京商 キャリバー30 改造編
4.マフラー(バッフルの加工)
キャリバー30が出てまもなく、いくつかの掲示板で付属のマフラーはそのままではパワーが出ないという書き込みを見かけるようになりました。そして自分がキャリバー30を購入し、実際に飛ばし始めると例に漏れずパワーのなさを実感しました。
パワーがないといっても回転域全域で悪いわけではなく、高回転域でのパワーがないのです。ホバリングくらいまででは特に問題はなく、まだ音が静かで良いくらいです。
※設定の関係か、なぜか一緒に飛ばしている仲間のキャリバー30はノーマルマフラーのままでも問題ないようです。ある一定の条件がそろうと高回転域での問題が出るのでしょうか?
それではこの問題をどう解決するか?マフラーを交換すればよいのですが、それでは面白くないので付属のマフラーを加工して見ることにします。
掲示板を見ていると問題はマフラーの抜けの悪さにあるようです。そこで実際にマフラーの状態を見てみることにしました。
まずは外見からですが、比較対象物としてネクサスで使っていたハットリのマフラーを引き出してきました。それと比べると排気口の大きさは付属マフラーの方が0.3mmほど大きい程度です。ということで排気口の大きさは問題ないと思われます。
次にマフラーをばらしてみます。すると中にバッフルが1枚あります。これには中央に穴が空いており、その部分が筒状になっています。この構造により、かなりの消音効果を出していると思われます。その穴と出口である排気口の大きさを比べてみました。比べてみたところどちらもほとんど同じ大きさです。これだけを見ると問題なさそうですが、じつはこのマフラーはこのバッフルの穴に4mmの組み立て用の棒が貫通しているのです。つまり、実際はバッフルの穴はこの棒の断面積分だけ狭くなっているのです。それとこの部分は筒状になっている分、さらに排気の流出抵抗が大きくなっていると思われます。
それでは実際に改造をしてみます。その方法はバッフルの穴の小ささを補うためにバッフルに追加の穴をあけて排気の流出抵抗を下げることにします。穴をふさいでいる棒の直径は4mmなのでとりあえずバッフルに4mmの穴を開けてみました。しかし、よく考えてみるとこのマフラーの構造では最終出口である排気口の流出抵抗が一番大きくなるのが望ましいのではないかと思います。そこでバッフルの流出抵抗をもう少し落としてみます。といってもあまり大きな穴をあけると消音効果がかなり落ちそうなので、穴を大きくせずに増やしてみることにしました。隣にも4mmの穴をあけてみました。(写真1)

写真1
穴をあける位置もいろいろと考えられると思いますが、私は2つの穴を写真のように隣に空けてみました。というのは、排気口と開けた穴を遠くすることで消音効果を期待できるのではと思ったからです。
この開けた穴を上側に配置し、マフラーを組み立てました。(図1)

図1
これで試しに飛ばしてみました。音は小さな穴を開けたせいか若干高い音が耳につく感じがしますが、そんなにうるさいと言うことはありません。しかし、フルスロットルにするとまだ変です。そこでもう少し穴を開けてみることにします。小さな穴を開けると高音ノイズが耳につくのでこれ以上小さな穴を空ける気になれませんでした。そこで2つある穴の1つを直径6mmに広げてみました。
不思議なことに穴を広げると排気音の音域が低くなるせいか、4mmの時よりもマイルドで静かに感じます。高音のノイズというのはかなりうるさく感じるようです。問題のパワーもとりあえず実用の域になりました。変なパワーダウンもありません。ホバリングからの上昇もぐんぐん上がっていきます。
これでとりあえず問題解決なのですが、ここまでやるともう1つある4mmの穴を広げてみたくなりました。広げた結果はまた追々書きたいと思います。
今回の改造は排気の抜けだけを考えて行ったので、チャンバー効果などを考えればもっと良い方法があると思います。これは間違っているよ、このようにすればもっと良いよという事があれば是非教えてください。
※2003.9.1追加。
掲示板にてwakkyさんより4つ穴を開けると抜けすぎてマフラープレッシャーが弱くなり、結果エンジンが焼けることがあるとの報告をいただきました。
穴の大きさは不明なのですが、やはり開け過ぎも良くないようですね。ありがとうございました。
○標準マフラーの使い方を考えてみる。(2003/04/09)
今までは高回転時で回すことを中心に考えてきました。実際、1900〜2000rpmくらいで回すことは一般的にも良くあることだと思います。私の場合標準のマフラーではこのような使い方が出来なかったので加工をしました。
しかし、メーカーである京商がこのマフラーで特に問題なく使えるということで採用していると思うので、ここで発想の転換をして標準マフラーの正しい使い方を考えてみたいと思います。私が所有している標準マフラーはすでに加工をしてしまっているので現在の状態では試すことが出来ません。これから書くことは実験をしておらず、あくまでも憶測であることをご了承下さい。
標準マフラーは今までの経緯から高回転時の抜けが良くないのは明らかだと思います。概してこのようなマフラーは中回転域でのパワー、レスポンスが良いことがあります。そこで不具合が出ない回転域を使用するようにセッティングをすれば良いのではないかと思いました。例えば1800rpmまでの回転で問題がないのであればこれを超えないようなピッチカーブ、スロットルカーブを決めるのが良いのではないかと思うのです。回転は低くなりますが、ピッチを多めに取ることが出来れば案外パワフルに飛ぶかも知れません。きちんとセッティングができればまさにサイレント、パワフルな機体に仕上げることが可能かも知れません。
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