姿の写真を見かけます。しかし、ボイジャーEで
背面飛行している姿をほとんど見た記憶がありません。そこで何とかボイジャーEで背面飛行が出来ないかと言うことで
連日連夜 背面飛行養成ギブス(シミュレーター)での猛特訓が始まりました。(何とも古くて大げさな) 出来れば
フリップくらいまでをしてみたいのです。
シミュレーターで練習をしながら機体の方もチューンしていきます。まずピッチを+−10度取れるように
してみました。そして他項でも紹介している軽量化と強力なモーターへの変更です。ここまでやって後は腕と度胸だけ。とその時
までは思っていました。
○実際に飛ばしてみると...
そしてその日がやってきました。まずはパワーと舵の切れの確認。よく分からないが何とかいけるだろうと勝手に判断。
少し上空を流して十分高度を取った上でホバリングからのバック転をやってみました。何とか1回転は出来たのですが
何か変です。背面状態になったところで機体が大きく振動しています。しかし、通常姿勢に戻りホバリングにはいると
何ともありません。そのまま上空を飛ばしても別に問題はありません。パワー不足でローター回転が落ちたのかな?などと
思いながら飛ばしているとそろそろバッテリー切れの時間です。
機体を降ろしてからモーターの冷却もかねて各部のチェックをしてみましたが特に問題はありませんでした。
そして運命の2本目。次は高速飛行とループに挑戦してみました。ボイジャーEでの高速上空飛行はこの日が初めてで
ちょっと緊張しましたが、予想以上のスピードになんだかワクワクしてしまいました。数周上空を旋回していよいよ
ループです。若干高度が低いかなと思いながらもバッテリーの残り量を考えてしまい、強引にループに入れてみました。
するとループの頂点くらいでいきなり姿勢が崩れてしまいました。何とかリカバリーをしようとがんばったのですが、
思うように機体を操作できずクラッシュしてしまいました。幸い落ちた場所が良かったので小破で済みましたが、ちょっと
ショックでした。
やはりまだまだ腕が未熟だったかな?などと反省をしながら機体の修理にかかりました。
破損部品の交換も終わり、サーボを動かして動きをチェックしているとなんか変です。よく見るとシュワッシュプレートを
動かす前のサーボのモーターが時々カラ回りしています。分解してみるとギアが欠けています(写真1)。そんなに無理がかかってた
のかなと思いながらもとりあえず別のサーボに交換しました。

写真1 欠けたサーボギア
○そして対策
このままではまた同じ事が起こる可能性があります。そこで舵をいっぱいに切った状態でサーボに何らかの影響が出ていないかを
調べてみました。するとフルピッチ(+−両方)の状態でエルロン、エレベーター、特にその両方をいっぱいに切ると
リンケージが突っ張ります。リンケージが突っ張るとその力がサーボを押すようになり、かなりの負担がかかっているよう
です。よく見ると+フルピッチ(+10度)の時はウオッシュアウトアームがスワッシュプレートに(写真2)、−フルピッチ
(−10度)の時にはシュワッシュプレートとシーソーアームをつないでいるリンケージの上側のユニバーサルリンクがウォッシ
ュアウトアームに干渉します。(写真3)

写真2 +フルピッチ時(+10度)

写真3 −フルピッチ時(−10度)
これではまずいと言うことで対策をとってみました。まず+フルピッチ時ですが、これはリンケージで調整する部分が
見あたらないので、フルピッチ状態で舵をいっぱいに切ってもウォッシュアウトアームがスワッシュプレートを
押さえつけない程度までスワッシュプレートを下げました。調整はサーボとスワッシュプレート
をつなぐリンケージを3本とも同じ長さだけ短くしました。
次に−フルピッチ時の調整です。シーソーアームにつながるリンケージを外側に曲げて、ウォッシュアウトアームに当たらないようにしました(写真4)。しかし、JRのユニバーサルリンクは大きいのでリンケージを曲げるだけでは対処し切れません。そこで京商のロッドエンドセット(H3108)の中に2個小さな物がありましたのでそれを上の方に使用しました。(写真4矢印)

写真4
この状態でピッチを+−10度取れるようにピッチを調整します。フルピッチ状態で舵をいっぱいに切ってローターがスムーズに回ればOKです。
○新たなる問題
ここまでセッティングした段階で新たな問題が発生しました。−フルピッチ状態でエルロンを右いっぱい、エレベーター
をいっぱいに引くと右のサーボのホーンがメインギアに当たるのです(写真5)。よく見ると
ユニバーサルリンクが少し削れています。今までのセッティングでも少し当たっていたのでしょう。
これではまずいと言うことでジョイントボールを外側に付けました(写真6)。リンケージが若干傾くのでサーボが大きく動いたときに他のサーボとの差動が出るかもしれないと思ったのですが、目視では分からなかったので
そのまま付け変えただけで、プロポのセッティングは変更しませんでした。実際に飛行をして問題があるようなら取説に従ってトラベルアジャストで調整することにします。

写真5 ジョイントボールがメインギアの高さまで下がるため干渉する。

写真6 ジョイントボールを外側に付けてみた。
ここまでやって最後にもう一度+−フルピッチでエルロン、エレベーターを同時にフルに切ってローターヘッドを手で回し、リンケージに無理がないかチェックします。もし無理があるようなら適度にデュアルレートを入れて調整します。
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