□□□□□□  真空管アンプ製作記  □□□□□□


・サンバレー VP−3000 Ver.2 (2006/05/27)

直熱3極管の代表格300Bのプッシュプルアンプキットです。 約1年前にエレキットのTU-879R (6L6GCシングル) を製作し、真空管アンプの魅力に取り付かれ、次は噂の直熱3極管 (300Bや2A3など) を製作したいと思っていました。 当然ですが、まだイチからの自作は不可能でキット購入となるのですが、家の近くの日本橋での店頭購入や信頼性のある通販など3〜4機種に絞られました。 ちょうど先月、吹田市で行なわれた愛知県の真空管キットメーカー 『 ザ・キット屋 』試聴会に参加する機会が有り、現物を目にすることや音も聞くことが出来、売り手の想いをうかがい知ることも出来ました。 通販専門で送料込みで着払いの簡便さでゴールデンウィーク寸前に注文。 連休納品の期限締め切りが終わっているにも拘らず連休2日目に納品されました。 メーカとはメールでのやり取りになるのですが、レスポンスの良い連絡や対応に大変信頼感を覚えました。


荷物到着
ゴールデンウィーク2日目の夜9時ごろ、宅配便で注文の品が入ったダンボールが届きました。 大きさで言えばちょうどミカン箱くらいでしょうか?しかし鉄の塊りのトランスを含めて約20kg!宅配便のお兄さんも 『 重いですので玄関まで運びます 』 と手渡しとはいきませんでした。 箱には 『 Tri 』 のロゴ。 日本メーカで真空管アンプ完成品販売では孤軍奮闘?頑張っておられるトライオードがキット化しているようです。
真空管アンプ完成品やキットの生産者 (販売者) 側の世界は広いようで世界的には実は案外狭いのでしょう。


開梱してみました
あの重いトランスをどのように梱包してあるのか興味ありましたが、ケースに既に取り付けられた状態でエアキャップ (プチプチが代名詞ですね) に包まれ 発泡スチロールではなく高密度のスポンジをアンプ形状にくり抜いたものを左右から挟みこみ、ダンボールごと落とした場合の潰れしろを確保するためにダンボールに接する面にリブを貼り付けてあります。 梱包パッキンだけでも随分お金が掛かっています。


ご対面
エアキャップを取去り、さて製作準備です。
前回のエレキットは1日で完成しましたが、今回ゴールデンウィークとは言え日々予定もあり連休中に完成の見込みはありません。 (ゆっくりボチボチ組むつもりなので)
そのため今回は奥さんに迷惑が掛からないよう即席作業台を設置しました。 キャンプ用の樹脂製テーブルでイスの部分にあたる足を伸ばさずに、ちゃぶ台のようにして、アンプの外装に傷が付かないようにこれまた片面ミラーのスポンジシートを敷きます。 前回は不要な厚紙の日本地図を敷いてテーブルに置いた部品を探しづらくて困ったので今回単色ですが、これもまた銀色のネジやら部品が見えなくて大失敗!


シャシー裏蓋を開けてみると
既にトランスを組み込まれたシャシーを裏返して裏蓋を外して中を覗いてみました。
きっちりと主要部品が組み込まれたガラエポのプリント基板、トランスからの配線群はひとまとめにまとめられ、ポリ袋に個別にパックされた部品や部品番号を明記したラベルなど几帳面にまとめられていました。
入力RCA端子やスピーカ端子、ACインプット、整流ダイオードなど既にシャシーに固定してあるのはとても有り難い事です。


いざ組立て開始
ニッパーや寸法測定用メジャー、カッターナイフを手元に揃えて組立て開始です。
手持ちの半田ごてが30Wとやや心もとないのですが、半田ゴテも1000円程度の安いものだとコテ先やヒーターの部分がすぐに駄目になってしまうので 『 チョット買いに走る 』 と言う訳には行きません。かと言って満足いくものを探すと5000円から10000円前後まで掛かってしまいます。 今更追加投資もままならないので取り敢えず現状の工具類で組立を開始します。


バイアス基板の組立て
説明書どおり、最初に作業し易いようシャシーからバイアス基板を取り外し、バイアス基板用電源と各真空管メイン基板に繋がるリード線を配線します。
緑、青、紫、オレンジと半田付け箇所は少ないのでアッと言う間です。 パターンのランドが大きくリード線の熱容量も結構あるので30Wの半田ゴテでは多少役不足に感じます、出来れば40〜60Wぐらいでコテ先があまり太くないものが使い易そうです。


主プリント基板に組付け
6SN7真空管ソケットをはじめ、コンデンサや抵抗類を実装するメイン基板の組立てに入ります。 このあたりはお手モノ。1箇所セレクターのシャフトを逃げるために裏から実装するセメント抵抗を除けば何も気にせずに組立できます。とこるが終盤で大失敗!!6SN7の真空管ソケットを裏面 (シルク印刷の無い方) から挿し込むのですがRch、Lch共にシルク印刷側から挿し込み半田付けしてしまい 『 出来た! 』 と思った瞬間気がついたのでした。 今度はこのソケットを外すのに大変骨が折れました。わざわざ日本橋まで半田吸い取り線を買いに走り...
何とかリカバー出来たものの、プリント基板の表面には半田吸い取り線のヤニがベットリ付いてキレイとは言いがたい状態に...


ナヌ??
部品の中で 『 ナヌ??』 と思わせる部品、加工が少し見受けられます。 300BのPPでこの価格で贅沢は言えません (300B真空管4本だけでも安くて5万円もするのですから) が、中国部材調達によるものでしょうか?日本製の部品には無い、やや大雑把な部分を垣間見ることができます。 数十円〜数百円の投資でグレードアップ可能ですので気にならなければそのまま、気になるようであれば部品交換か簡単なDIYで納得いくものになると思います。
 画像上 : ビスが粗悪でナベ頭の偏芯が大きく、ビット穴もキレイではない/欠けているバイアス調整用ボリューム固定六角ナット
 画像下 : バイアス調整用メータの固定金具です プライヤーかペンチで曲げたように見ます
その他、画像には有りませんが、入力セレクタを固定するLアングル板金の剛性やセレクタ、ボリュームノブの機械的な精度にやや難があり回転位相によってはフロントパネルと接触することがあり多少浅めに固定する必要があります。


内部配線にかかる
電源トランスからのコードを整流ダイオードに配線するところあたりが 『 真空管アンプを作っているのだなぁ 』 と感じるところです。 真空管アンプ完成品やかなり経験を積んでおられる方の配線を見ればXY方向に整然と接続され、タイラップやビニール紐でキレイに縛ってあります。 そんな感じを目指しつつコードの長さを考えたりしながら配線していくのですが意外と大きな部品たちが障害物となって 『 整然と 』 と言う状態からは、次第に遠ざかっていくような...
2次元なら良いのですが立体的な3次元だからなかなか難しいものがあります。


だんだん焼きそば状態に
基板から電源、真空管ソケットに配線し出すと次第に焼きそば状態の最悪の事態に...
あとで線処理するときに切り詰めれば何とかなると信じてドンドン進めます。コード類が色分けされているので確認が容易に出来ます。 ちょっとビニール被覆の耐熱温度が低くて溶けやすいので耐熱タイプかテフロン被覆を買ってきておけば良かったと後悔しますが今更引き直すのも面倒なのでこのまま続行です。
組立説明書にはありませんでしたが、電源ラインはなるべく捻ってシャシー内面に這わすようにしました。 (エレキットではそのように解説されていましたので・・・)


コンデンサを移動
出力トランスからのコードが電解コンデンサの下から出ているので入力、出力のコードが引き回しし辛いため、コンデンサのバンドを緩めてシャシー外側から遠ざけます。 これで随分作業性と配線の整理がし易くなります。 電解コンデンサを実装しているプリント基板とバンドとのコンデンサの間隔がやや違うようでスムーズには動いてくれませんがプリント基板がやや反りながらでも数センチは動かせます。 そのまま放置では具合悪いでしょうが、元に位置にコンデンサを戻すので有れば短時間なら大丈夫だと思います。
自分自身経験はないのですが真空管アンプ製作に関するWebや書籍の情報にも電源をはじめとした配線は 『 なるべくシャシーの内法 (うちのり) を這わせることが望ましく、ハムを含めノイズには有利である 』 ことが解説されています。 キットの場合は梱包や輸送上、商品に与える衝撃や振動などの事故を防ぐためか、あらかじめシャシーに組み付けられている場合が多いですが、作業性を考えると 『 いちど外して組立てに支障がないようにする 』 ことが失敗のない組立てポイントかも知れません。


テスターで各部の電圧チェック
ひと通りの配線が終了しました。 300B、6SN7、電源基板の各部電圧を測定します。検査仕様での電圧に比べて5〜10%程低い値を示します。 『 ザ・キット屋 』 さんにメールで問い合わせてみましたが、AC1次側の電圧で左右されるので問題ないと回答いただきひと安心。 そうですよね?トランスの巻線比だけで電圧変換しているのですからトランスのバラツキを除けばAC電源電圧しか原因はないですね。 配線間違いにしても出ているか出ていないかくらいしか差は無さそうです。
手持ちのテスターで電圧チェックするのですが最大測定電圧が500Vです。 300Bへの電圧が396Vですのでほぼギリギリ。 845などの1kVにもなる真空管だと新しくテスター購入が必要ですね。マイナス電圧を測定する際に+,−の挿し換えが面倒なのでデジタルテスターが便利なようです。


真空管セット
各端子の検査も終わり、いよいよソケットに真空管を差し込んでのバイアス調整、ハムバランス (ハム音が最も小さくなるようにボリュームで調整) 調整に進みます。
さすがに300B。 これまで触れたことのある6L6GCやKT88とは比較にならないほど大きいものです。 ちょうど白熱電球を少し長細くした感じでしょうか?大きな真空管もソケットが4Pなので、いとも簡単に 『 スコッ 』 と入ります。真空管の表面には 『 Tri−Vintage 』 と印刷れていてトライオードの完成品と同じものが使われていることがわかります。
さて、電源を投入する前に6SN7、300Bを4本とも差し込んで右側面の4つの調整用の穴の奥にあるバイアス調整ボリュームを反時計方向に回しておきます。 またシャシー上面の300Bの外側にあるハムバランサーのボリュームを反時計方向に一杯回し、2回転半戻します。 (おおよそのハムバランスの位置だそうです)


バイアス調整
そして遂に電源投入!! シャシーの真ん中にあるセレクタツマミを切り換えて各真空管のバイアスを調整します。 tube1に合わせて右側面にあるボリュームをマイナスドライバーで回しますがメーターはウンともスンとも動きません。 時間が経つと多少動くのですが…仕方なくtube2に移りますが同じくメータは動かず。 tube3ではボリュームを回すとメータが振れてセンターの 『 SET 』 位置に調整できました。tube4も問題なく調整完了。 1と2がどうもおかしいと確かめてみればセレクタを2にするとtube1のボリュームが機能してセレクタを1にするとtube2のボリュームが機能します。言わば1と2が逆なのです。
バイアスボリュームから繋がる4ピンのコネクターが付いたハーネス、バイアス基板、バイアス基板から6SL7のメイン基板をざっと確かめてみても間違っていないようです。 仕方なく次に進んでハムバランス調整です。 スピーカー端子に古いTVの外部スピーカー (これでもTechnics製) を繋ぎ、恐る恐る電源を入れます。 僅かにハム音がしてハムバランス調整ボリュームを一番小さい位置に調整し、ひとまず電源を切り6SL7を刺し込みます。


ハム対策にアースラインを追加
バイアス調整のセレクタで少し落ち込んだものの、煙が出るわけでもなく多分、バイアス回路の1と2の何かが入れ替わっているのだろうと次に進みます。 6SN7を4本と300Bの内側だけ抜いてハム音が最小になるようにハムバランスを調整し電源を切って残りの300Bを挿し込み再度調整。 続いて再び電源を切って6SN7を挿し込み左右のハムを同じくらいに調整すると説明書にはあるのですが、右チャンネルから 『 ブーン!! 』 と“これぞハム音!”と言う音が出てきました。 入力ボリュームをイジっても変化無く鳴り続けます。入力ソースにMP3プレ−ヤーを繋ぎ、音を出してみればボリュームが小さいとハム音がして、ボリュームを上げると左右とも正常になります。
早速 『 ザ・キット屋 』 さんにメールで問い合わせてみました。ハム音に関してはアースの見直し、バイアスの不具合についてはバイアス基板からバイアスボリュームの見直しのアドバイスをいただきました。 ハムについては的確なアドバイス通り。右チャンネル基板と入力ボリュームのアースラインを追加すると嘘のように消えました。


バイアスセレクタ
上:間違い配線
下:正常な配線
『 ザ・キット屋 』 さんのお陰でハム音は消え去ったものの、バイアスセレクタとバイアスボリュームの不一致だけはアドバイスいただいた事については何度も見直しているので先に進みません。
バイアス基板とバイアスボリューム以外にあるとすれば・・・と、もう一度実体図 (4) と目の前の回路を見比べて見ます。 『 ん? 』 セレクタに繋がるオレンジと紫のコードが逆です。実体図にはオレンジがOFFの隣なのに自分が組立てたセレクタを見ると紫の隣がOFFです。とても簡単な間違いでした。 早速オレンジと紫のコードを入れ替えて半田付けのやり直しです。
そして期待の電源ON!! バイアス調整ツマミとボリュームは当然のように一致してメータを振らせます。 まさかのケアレスミス。お恥ずかしい限りです ^^;


遂に完成しました
配線の線処理やタイラップでの固定、各ネジ部の増し締めを行ない、シャシー内の電線や被覆、半田クズを取り去ります。 これをしっかりやっておかないと蓋をしてひっくり返して電源を入れたらショートして発煙や発火に成りかねません。
部品の数や半田付け箇所数など、そんなに苦になる事は無かったのですが、チェックミスによる配線間違い、完全プリント基板方式のキットにはないアース線の影響、筐体になる箱の中で組立てていく作業スペースの狭さなどが今回のキットの難しいところでした。 組立てに掛かった時間は延べ15〜20時間ぐらいでしょうか?


火入れ
2週間にわたって簡易作業台でひっくり返されていたVP−3000をリビングに持っております。 置き場所がまだ確定していないのでひとまず掟破りですがスピーカーの上です。
CDプレーヤーを繋ぐことも出来ないので手もとにあるMP3プレーヤーを接続して電源を入れ、バイアスメータで各真空管を監視しながら Miles Davis の定番 Kind Of Blue を再生します。
聴き進めて行くにつれ、ベースの響きに背筋が 『 ゾクッ 』 と寒気がします。 これまでのトランジスタアンプの 『 鳴っている 』 と言う表現ではなく、 『 響いている 』 のです。 音叉の残響が空気を響かせているあの雰囲気です。それはリバーブでもエコーでもありません。 『 ザ・キット屋 』 さんの店主曰く、それが直熱3極管の音なのだそうです。


通販によるキット商品で、 『 動作しない→見直し→完成 』 なら良いのですが、 『 動作しない→見直し→直らない→解らない→送り返して修理か組立依頼 』 になってしまうと無駄なコストも掛かりますし気分的にも良くありません。 しかし 『 ザ・キット屋 』 さんにおいては、顔が見えない声が聞こえない電子メールと言う一見不確実で不安な方法なのかも知れませんが、それを敢えて活用し、休日返上とも思えるスピーディーな対応の早さや対面販売に近い安心感がありました。 店主の顔がうかがえるその販売やサポートはこれまでの通販の常識を変えて下さいました。

『ザ・キット屋』リンク




□□□□□□  サイドウッドの製作  □□□□□□


・サイドウッド追加 (2006/07/15)

サイドウッド加工
何かお金をかけずにグレードアップ出来ないか企んでいたのですが、ちょうど1ヶ月ほど前に義兄の赤ちゃんが1歳の誕生日で白木の桐の箱にチーク材で名前の切り文字を着けた手作りのおもちゃ箱をプレゼントした残りの材が残っていました。 チーク材はワックスを掛けたりオイルを擦り込むと落ち着いた紅い色が特徴的です。 プレゼントしたおもちゃ箱も白木に紅い文字が映えるイメージで作りました。
ちょうどサイドウッドを作るのに良い厚み、長さが残っていましたのでひとまず外形を丸鋸で切り出します。 厚みは5ミリ、長さ285ミリ、幅60ミリです。 ここまでは簡単ですが、右側面に配する板材はビスの頭、バイアス調整穴を考慮しなければいけません。 シャシーにバイアスチャンネルが印刷されていること、細かい穴を開けるのも面倒なので丸ごと糸鋸盤でくり抜きました。


サイドウッド装着
左右のサイドウッドを加工できたら、ウッドオイルを擦り込みます。 以前は天然ロウ系のワックスを塗っていましたが、どうしても染み込んだり乾燥したりして定期的なメンテナンス無くしては色艶を維持できないので、今回は溶剤系のオイルを3回ほど塗り重ねて磨きました。 言ってみれば非常にサラサラして材に染み込む薄いニスと言ったものでしょうか?
取り付けは安直に強力な両面テープにしました。 アンプが温まってきて粘着力が落ちて剥がれる恐れがありますが、その時はその時で化粧ビスでも買ってきて恒久的に固定することにしましょう。 とにかく外は夏日で気温は35度以上!落ち着いて新たな穴を開けたり買いに走ったりする気がしません。 (^^;
と言うわけでキット屋さんの
『 ジュエリーボックス 』 風でチーク材のサイドウッド完成です。

今回、作業のついでに標準でのボリューム、セレクターの位置 ( 角度 ) がわかりづらいので、ツマミの凹の部分に色を入れることにしました。 元々黒の塗装なので、ひとまず下地の白を入れて最終的にLEDランプと統一して青か、黒に良く合うエナメルの赤にしようと思っています。



□□□□□□  スパイク&インシュレーター   □□□□□□


・スパイクに交換とインシュレータ追加 (2006/09/09)

一応納得の出来るオーディオラックが出来て気を良くして恒久的にセッティングをやってみたくなり、標準の黒いゴム足を何かしっかりとしたものに交換したくなりました。
スパイク取付け
市販の 『 オーディオ用 』 と販売されているものはピンきりで数千円から何十万円まで有るようですが、とにかく安く自分自身で納得できるものをと思い、ホームセンターで材料探しです。 材料売場の一角の金属やアクリルの球や棒材、板材を売っている中にアルミ、銅、真鍮の円錐形のものが有りました。 直径が20ミリと30ミリがあり20ミリの真鍮製を購入しました。 受け皿となるインシュレータを何にしようかと迷い、黒檀 ( 水に浮かない程の重い黒い銘木 ) の薄板で作ろうかと思いましたが、日本橋の電子部品屋で円盤型のコーリアン ( 人造大理石 ) が2枚で398円と言うのを見つけてこれに決定! 早速持ち帰ってスパイクの為の加工です。円錐形の平面の部分のまん中にボール盤でφ2.5ミリの穴を深さ10ミリほど空けてM3のタップ ( メネジ ) を切ります。 円錐形を逆さに固定するにはちょっとコツが要りますが、少し小さい目の丸穴の開いたものにはめ込んで滑り止めに、濡れた布か薄いゴム板などを挟めば簡単。 但し直角だけは良く見ながら穴を空ける必要があります。 あとはアンプの底板を外してM3で長さ6ミリ程度の鍋小ネジでネジ留めするだけの簡単なものです。


スパイク取付け
スパイクの尖った先端にコーリアンのインシュレータを敷いて完成です。 ちょうどコーリアンの円盤には直径3ミリほどのすり鉢状の凹みがありスパイクとのズレも起こりません。当初は4本足の予定でしたが、底板を含めたシャシーの平面度が出ていないのか0.1ミリ程度ですがガタつきがありました。 結局、前側の中央に取付け用の穴を追加して3点支持にしました。 トランスの重さで相当リアヘビーなので不安定さは無くガタも無くなりました。 製作費用は市販品最安値の半額以下の1500円程度です。
音質はやはりゴム足よりもしっかりした印象です。 視覚的な印象も大きいと思いますがフワフワ感が薄まり音像の定位がハッキリしました。 ルックス的にも 『 ピュア・オーディオ 』 らしくなったような気がしませんか? ^ ^ ; ・・・ 自己満足  自己満足



□□□□□□  コーリアン ( 人工大理石 ) ベースの追加   □□□□□□


・スピーカーと真空管アンプにベースを追加しました (2007/01/27)

スピーカーのセッティングをしているうちにフローリング床とスピーカースタンドの間に滑り止めのエラストマー ( プラスチック系のゴム ) がどうもシックリ行かず、フワフワしている事が判明し、オーディオ雑誌を見てもフローリングに直接機器を置くのは良くないこと、固いものの上に置くべきと言うのが定説らしくて固い板材か墓石屋にでも行って御影石でも買ってこようかなと思いましたが、固い板といってもなかなか大きいものは手に入らないし、御影石も重さや扱い難そうで人工大理石を思いつきました。
日本橋のオーディオショップなどでも人工大理石を扱っていますが数千円と結構高額です。 こんな時にネットは便利なもので人工大理石の元々の用途は台所のシステムキッチンや洗面台のトップ・プレートです。 ネットサーフィン ( ちゅうことは私はサーファー ^ ^ V )でリフォーム専門の工房
『 工房まほろば 』 を探し出し、偶然近所だったので店頭で購入してきました。 あらゆる色や柄、大きさがあるので実際に目で確かめられるので安心です。 最も一般的で本家本元の人工大理石 『 デュポン社のコーリアン 』 です。

スピーカーベース
スピーカーの下には400×450mmで厚さ13mmのものを使用しました。
もっと白いものにするつもりでしたが、設置場所が床で汚れや埃が目立たないようにと、ごま塩柄の御影石調です。 買ってきた状態ですと高速チップソーで切ったままなので角の部分のエッジが立っています。 ケガや欠け防止のために面取りをしますが大理石のような石と違って加工は容易でドレッサー で簡単に削れます。 表面に付く細かいキズも台所用液体研磨剤で簡単に取れるようです。( さすがキッチン用途の材料だけのことは有る!! 取り扱いが簡単なのです )


アンプベース
アンプの下には450×500mmで厚さはスピーカーと同じ13mmです。
昨年9月に製作したオーディオラックも板厚30〜24mmで強度的には充分と思えますが、20kgを超えるアンプでは経時変化で反らないとも限らず、3点支持にしたインシュレーター&スパイクで一箇所あたりの荷重も大きくなっているので荷重分散と音質向上を兼ねてアンプにも採用することにしました。
スピーカーのものと同じ色にしようかと思いましたが、もう少し落着いた色をと思い、黒では傷も目立つのでグレイ調のものを選択しました。 こちらも角のエッジを面取りしました。
肝心の効果ですが、アンプの方の音質改善はあまり良く分からない? のが実情 ( ^ ^ ; ですが、スピーカーの方は低音が 『 カチッ 』 と切れが良いと言うのか収束が良くなった印象です。