□□□□□□  ザ・キット屋サンバレー試聴会 □□□□□□



・ザ・キット屋サンバレー試聴会(2006/04/08)


真空管アンプキット通販を多く手掛ける 『ザ・キット屋』 の試聴会が開催されました。

会場風景 【会場】
大阪府吹田市のゴルフ場クラブハウスで開催された試聴会。
25年ほど前にスピーカーの選定のために聞き比べでメーカーの試聴室に出掛けて以来のことです。
真空管アンプと言えば真空管自体に“300B”や“KT88”などの色々な種類、“Westan−Electoric”や“Electro−Harmonic”などアメリカ、ロシアや中国製など様々なメーカがありそれぞれに音の違いが有るようです。回路構成にしても“シングル”と“プッシュプル”などたくさんの組み合わせで音が変わるおもしろいものです。
これらのアンプの違い、色々と聞き比べられるこんなチャンスは無いと10時の開場には間に合いませんでしたが、11時前には到着して聞き比べることが出来ました。
開場には100席ほど用意されていましたが、足らずに補助席を加えるほどの人気でデジタルに飽きたオーディオ好きの熱心さを垣間見ることが出来ました。



VP−mini88mk2 【VP−mini 88mk2】
元々トライオードの製品だったそうですが、その後『キット屋』にて継続販売されているKT−88の真空管を使ったシングルアンプキットです。
価格も42800円と、エレキット並に手に届きそうなもので、AC電源端子もIECコネクタ仕様で、入力も3系統となかなかお買得なものです。
重量も10kgで出力も10W+10Wとトランス、パワーも充分なものと感じられ、数キロの軽々したメーカ製完成品アンプとは質が違います。 私が購入したアンプキットが元々6L6GCの真空管だったのを現在KT−88に交換していますから、結局これを最初に買ったほうが得だったのかも知れませんが、こつこつイジって部品をグレードアップして行くのが楽しみなのかも?
作りもしっかりしていて高級感もあり、入門用には最適なのかもしれません。



WS−350B 【WS−350B】
ウイスキー醸造用の樽材を加工してフロントパネルにあしらい、350Bの真空管を使ったシングルアンプキットです。
これも入力が3系統、AC電源端子もIECコネクタ仕様で使い勝手が良さそうです。トランスカバーも一体ではなくトランス毎に分けられたものでラクダコブのような格好が上級機種を思わせます。 シャシーも明るい塗装が施されていて奥行きも比較的浅いのでリビングのカウンターの上にチョコっと置くにも似合いそうです。
出力も8.5W+8.5Wと必要にして充分で価格も59800円。上のVP−mini88mk2と迷うかもしれません。



SV−91B 【SV−91B】
真空管と言えばいつかは“300B”しかも行き着くところは“Westan−Electoric”製。
聞き比べの試聴アンプの 『 シングルアンプ対決 』 ではさすがに目を閉じて聞いていた中で際立って中低音が厚くまろやかな印象がありました。プリ管も各チャンネル2本とこれが91Bのオリジナル構成だそうで、この辺りの回路構成も音質を左右していたのかもしれません。
ロシア管で構成されているベーシック・グレードでも188,800円、全てWestan製の球になると398,000円とそれなりの値段ですが 『 いつかは... 』 と思わせる気にさせる音色でした。



SV−2P.P.ver2 【SV−2 P.P.Ver.2】
845と呼ばれる20センチも有ろうかと思われる大型の送信機用の真空管を使用したプッシュプルアンプ。
モノラル構成なのでステレオでは2台必要です。 価格はセットで230,000円です。
大出力を得られる送信用の真空管をプッシュプルで使用したアンプで、そのパワー感は見た目通りでした。 中高音の伸びの良さは外観に似合わず繊細と言った印象を受けました。
(真空管の見た目にはベースが 『 ドロドロ 』 と出てくる印象ですが実際には高音の方が耳につきます)
そんな事よりも、この明るい試聴室の中にあってまるで電球のように光り輝く真空管の灯りはとっても綺麗なものです。何と870ボルトも掛かっているのです!! 感電には注意が必要ですね ^^!



VP−3000ver2 【VP−3000 Ver.2】
憧れの300B真空管をプッシュプルに使用したアンプ。
フロントパネルも無垢の黒くぶ厚いアルミ材を使用し、シャシーも鏡面仕上げ。 入力も4系統備えたハイコストパフォーマンス機。
さすがに名管“Westan−Electoric”製では無いですが、価格は118,000円と破格の値段と言えます。
バイアス調整も備え、メーターを見ながらのセッティングや整然と並んだ300Bを見ているだけで 『 これぞ真空管アンプ!! 』 と感じさせます。



VP−3000ver2 【SV−7 Ver.3】
中波(AM)専用の真空管ラジオ。 真空管が7本なので7球と言うのかな??
私は真空管ラジオの世代では有りませんが、懐かしく思う方も居られるのでしょう?Ver.3と言うだけあってロングセラーを感じさせます。
ラジオを真空管で聞くというのはまた違う音質で聞こえるのでしょうか?元々それ程音声の周波数の帯域が広くない中でHi−Fi志向でないラジオと言うのは興味をそそります。



WE−ALTEC 【WE−ALTEC】
“Westan−Electoric”が指定推薦しているスピーカボックス(エンクロージャー)です。
中には“ALTEC”製の同軸2ウェイ(低音のウーファーの真ん中に高音用のツィータを備えたスピーカで音が分散せず音像が一点になる)スピーカがセットされています。
20センチ用と10センチ用があり10センチのものはそれなりですが、20センチの方は低音の押し出しだけは30センチや38センチには敵いようが無いですが、ボーカルは数十万円のスピーカーシステムにも負けず劣らずスムーズな艶のある音色でした。



試聴会でしきりに 『 オーディオ機器は楽器だ!! 』 と熱く解説されていましたが、本当にそう感じることの出来る楽しいイベント参加でした。