市議団の見解のページ

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2009年1月16日
「箕面市緊急プラン(素案)」を撤回し、
09年度予算に反映させず、
市民の暮らしを支える施策を
すすめることを求める申し入れ日本共産党箕面市会議員団
市議団の見解のページ

2007年5月12日
藤沢市長に大阪府市長会・町村長会の「同和地区の位置づけ、呼称問題に関する研究会」報告書案についての申し入れ書   2007年5月12
市議団の見解のページ

2007年2月23日
日本共産党は、自然と財政を壊すムダな
  水と縁の健康都市(箕面森町)と
 箕面トンネルに反対し、
  箕面の自然を守れと
  水枯れ問題も追及してきました市議団の見解のページ

2006年12月22日
日本共産党は、
地方自治体の役割をないがしろにする、
市民不在の政治や政争にくみしない
公約実現に期待された市民ともに、
日本共産党の公約を高く掲げ、ひきつづき奮闘する                    2006年 12月22日
  藤沢市政2年4ヶ月にあたって日本共産党箕面市会議員団の見解 

2006年12月7日
住民基本台帳ネットワークシステムからの
「個人離脱」を認めた高裁・控訴審判をめぐり、
箕面市が上告断念を決めたことを歓迎する 
日本共産党箕面市会議員団の見解  2006年12月7日

2006年 3月31日
冊子「水と緑の健康都市開発への提言」ができました
   ぜひ、ご一読ください。必要な方はご連絡ください。
     電話724−6702日本共産党箕面市会議員団控え室、            党市会議員、最寄の党事務所・後援会まで
      市議団の見解のページ
「水と緑の健康都市開発への提言」 市議団の見解のページ
2006年 1月13日  2006年度箕面市予算編成にともなう要望書を提出
 市議団の見解のページ               2006年1月13日

2005年10月11日
「指定管理者制度」って何?
保育所、老人ホーム、福祉センター、公民館、図書館、病院スポ−ツ施設など
公共施設の管理・運営を民間企業が代行できる制度です
 市議団の見解のページ

2005年7月1日
2005年6月30日
余野川ダム建設中止、国土交通省が発表
 市議団の見解のページ
2004年12月27日 2005年度箕面市予算編成にともなう
予算要望書を提出 市議団の見解のページ
2004年10月4日 04年9月議会日本共産党代表質問 市議団の見解のページ
2004年6月25日 「箕面市税条例の改正の件」、老年者控除48万円の廃止に反対  4800人に影響し、市は約1億円の増収  議団の見解のページ   
2004年3月25日 議員提出議案第1号「如意谷高層マンションの階数削減を求める決議」に賛成討論    市議団の見解のページ  
2004年3月 5日 小野原区画整理事業推進のために予定地の財産区名義を抹消した市の措置は違法だ    市議団の見解のページ
2004年3月 5日  「箕面市如意谷計画の計画変更による
 箕面の山なみ景観を守る請願」への賛成討論  
  市議団の見解のページ


箕面市長 倉田哲郎 様
改革特命チーム"ゼロ"チームリーダー
副市長  奥山  勉 様
   「箕面市緊急プラン(素案)」を撤回し、
    09年度予算に反映させず、
    市民の暮らしを支える施策を
    すすめることを求める申し入れ
  2009年1月16日
  日本共産党箕面市会議員団

 日頃は住民福祉の増進にご尽力いただき、敬意を表します。

 市民サービスを大幅にけずり、市民の暮らしに大きな負担
 倉田哲郎市長が任命した「改革特命チーム"ゼロ"」は、昨年12月16日「箕面市緊急プラン(素案)」
を発表しました。プランは「今後5年間で273億円の財源不足を解消し、経常的な支出水準を年間約
20億円規模で圧縮する」とし、事業の廃止、公共料金の値上げ、市立施設の廃止など、87項目をあ
げています。
その内容は、市民サービスを大幅にけずり、市民の暮らしに大きな負担をおしつけるものばかりで
す。

 1ヶ月間に意見募集であり,市民説明会はわずか4回だけ
  しかも、もみじだより1月号に「意見募集」と書いただけで、内容を知りたい市民はH.P.で見るか公
共施設にとりにおいで、というもので、年末年始をはさむわずか1ヶ月間に意見募集であり、その
間、市民説明会は形ばかりのわずか4回だけした。そして、市民に広く知られないうちに、市長は来
年度予算案に削減計画をもりこもうとしています。 

  国・府の言いなり大型開発が財政をいっそう大変に
  箕面市は基金などが減り「財政が厳しくなった」とし、原因は、@国の悪政による「三位一体の改
革」による税源移譲や、箕面市など不交付団体への国庫補助金・負担金の削減など国の「財政危
機」の地方への押し付け、A経済悪化による市民税の減少、B団塊世代の大量退職という社会現
象などを説明してきましたが、国の悪政が原因です。その上、箕面市では、国・府の言いなりで続け
てきた見通しのない大型開発の継続が財政をいっそう大変にしているのです。
しかし、倉田市長は、梶田市政がすすめ、藤沢市政が続けてきた大型開発を、そのまま継続しま
す。そのため多額の借金返済が今後続きます。
 
  いまからでも大型開発の中止を
  日本共産党は、「国の悪政の地方への押し付けをやめよ」と全国の自治体の先頭に立って声を広
げるとともに、いまからでも自然と財政をこわす大型開発の中止をもとめて声をあげるべきだと考え
ます。

  11名の職員で短期間に作成,、09年度予算に反映させるな
  大型開発をはじめ、箕面市の事業は900項目もあります。そのうち緊急プランがどうしてこの87項
目にしぼったのかの経過も明らかではありません。また、市役所各部局との調整もなく、11名の職
員で短期間に作成されたずさんなものです。   
  大型開発をはじめ、市民のまえですべての事業を総点検すべきです。拙速に09年度予算に反映さ
せるのはとんでもないことです。

  日本共産党市会議員団はすでに昨年12月25日、倉田市長に「箕面市緊急プラン(素案)」を撤回
し、くらしや福祉の充実を図ること、市民の暮らしと営業を支える施策をすすめることを申し入れてい
ます。

 乱暴な素案は撤回、09年度予算に反映させるべきではない
 本日、パブリックコメントの締切日にあたり、改めて、「改革特命チーム"ゼロ"」のチームリーダー
の副市長に「年末年始をはさむわずか1ヶ月間という短期間に市民へ一方的な犠牲の検討を押し付
けるのは拙速なやりかたであり、このような乱暴な素案は撤回すべきである。09年度予算に反映さ
せるべきではないこと。」を申し入れるものです。




箕面市長
藤沢 純一様
  2007年5月11日
  日本共産党箕面市会議員団

大阪府市長会・町村長会の「同和地区の位置づけ、呼称
問題に関する研究会」報告書案についての申し入れ書

  大阪府市長会、町村長会と大阪府は、部落解放同盟大阪府連の要望(06年5月1日)を受け、昨
年6月28日、「同和地区の位置づけ、呼称問題に関する研究会」(大阪府市長会・大阪府町村長会・
大阪府)を設置することを確認し、第1回研究会を7月25日に開催、それ以降4回の研究会を重ね、
報告書をまとめ、今年3月16日付けで各市町村あてに送付しました。大阪府市長会は5月7日、町村
長会は9日にその報告書案を確認する予定でしたが、複数の市長から意見がだされ「保留」となり、
市長会の人権部会で引き続き検討することとなっています。
  報告書案の内容は、「法がなくなったからといって同和地区はなくなっていない」として、同和事業
を実施してきた地域を今後も「同和地区」と呼び、「行政として差別解消に向けた施策を推進しなけ
ればならない」「適切かつ効果的な取り組みを目指さなくてはならない」としています。
これは、特別法の失効によって地区指定がなくなり法的根拠がないものを、大阪府をはじめ行政
が、「同和地区」として復活、固定化、永続化させて同和行政の継続をはかろうとするものです。同
和問題が大きく解消に向かっている状況をまったくかえりみないものであり、一斉地方選挙で示され
た同和行政終結をもとめる声や同和問題解決をめざしてきた地域住民、府民、市民の願いを無視す
るもので許せるものではありません。
  同和問題にあたって、行政がなしうることは、問題解決のための条件整備であり、基本的にはすで
に終了しています。最終的な解決は住民の自立・自治・主体的力量の成長です。同和問題の解決
は行政的措置によって達成できるという「同和行政万能論」からぬけだすことが必要です。
藤沢市長が、この立場から、市長会でも「同和地区を復活させる報告書は認められない」と意見を述
べ、同和行政の終結に踏み出す立場を明確にされることを求めるものです。
以上
  5月11日、午後2:30から3:00市会議員団4人で藤沢市長に申し入れました。藤沢市長の
対応は、大阪府市長会では、「東大阪市長など市長会で報告書への異論の意見があった」と
のべました。しかし、藤沢市長は、同和問題について「差別の実態がある」と述べ、その中身
を聞くと「忌避意識」など心理的なものしかあげられませんでした。「実態差別はなくなってい
る」「心理的なものは差別にならない」と追及しましたが、市長は基本的には「同和地区はあ
る」と報告書を認める立場でした。私たちの「法終了後の同和行政終結の流れに逆行する」と
の追及に市長は「もう少し時間をいただきたい。」との答えました。



 「箕面の滝にポンプの水」の赤旗日曜版19ページの記事をお読み下さい
 日本共産党は、自然と財政を壊すムダな
  水と縁の健康都市(箕面森町)と
 箕面トンネルに反対し、
  箕面の自然を守れと
  水枯れ問題も追及してきました
                              箕面民報 07年2月23日
@現在、箕面山から箕面トンネルに涌ぎ出た水を、
下地図の第1竪孔(たてあなー井戸のようなもの)、第2竪孔、
第2竪孔、第4竪孔の計4ケ所で川に返しています。赤旗日曜
版の写真にあるのは、清水谷園地前の第3竪孔です。この水
は、箕面川ダムに流れます。第二竪孔からの水は、ダムに入
らすにビジターセンター前の茶長阪川から滝上流部で箕面川
に入ります。これらが、滝を流れます。
 マスコミの「箕面の滝は人工滝」の報道はショッキングですが、
箕面川ダムがつくられた時点で、箕面の滝は、入が操作するダ
ムから流れ下った水となっています。
 しかし、今回は滝に注ぎ込む茶長阪川や清水谷川等を枯らし、
箕面川の水量も減らしたために、わざわざトンネル内地下に4ケ
所の水槽をつくり、湧水を集めて、年間3000万円の電気代を
かけてポンプで竪孔から送水しているのです。かけがえのない
箕面国定公園の河川を枯らし、箕面の滝を紬らせているのは事
実で、ほんとうにショッキングなことです。
 日本共産党は、自然環境を破壊する箕面トンネルに反対して
きました。また5年前から調査をし、国に対しても、大阪府に対
しても、箕面市に対しても、水枯れの事実を示してこの問題を追
及してきました。

 A「これ以上の国定公園の自然破壊はやめるように
と、さらに上流で計画されている第二名神自動車道トンネル建設
の中止を求めて国土交通省とも交渉してきました。これが建設さ
れれば国定公園だけではなく、今度は勝尾寺川水系にも影響が
出るでしょう。自民・公明・民主などの旧与党も藤沢市長も建設推
進の立場です。

 B水と緑の健康都市(箕面森町)は、大阪府が2001
年2月に計画の縮小見直しを表明しました。それに対して、府議
会では地元選出の自民と民主の府議が開発椎進を求め、箕面市
議会では自民・公明・民主などが推進の意見書を二度あげ、開発
推進のエンジンとなりました。藤沢市長は、市長選直後から開発
推進の立場に変わっています。
 
 C国土交通省近畿整備局が「当面実施しない」と発表
した余野川ダムは、川西市多田地域の猪名川銀橋狭窄部上流部
の水害対策としてこの間説明されてきました。昨年9月、日本共産
党の政府交渉のさい、ダムのない猪名川の治水対策とダム予定地
の保全を求めたところ、「『当面実施せず』は確定したものではない」
と、国土交通省は答弁しています。「ムダな余野川ダムやめよ」の声
をあげ続けましょう。


 第2名神高速道路は、名古屋〜神戸間の175キロを走る
道路です。止々美インターチェンジが計画され、すでに98年に箕
面〜神戸間(22キロメートル)、99年には高柳5箕面間(20キロ
メートル)に施行命令が出されています。
 すでに大津〜高槻間には、名神高速道路と平行して京滋バ
イパスがあります。国は、さすがに高速道路が三本平行して
走ることには問題があることから、第2名神高速道路の大津
〜城陽問(25キロメートル)と八幡〜高槻間(10キロメートル)
を、さらに新たな道路を追加する必要性をみきわめる必要のあ
る「抜本的見直し区間」としています。この間の建設費だけでも、
8221億円だと報道されています。この区間は「改めて着工に
ついて判断し、それまでは着工しない」と着工が先送りになって
いますが、莫大でムダな公共事業です。
 この区間を中止すれば、高槻〜神戸間は工事費のかさむ山
岳トンネルの連続です。建設費は、7133億円だと報道されて
います。費用対効果を考えれば当然この区間も中止すべきです。
まして箕面トンネルによって、箕面国定公園内外の河川・渓流や
ため池等で水枯れが発生し深刻な自然破壊が引き起こされてい
ます。かけがえのない箕面国定公園をはじめ、これ以上の自然
破壊がないように自然環境の保全の観点からも中止すべきです。

 下の湧水量と降雨量を見ていただいてわかるように、
トンネルエ事開始翌年の2000年から3年間雨が少なかったこと
で、2002年の夏ごろから水枯れ現象が各地で深刻になったの
ではないでしょうか。私たちが知らされたのもその頃でした。調査
を始めれば各地での水枯れが明らかになりました。2003年1月
に道路公社と交渉した時は、水枯れは雨が少ないからのー点
ばりでした。市議会では、その月の交通対策特別委員会で初
めて日本共産党が調査をもとに追及しました。
 その後も、調査と追及を続けて、ようやく道路公社は1998
年に実施していたトンネル工事による水の予測資料を明らか
にしました。その資料どうりに水枯れが発生していたのでした。




 日本共産党箕面市会議員団は、昨年「水と緑の健康都市への提言」パンフレ
ットを発行しました。水と緑の健康都市と箕面トンネル、第2名神自動車道。余野川ダムについ
て書いてありますのでお読みいただければ幸いです。
   残部は限られていますので、日本共産党箕面市会議員団まで
   お問合せください。電話は、(724−6702)です。




日本共産党は、地方自治体の役割をないがしろにする、
市民不在の政治や政争にくみしない
公約実現に期待された市民ともに、
日本共産党の公約を高く掲げ、ひきつづき奮闘する  
                            2006年 12月22日
   藤沢市政2年4ヶ月にあたって日本共産党箕面市会議員団の見解              
                               
 平和もくらしもおびやかし、国民いじめを加速する小泉「構造改革」は、自治体にも市民生活にもは
かりしれない大きな負担をもたらしてきました。安倍政権が発足しましたが、教育基本法改悪法の
強行、憲法改悪の動きが急速に強まるなど、小泉「構造改革」を引き次いだ自・公政権のもと国民の
負担がいっそう増大し、憲法まで変えてアメリカと一緒に海外で戦争する国づくりにいっそうふみだし
ました。
 国民の暮らしでは、住民税増税・医療制度改悪・障害者自立支援法や介護保険制度の改悪によ
り、高齢者や障害者に限りない負担をあたえ、働いても、働いても豊かになれない「ワークングプア
ー」の状況の広がりや、豊かな者はより豊かに、貧しいものはさらに貧しくなる格差社会の広がりも
深刻です。
 箕面市の生活保護率はこの10年で3倍、就学援助の認定者も3・5倍に上り住民税は10倍に上
がった市民あり、国民健康保険加入世帯では19.2%が保険料滞納という状況です。
 一方、箕面市は去年、今年、来年で年間10億円以上の住民税増税で税収は増えることになりま
す。いま介護や医療の後退から市民を守る市のとりくみの必要性がせまっています。この間、介護
保険、障害者自立支援法にかかわって自治体独自での支援を求める声がよせられ、日本共産党と
議員団は格差社会を広げ固定化する小泉構造改革に一貫して反対、市民の生命、くらし地方自治
の本旨を守るために努力を続けてきました。ひき続きこの努力を続けあらゆる市民との連帯・共同を
めざす決意です。

 いま、自治体の変質を許さず、市民の暮らしをまもる「住民が主人公」の自治体運営が強く求めら
れています。
 ところが、藤沢市長は、自らの市民への公約を反故にし、国言いなりの「集中改革プラン」をすすめ
ています。
自民・公明・民主会派は、前梶田市政のもとで着実に実行されてきた4つの大規模開発を主要プロ
ジエクトと位置づける「第四次箕面市総合計画」の実施と「箕面市経営再生プログラム」の完全実施
を藤沢市長にせまり、自らの政策を忠実に執行する市長にするため、藤沢市長の選挙時の公約の
変更を迫ってきました。
 この双方の路線は国の構造改革の持ち込み市民犠牲と自治体を変質させるもので、私たち日本
共産党は、公約をなげすて、あるいは、市民の暮らしを守る地方自治体の役割をないがしろにする
市民不在の政治や党利党略の政争にくみすることはできません。

1、市政の根本問題で、
  自ら市民への願いをふみにじった藤沢市政
 日本共産党は、藤沢市長に対して、市長選挙の対立候補だからと機械的な態度をとらず市民の
願いにこたえることを求めてきました。しかし、藤沢市長は、「ごみ有料化を白紙に」「大規模開発か
らの勇気ある撤退」「競艇事業は赤字になる前に撤退」などの公約を反故にし、誕生時点から前市
政を継続する施政運営をおこなっています。前市政がすすめてきた大規模開発を見直すという市民
の願いは切実であり、これらは公約違反にとどまらず市政の前途にかかわる中心問題です。
 水と緑の健康都市をめぐる大規模開発については、藤沢市長誕生以後、開発の見直しのチャンス
がありました。藤沢市長誕生そのものが開発の見直しを願う市民の意思の表明であり、市長は市民
の願いにそって見直しをおこなう義務があったのです。ところが、府との協定と損害賠償を理由に市
長は事業を継続しました。
 その半年後、国土交通省は余野川ダム建設の中止を発表しましたが、それでも市長は開発を継
続しました。止々呂美開発の根本的枠組みがくずれたもので当然見直しが求められるものでした。
日本共産党は、専門家や住民参加で見直し検討会を提案したましが市長は、そうした声にこたえな
いまま小・中一貫校建設に27億円の予算を投入する計画をすすめ、PFI事業者も決められました。
 この開発は、府だけで750億円もの巨額の税金をつぎ込み、将来にわたって箕面市にも財政負担
となります。第二名神高速道路の建設も容認し、国際文化公園都市や小野原開発を推進する藤沢
市政は、前市政を引き継ぐものです。しかも巨額の開発資金を費やしながら、「財政危機」を理由に
市民要求をふみにじることは許されることではありません。この問題は市長誕生以前からの問題で
あり、そのことをもって見直しができないという理由はなりたたないものです。大阪府との見直しの協
議は本格的には一回もなされてきませんでした。
 ゴミ問題についても市民は「有料化を白紙にもどす」という藤沢市長の公約を支持しました。これを
改善しないということは、公約違反にとどまらず市民のくらしを守るという自治体の第一の使命の放
棄です。さらに藤沢市長は、「箕面市集中改革プラン」で「小泉構造改革」をストレートにもちこみ、
「民間でできるとこは民間で」と民間委託や民営化を促進しています。これは、自治体のあり方を根
本的にかえる道です。この道をすすむかぎり、市民の要求は切り捨てられてゆきます。しかもその論
拠として藤沢市長は「財政危機」を掲げ、自らの公約違反を合理化しようという手法が明らかになっ
ていますが、本当に許されない行為です。
 また、住之江競艇事業ナイターレースの事業拡大も深刻な問題です。日本共産党は、一貫して競
艇に反対し、特にナイターレース中止を求めてきました。地元住之江ではナイターレース反対の運
動が広げられ、こどもの安全の問題からも反対の声がひろがりました。しかし、市長は事業拡大をお
こないました。大規模開発にかかる財政のために競艇事業の収益をあてるというギャンブル依存財
政の循環はますます箕面の前途に障害を残すことになります。この件でも地元住民と市民の願いを
裏切った市長の責任は重いものです。

2、藤沢市長に公約変更を執拗に迫ってきた
  自民・公明・民主。市民にいっそうの犠牲をおしつける市政  にかえようと
するもの。
  日本共産党はくみすることはできない。
 一方、自民・公明・民主の会派は藤沢市長に対してどういう立場だったのでしょうか?
 2004年9月議会での自民・公明・民主の質問では、「藤沢市長がなさねばならぬことは、次期総合
計画を考えることではなくて、この4年間で何をするのか、・・議会と市民にしっかりと示すこと・・総合
計画や実施計画に対して、・市長の基本姿勢と第四次箕面市総合計画に対する認識をお聞かせ願
います。」と追及し、「経営再生プログラム」については「単なるビジョンではなくて、・・・実現のため
の改革の方向と処方せん・・アウトソーシング計画や職員適正化計画を策定し・・これからも経営再
生プログラムに基づき、継続した改革を実行していかなければならない・・市長の認識、評価と、方
針転換されるのであれば、その根拠をお聞かせ願います。」などと、大規模開発を主要プロジエクト
と位置づける「第4次総合計画」と「経営再生プログラム」の全面実施により、藤沢市長に公約変更
を執拗に迫ってきました。
 それに対して、藤沢市長は「第四次箕面市総合計画について、私は・・大筋でこれを是として賛成
したもの・・その後の具体的な施策展開につきましては・・実施計画の中で修正を加えていく」とし、
経営再生プログラムについては「プログラムに示された問題意識については同じ・・積極的な行財政
改革を断行することに関しましても同様」と答弁しています。その後、議会ごとに公約変更を迫られ、
ご存知のように大規模開発である水と緑の健康都市開発、小野原西土地区画整理事業の推進、競
艇のナイターレースの開催と選挙時の公約を投げ捨て、公立保育所の民営化など次々と「第四次
総合計画」を推進するにいたっています。こうした経過を踏まえると、3月議会での自民・公明・民主
の辞職勧告決議の提案理由である「公約変更の説明がされていない」という理由には、根拠があり
ません。
 その目的は、これまでどおり大規模開発優先、国言いなりの「経営再生プログラム」をいっそうすす
める、自民・公明・民主にとって都合のよい前市政のような市長に変え、市民にいっそうの犠牲をお
しつける市政にかえようとするものでしかありません。こうした流れには、日本共産党はくみすること
はできません。

3、日本共産党として市民への公約をなにより大事にし、
  市民の利益と要求を第一にする党として一貫して奮闘
  日本共産党は、04年の前回の市長選挙のとき、藤沢氏が大規模開発・競艇事業の推進、ごみ収
集有料化の推進などのおおもとの「第四次総合計画」に市議時代に賛成してきた弱点をもっている
ことを指摘してきました。
 日本共産党は、04年9月議会で「市長の市政運営が今後も第四次総合計画の範囲であれば、こ
の公約は実現できません。」と追及してきました。
同時にわが党の公約と重なる選挙時の政策や言動を一つ一つ吟味しながら、それにたいするわが
党の態度を明らかにしてきました。
私たち日本共産党は自らの政策と市民への公約を果たし、市民の利益を守る立場から対処していく
こととともに、市民の切実な要求をしっかりと受け止める立場で奮闘し、実現へ力をつくしてきまし
た。
 この立場から私たち日本共産党は、藤沢氏に対しては、選挙での対立候補だからと機械的な態
度をとらず、「藤沢市長の自ら言った選挙時の市民の公約(大型開発や競艇事業からの撤退、ゴミ
有料化を白紙にもどす)を実現せよ」と迫ってきました。
 ただ迫るだけでなく、日本共産党は、選挙後の04年9月には「ごみ有料化を白紙に戻す条例提
案」、04年12月には「船場のパチンコ店規制条例案」、05年2月には、「水と緑の健康都市開発の
事業の中止を求めることをはじめとする予算修正案」、05年6月市議会では「ごみ有料化を白紙に
戻す市民請願の紹介議員」・・・06年2月には「30人学級など予算を守り、大規模開発予算を見直
し、市民サービスの充実をもとめる予算組み替え案」、06年6月議会では「老人いこいの家条例改
正などでの同和行政の是正の提案」、この間、住之江競艇ナイターレース問題を何度も取り上げ、
「住之江競艇のナイターレース中止の請願の紹介議員」など議員提案権を活用して市議会へ提案を
おこなうとともに30人学級の推進、扇風機設置など市民要求実現には積極的に賛成し推進してき
ました。・・・こうした対応は、日本共産党として市民への公約をなにより大事にし、市民の利益と要
求を第一にする党として一貫した態度です。藤沢市長は、市民の声とわが党の提案にもっと誠実に
こたえるべきでした。

4、日本共産党は、公約をなげすて、地方自治体の役割を
  無視し、市民不在の無責任な政治や党利党略にくみしない
 先にも述べたとおり、これまでのとりくみのなかで藤沢市政が、選挙時の公約(大型開発や競艇事
業からの撤退、ゴミ有料化を白紙にもどす)を踏みにじり、これまでの自・公・民「オール与党」市政と
同じ大型開発推進・競艇事業推進・住民サービス切捨て路線を歩んでいることが明らかとなってい
ます。こんな、市民を欺く姿勢は非難されて当然です。
  しかし、一方、自民・公明・民主が3月市議会に提案し可決した「藤沢市長への辞職勧告決議」
は、「市長が公約を変更してきたのは、自公民がのぞむ立場ではあるが、公約を変えたことをちゃん
と説明していないからけしからん、藤沢市長はやめろ」というものでした。今回の不信任決議案も
「公約破棄の説明がない」として、「市長に公約を捨て去れ、捨てたと市民に言え」というものです。
そして、自民・公明・民主の思いのままの元の市政をつくりたいという動機からでているものです。

 藤沢市長も自民・公明・民主会派の双方とも、結局、大規模開発は推進、「経営再生プログラム」
あるいは「集中改革プラン」推進で国の構造改革をそのまま市政にもちこみ、市民サービスきりすて
を競い合っているのであって、双方の主張には、市民への公約にまったく責任をもたず、あるいは、
市民の暮らしを最優先にする立場にないことがはっきりしました。
 日本共産党は、こうした公約をなげすて、市民の暮らしを守る地方自治体の役割をないがしろにす
る、市民不在の政治や党利党略の政争にくみしません。
 3月の辞職勧告決議に対してすでにわが党の立場を表明しましたが、そもそも、不信任は、反社
会的な行為について考えられるものですが、現時点ではそれにあたりません。よって、今回の本不
信任決議案にも反対の態度を表明するものです。

 日本共産党は、藤沢市長に国の構造改革路線の持ち込みをやめ、市民の暮らしを守る防波堤と
しての地方自治体をつくるために市民とともに力を発揮することを求めます。そして日本共産党は、
公約実現に期待された市民ともに、日本共産党の市民への公約を高く掲げ、ひきつづき奮闘する決
意です。

自らの政策を忠実に執行する市長にするため、
藤沢市長の選挙時の公約の変更を迫ってきた 自民・公明・民主
自らの市民への公約を反故にし、
国言いなりの「集中改革プラン」すすめる  藤沢市長
日本共産党は、
市民の暮らしを守る地方自治体の役割をないがしろにする、
市民不在の政治や党利党略の政争にくみしない




住民基本台帳ネットワークシステムからの
「個人離脱」を認めた高裁・控訴審判をめぐり、箕面市が上
告断念を決めたことを歓迎する 
  日本共産党箕面市会議員団の見解
  2006年12月7日

「上告せず」との箕面市の判断を歓迎する  
 11月30日、住民基本台帳ネットワークいわゆる住基ネットシステムにかかる「住基ネット損害賠償
請求事件」について大阪高等裁判所判決は、「住基ネットシステムは欠陥があり、プライバシーを侵
害する憲法違反」との判断をくだしました。       
 日本共産党箕面市会議員団は、この高裁判決だされた直後から市長に上告しないよう申し入れて
きました。12月7日、箕面市長は、上告しないと決め、市議会本会議で報告しました。日本共産党箕
面市会議員団は、上告しないとの今回の判断を歓迎するものです。

「憲法13条違反」の判断を評価する
 大阪高裁判決は、住基ネットの欠陥、不備を認め、個人の自己情報をコントロールできない本制度
について、個人情報保護に問題があるとして憲法13条に違反するものであると判断をくだしたもの
です。現実に起きている自衛官の募集の際に、自治体の住民基本台帳からいわゆる4情報が流出
したことにも言及しています。
 日本共産党箕面市会議員団は、「憲法13条に違反する」と判断した判決を評価し、市長に対して
上告しないよう申し入れてきました。

個人情報保護対策上で欠陥がある
 住基ネットは、すべての国民に住民票コードをつけ氏名、生年月日、性別、住所の4情報をコンピュ
ーターで結び、総務省の外郭団体で一括管理するシステムです。この情報は本来の目的外には使
えないことになっていますが、現実には行政の判断で制限をはずせ、自分の個人情報がどのように
使われているかわからない、監視する第三者機関もないのが現実です。判決は、データの集積、名
寄せなどにより本人の予期できないところで行政機関に利用される危険があり、個人情報保護対策
上で欠陥のある住基ネットを運用することは、プライバシー権を著しく侵害し、憲法13条に違反する
としています。

法の欠陥、不備を指摘、国は判決を真摯に受け止めよ
 日本共産党は住基ネット導入について、国民総背番号制につがることへの危惧や、個人情報保護
に不安があること、自治体の裁量権がないことなどから反対をしてまいりました。今回の判決は、こ
うした危惧に正面からこたえたものといえます。判決は、法の欠陥、不備を指摘しており、国こそ判
決を真摯にうけとめるべきです。
  2006年12月7日
  日本共産党箕面市会議員団




   冊子「水と緑の健康都市開発
       への提言」ができました
     ぜひ、ご一読ください。必要な方はご連絡ください。
       電話724−6702日本共産党箕面市会議員団控え室、              
 党市会議員、最寄の党事務所後援会まで
  大型公共事業の無駄遣いへの批判が広がる中で、何度も見直しの機会があったのに、依然と続
けられる「水と緑の健康都市開発」。04年8月に開発を批判的した藤沢市政に変わったにもかかわ
らず、開発の見直しを打ち出さない中で「今何ができるのか?何をすべきなのか?」そんな問題意識
を強くしながら、05年2月に自治体問題研究所に協力を求め、約1年間の共同の調査・研究活動を
おこなってきました。
 この間に研究会を重ねながら05年5月に開発地域や止々呂美小・中学校を現地調査し、11月には
「『水と緑の健康都市開発への提言』と箕面市の財政問題を考えるシンポジウム」を開き、広く市民
の方々から意見を聞く取り組みなど、調査研究活動をすすめてきました。
 また、同開発をめぐる情勢も大きく変化し、昨年05年7月には余野川ダムの「当面建設中止」が国
土交通省から発表される一方、藤沢市長は同7月号広報「もみじだより」で「開発の推進」を発表し、
12月市議会には小中一貫校建設のための長期の債務負担行為まで提案し、議会も多数で可決し
ました。
 こうした中で、私たちは、おこなってきた調査研究活動を力に議会内外で提案・提言活動や開発の
抜本見直しの発言を繰り返しおこなってきました。
 先ごろ終わった06年2月・3月市議会でも、代表質問で「提言」内容を活用して具体的な見直し提案
をおこなうとともに、開発予算を削減する「予算組み換え提案」をおこない奮闘をしてきました。残念
ながら議会では賛成多数はえられませんでした、この間の数々の提案・提言活動は将来に必ず生
きてくると確信しています。
 調査研究会を重ね、執筆に携わっていただいた自治体問題研究所の中山徹先生や、初村尤而先
生、堀田文一日本共産党府会議員、また、参加ご協力いただいた市民のみなさんのお力のもとで
このたびこうした「提言」をまとめ、発行できることができました。ご協力ありがとうございました。
                              日本共産党箕面市会議員団
                                   2006年  3月 31日



  水と緑の健康都市開発への
  提言

はじめに
  2006年3月31日  日本共産党箕面市会議員団

  この一年間、日本共産党箕面市会議員団は、箕面市止々呂美地域での大型公共事業の計画が
大きく変化するもとで、地元をはじめとする関係者のみなさん、大阪自治体問題研究所や日本共産
党大阪府会議員団の協力をえて、過大で不要不急なこれらの事業を中止させるとともに、この地域
を振興する新たな計画について、議論と調査・検討をすすめながら、発言と行動をしてきました。
 この間、余野川ダム建設は中止となったものの、水と緑の健康都市開発の再開、第二名神高速
道路の「抜本的見直し区間」も含めた建設への動きなど、過大な公共事業はあくまですすめられよう
としています。
 今日の国と地方自治体財政の深刻な借金づけは、ムダな大型公共事業への財政出動こそ最大
の元凶です。その失政のしわよせを国民におしつけているのが今の政治の実態です。
 こうした中にあって、私たちは、本稿をもってあらためて水と緑の健康都市開発事業の抜本的な見
直しを求めるとともに、水と緑の健康都市への提言を行うものです。
  

  水と緑の健康都市への提言
  ―――今後のあり方について
  中山 徹(大阪自治体問題研究所)

1.3回も見直しのチャンスがあった本事業

  水と緑の健康都市は、バブルの発想で事業化された計画です。国は過大な水需要予測を立てそ
れに基づいてダムを計画し、府は過大な住宅需要予測に基づいて宅地開発を計画し、箕面市は宅
地開発による過大な税収予測に期待し開発を促進してきました。これに第二名神の計画が拍車を
かけ、バブル的な計画が進められたといっていいでしょう。また、地元もニュータウン開発に過疎問
題解決を期待してきました。
  このようなバブル的な開発ですが、今までに事業を大きく見直すチャンスが3回ありました。1回目
は、1990年代の終わりです。1999年にオオタカの営巣が事業区域内で発見されました。また当
時、大阪府の財政難が深刻化し、府民のムダな公共事業に反対する世論が高まり、府主導の新た
な面的開発を凍結するという方針が決められました。そのため、事業主体である府主導で抜本的な
見直しへと進む可能性がありました。でも、市が開発継続を強く迫ったこと、すでに土地を購入して
いたこともあって、見直しは部分的な内容にとどまり、事業は継続されました。
  2回目のチャンスは2004年の箕面市長選挙です。この選挙では、箕面市内の開発が大きな争点
となり、当該開発の見直しを公約とした候補者が、推進派の候補者を破って当選しました。見直しを
公約とした市長の誕生、ムダな開発は見直してほしいという市民の多数の願いを背景に、今度は市
主導で抜本的な見直しへと進む可能性が生まれた。しかし、市の意向で事業を継続したにもかかわ
らず、今さら変更はできないと、府が事業継続を主張し、結局、市長は公約を反故にして事業継続を
表明しました。
  3回目のチャンスは、2005年、国がダム計画の中止を決めた今です。国は過大な水需要予測を
見直し、それに伴って余野川ダムの中止を決めました。水と緑の健康都市は、名前からもわかるよ
うに、ダムとニュータウン開発が一体のものです。構想を見てもわかりますが、湖が南側に広がり、
その周囲を住宅が取り囲むように計画されています。ふつうですと、低地部分を宅地にし、周辺は山
として保存します。ところが、ここでは低地部分が湖となるため、山の中腹以上を造成し宅地にする
予定でした。そのため、湖がなくなると、低地部分は山のまま残り、中腹より上に宅地が並び、どう
見ても奇妙です。また、箕面市と大阪府が取り交わした協定書にも、ダムと宅地開発は一体として
進めると書かれていました。今回は、国のダム開発見直し受けて、開発計画全体の見直しへと進む
チャンスであったのに、府と市は部分的な構想の変更で取り繕うとしています。

2.すでに破綻が明確となった事業

 抜本的見直しのチャンスを生かし切れず、しゃにむに開発を進めていますが、はたして事業として
成立するのでしょうか。残念ながらこの開発は、どの角度から見てもすでに破綻しています。
 まず、事業としての破綻です。この事業の主体は大阪府で、事業方法は土地区画整理事業です。
土地区画整理事業は、公共事業として進めますが、一般会計から切り離して、独立採算で実施され
ます。そのため、府には法律で定められた補助金や管理者負担金以外の財政負担は発生しないは
ずです。ところがこの事業は、造成した宅地が予定通り売れたとしても、府に750億円もの損失が
発生する計画となっています。損失が発生しないように宅地価格を設定しますと、高すぎて売れない
ことが明白なので、売れる値段まで宅地価格を下げ、それによって生じる損失750億円を府が負担
するわけです。やる前から赤字になることがわかっている事業で、事業としてはすでに破綻していま
す。
  二つめは、公共事業として進める根拠の破綻です。行政が公共事業として区画整理を進める根拠
は、乱開発の防止、道路や公園などの公共施設整備、災害に強いまちをつくる等々です。こういった
公共性が認められるから、公共事業として進め、税金を投入するわけです。はたして、水と緑の健
康都市に、公共性が認められるでしょうか。府の説明によりますと、公共性として重要なのは、乱開
発の防止、府民の住宅問題解決への寄与、高齢者になっても安心して住める住宅地の開発等々で
す。乱開発の防止ですが、進入路を整備を整備しない限り、地形的にみて乱開発は困難です。ま
た、住宅問題、高齢化社会にふさわしいまちづくりという点ですが、これらの問題に対応するために
は、住宅に困っている府民や高齢者が住んでいる地域で、問題解決の方策を考えるべきです。山間
部を切り開き、そこに移り住むことを前提にしても、多くの府民の願いには応えられません。さらに、
今回の計画では、公的な住宅が計画されていません。このような点を考慮しますと、財政難の中
で、多額の税金を投入するだけの公共性があるとは考えられません。
 三つめは、地元の箕面市にとっても事業を続ける根拠が失われているという点です。13ページの
表にもあるように、箕面市の計画では2020年から累積で黒字になる予定です。そこで、この事業を
進めることで市財政が潤い、一般の市民にとってもプラスというのが事業を進める大きな理由になっ
ています。しかし、転入者が想定を下回った場合、黒字になるのが遅れ、大幅に下回った場合は、
永遠に赤字から脱却できなります。類似の開発を見ている限り、その危険性が高いと判断でき、財
政難の中で事業を進める根拠が疑われます。さらに、定住人口が計画を下回った場合、居住地とし
ての成熟が困難となり、生活しづらい地域を抱え込むことになります。
  地元集落にとっても事業の効果を冷静に判断すべき時期に来ています。定住人口が少なければ、
商業施設などの立地も限られ、利便性の向上、雇用の場確保はほとんど期待できません。しかも、
学校が地元集落から移転します。学校は地域コミュニティの核であり、それが失われる影響ははか
りしれません。

3.まちづくりの新たな潮流

 この事業はすでに破綻しています。にもかかわらず、むりやり事業を進めると、様々な点で負債が
拡大し続けるでしょう。思い切った事業の見直しが、自治体、地域を救う最善の手だてです。
  最近、先進国のまちづくりが大きく変化しています。それは、まちづくりを取り巻く状況が大きく変わ
ったからです。20世紀は、人口・産業が急増した時代でした。そのため、先進国のまちづくりは、宅
地・工場用地・コンビナートを造成する、高層建築物を建てる、高速道路を造るといった内容でした。
 ところが21世紀を迎え先進国では、高齢化と少子化が急速に進み、工場なども大きく減り始めま
した。そのため、以前の取組を180度転換し、新たな発想でまちづくりに取り組む国が増えてきまし
た。たとえばヨーロッパでは自然環境の再生が熱心に取り組まれています。従来ですと、自然を人
工的な空間に変えるのが都市計画の役割りでしたが、最近では反対で、人工的な空間を自然的な
空間に再生する都市計画が重視されています。写真1、2はイギリスのコミュニティフォレストです。
工場の跡地や炭坑の跡地ができますと、以前は再開発していましたが、最近では、それらの土地を
使って自然環境の再生を図っています。
 隣の韓国ソウル市では清渓川の再生プロジェクトが完成しました。清渓川はソウル市の中心部を
流れる川でしたが、戦後の経済成長の中で、埋め立てられ、高架の自動車専用道路になってしまい
ました。ソウル市は21世紀に入り、これからは環境と歴史・公共交通の再生を都市計画の柱に据
えるべきと英断し、自動車専用道路を撤去し、清渓川を再生する事業を始めました。写真3、4は事
業前と事業後の写真です。
  日本はすでに人口減少に突入し、工場跡地も多く生まれています。ところが、大阪湾は相変わら
ず埋め立てられ、山間部では宅地開発が続けられています。大阪平野では、今も高層建築物が建
てられ、阪神高速道路も引き続き建設されています。
 人口が減っているにもかかわらず、山間部を今から開発するような事業は社会的にみて不要で
す。早くまちづくりに対する発想を切り替えるべきでしょう。水と緑の健康都市を凍結し、抜本的に見
直すことは、時代にかなったことです。同時に、今に生きる大人たちには、子どもたちに残す負債を
少しでも減らす責任があります。

4.見直し案の提案

(1)見直し案の前提
 水と緑の健康都市の見直しは、事業区域内での見直しにとどめるべきではありません。止々呂美
地区全体の地域振興・地域整備をどう進めるべきなのかを考え、その中で事業区域の生かし方を考
えるべきです。止々呂美地区の周辺に大規模開発を誘致し、そのインパクトで地域振興を図るとい
った考え方を見直すべきです。
 もちろんすべてを白紙に戻す必要はありません。見直すに当たって活用できる条件はきちんと活
用したらいいでしょう。たとえば、ダム予定地は国有地です。何かに使うとしても新たに民間から買
収する必要はありません。国の意向も尊重しなければなりませんが、地元から積極的に提案したら
いいでしょう。また、水と緑の健康都市内には多くの府有地があります。ここも買収する必要がない
ため、いろいろなアイデアが考えられます。さらに、新御堂筋の延伸で千里に接続しました。今後の
見直しを考える際は、このトンネルを重要なアクセスとして考えたらいいでしょう。
  以下、具体的な見直し案を提案しますが、見直し案は市民参加の下で検討すべきです。そのた
め、ここで提案する案は、この通り実現せよというものではなく、一つの考え方です。

(2)地域振興の基本的な考え方
  まず、止々呂美地区の振興をどのようにして図るかですが、基本は、第一次産業、観光です。た
だ、従来の延長線上で考えてもなかなか展望が出ません。そのため、従来の取り組みに加えいくつ
かの新たな視点を取り入れる必要があります。
 その柱の一つは、都市民との連携です。最近、農林業に従事するため都市から農村に転居を希
望する市民が少なくありません。うまく実現する場合もありますが、住み慣れた都会から離れてしま
うため実現を断念する場合もあります。止々呂美の場合、トンネルを使えば、千里中央から15分程
度の距離であるため、通勤で第一次産業に従事することも可能です。もちろん移り住んでもかまい
ません。移り住む場合は、旧集落内でもいいですし、水と緑の健康都市内に、一定の公的住宅を建
設してもいいでしょう。
 第一次産業の中身ですが、炭を中心とした林業と観光農業が柱になります。炭については一定の
需要が見込めますし、地の利を考えますと観光農業も経営的に成り立つでしょう。
 炭焼きに使える木は、ダム予定地内に多くあります。ここはすでに国有地であり、里山として保全
したらいいでしょう。中核的な林業従事者は職員がつとめ、それ以外は、都市民から広くボランティ
アを募って、里山の保全、炭焼きを行うイメージです。
  栗ひろい、椎茸狩り等が止々呂美で取り組まれています。それらのネットワーク化を図ると同時
に、水と緑の健康都市ですでに造成した地区の一部を観光農業用地として確保したらいいでしょ
う。
  観光は農業だけではありません。クヌギがたくさんあればカブトムシなども生息できます。千里中
央から15分手度で到達できるため、基盤整備をすれば、里山が立派な観光資源になります。野生
の鹿、オオタカなど動物層も豊かです。野鳥観察などに興味を持つ市民が多くなっていますが、止々
呂美地区全体を自然観察ゾーンのような位置づけにしたらいいでしょう。
 このような林業や観光農業を進めるための組織が必要になります。水と緑の健康都市の赤字補填
に750億円、大阪府はつぎ込みます。事業を中止すれば、赤字補填額の1%程度で事業体を作る
ことができます。
  少なくとも、事業が軌道に乗るまでは、必要以上の投資を控えるべきです。地の利を生かした日帰
り観光とし、宿泊施設などは不要です。もちろん林業や農業に詳しい地元の方を雇用し、地域の雇
用創出に役立てるべきです。
  炭の販路をきちんと開拓すれば、高付加価値型の林業が可能です。また、職業的な林業だけでな
く、都市民が自然とふれあえるような形態を導入すべきです。個々の事業は大きくありませんが、全
体として一定の経済効果、雇用効果が発揮できます。そのような取り組みを通じて、地域の山林と
自然が守られます。

(3)地元集落の整備
  地元集落で重要なことが二つあります。一つは学校です。今の計画では学校を水と緑の健康都市
に移転させる予定です。しかし、学校は地域コミュニティの核であり、移転させない方がいいでしょ
う。集落から移転予定地までは一定の距離があり、小学生にとっては通学が大変です。確かに、子
どもの数が減り、児童数が極端に少ないクラスもあります。ただ、移転しても、比較的若いファミリー
層が転居してこなければだめです。状況から判断すると、水と緑の健康都市を開発しても、児童が
簡単に増えるとは思えません。
  そのため、学校は移転させず、児童数を増やす対策を考えるべきです。今の人数では、子どもの
発達に必要な集団を形成しにくい、楽しめるスポーツが限定される等、いくつかの問題が生じていま
す。これについては二つの方法が考えられます。一つは、校区をはずし、箕面市全域から希望する
子どもが通学できるようにすることです。都市部に住む子どもの中には、町中の学校ではなく、農村
部の学校や少人数の学校に通いたい子どももいます。そのような子どもたちを広く全市内から受け
入れたらいいでしょう。トンネルが整備されたため、バスを通せば全市から比較的容易に通学できま
す。もう一つは、市民とりわけ若いファミリー層を増やすことです。そのためにはニュータウンを作る
よりも、先に書いた農林業の振興をはかり、都市部から転居してくる市民を増やした方が、地域にと
っては望ましいと思います。
  地域整備で重要な二つめは、傾斜地の対策です。集落内には、急斜面が多く、災害対策の点から
みて整備が急がれます。新たなニュータウン建設の予算を確保するよりも、いま住んでいる地域を
住み続けられる地域に改善する予算確保を優先させた方がいいでしょう。

(4)水と緑の健康都市をどう見直すべきか
 水と緑の健康都市は、現在、造成段階です。事業が進めば進むほど、事業費がかさむため見直し
に伴う財政負担が大きくなります。そのため、少しでも早く、事業の凍結、抜本的見直しに着手すべ
きです。
 現時点で、一部の地域は、粗造成が終わっています。個人の地権者が保有する土地は、その地
区に換地し、府有地は未造成の地区から優先的に換地すべきです。一部、造成した土地に換地し
た府有地は、先に述べた公的住宅の建設地、農業公園に当てたらいいでしょう。保留地を設定して
も採算がとれる価格では分譲できないため、保留地は設定せず、不足する経費は事業主体である
大阪府が負担すべきです。造成区域を縮小すれば、計算上必要となる保留地もすくなくてすむた
め、その保留地処分金相当額を大阪府が負担しても、現在想定されている750億円より、はるかに
少ない負担ですみます。また、保留地を設定しなければ、工事費の変更がない限り、計画以上に赤
字がふくらむ危険性はありません。そして未造成の地区は、造成を止めるべきです。このような形で
土地区画整理を全体的に見直すべきです。

5.市民参加で見直し案の作成を

 今がこの事業を大幅に見直せる最後のチャンスです。そのためには、事業をいったん凍結し、専
門家、地権者、市民参加の下で、今後のあり方について議論すべきです。
 すでに造成に入っているため、1年もしくは2年と期間を区切って、見直し案の作成を進めたらいい
でしょう。
  「すでに事業を進めているから、いまさらやめられない」、「やめると大変な赤字を抱えてしまう」とい
う意見もあります。でも、通常の区画整理とは違い、この事業は計画段階ですでに750億円の赤字
を見込んでいます。その上、保留地の売却が予定通り進まなければ、赤字はさらにふくらみます。
事業を最後まで計画通り進めたら赤字にならない事業だと、途中でやめるのは財政的にみて難しい
かもしれません。しかし、この事業は違います。進めれば進めるほど赤字がふくらむ事業であるた
め、少しでも早く事業を凍結し、赤字の拡大を抑えたほうが賢明です。
  また、地元の要請で進めてきた事業だから地元から反対とはいいにくい、という意見もあります。し
かし、誤りがわかっていながらそれを正さない方が問題です。問題が指摘されていながら、ここまで
ずるずると進めてきたことが批判されるべきです。





  水と緑の健康都市事業と箕面市財政
 
  初村尤而(大阪自治体問題研究所)

1.水と緑の健康都市建設の事業規模

(1)大型公共事業である
 箕面市は、03年2月の『3事業長期財政収支見通し(第2次試案)』(『市財政見通し』)のなかで水
と緑の健康都市建設事業(「水緑事業」)の財政計画を明らかにしました。それによりますと、市が
担当する事業だけで総事業費112億円(資料 @)という大型公共事業です。内訳は、小中学校新設
事業費が、第1期分56億円、第2期11億円で計67億円、下水道事業費が、地区内外の公共下水道
事業費12億円、猪名川流域下水道事業5億円で計17億円となり、学校・下水道の両事業だけで総
事業費の76%にのぼります。その後事業内容が変更されたものもあり、今後事業費は縮小すること
になります 。しかし、市はまだまとまった形で公表していませんので、ここでは03年2月の『市財政
見通し』の数値を用いました。

(2)市の負担が大きい
 事業費が大きいだけではありません。事業費のなかで占める市の負担が大きいのです。112億円
のうち市の負担となる一般財源は17億円だけで15%とわずかのように見えます。しかし、それ以外
に将来市の負担となるものとして地方債10億円、立替金(大阪府が箕面市に代わって小中学校を
立替施行し、その代金を市が20年間かけて府に支払ってゆく )が36億円あり、これらを含めますと、
市の事実上の負担は63億円で総事業費の56%になります。これに対して国や府の補助金や負担
金は42.2億円で、総事業費の44%にすぎません。

(3)「水緑事業」だけではない大型公共事業
 箕面市の大型公共事業は「水緑事業」だけではありません。すでに終了した箕面新都心整備事業
と進行中の国際文化公園都市建設事業を含めた3大プロジェクトが重点事業となっています。『市財
政見通し』では3つのプロジェクトの総事業費は494億円にのぼります。市の公共事業費実績は42億
円(04年度普通会計)ですから10年分を超える巨大事業です。事業費のうち市負担の一般財源が
124億円、地方債95億円、立替金66億円で、実質的な市負担金は285億円で,総事業費の58%と
なります。
 さらに箕面市は、総事業費107億円を超える小野原地区特定土地区画整理事業計画を持ってい
ます。こうした巨額の公共事業費が市財政を圧迫することが心配されます。

  例えば、健康の森事業(7億円)はなくなります。また、公共下水道(地区外雨水)事業(2億円)は放水先のダム計画が中止となったため変更に
なります。さらに、小中学校建設事業も縮小されます。以前の計画では、第T期18クラス、第U期12クラス、計30クラスでしたが、現在は第T期
13クラスの計画だけで、第U期は決まっていません。
  償還期間20年間、利率は2%台後半になるものと思われます。


2.将来不安を抱えた「水緑事業」の見通し

 『市財政見通し』によりますと、「水緑事業」で必要となる経費は、1997(平成9)年度から2048(平
成60年)までの約50年間で325億円になるそうです。これには、建設事業費以外に借金(地方債)の
元利償還金、地域内での一般公共サービスの諸々の経費が含まれています。これに対し、歳入は
566億円になるとしています。これは現在の市民1人あたりの税収額をもとに人口を掛け合わせて計
算しています。歳入から歳出を引き算しますと、50年後に241億円の黒字が見込まれるとしていま
す。
 しかし、この見通しはいくつかの問題点があります。
 第一に、事業が順調に進み市の見通しどおりとなったとしても今後14年間(2019(平成31)年度ま
で)は赤字が続き、市財政を圧迫することになります(資料 Aの「箕面市当局の財政見通し」の線グ
ラフ)。累積赤字額は2011(平成23)年度に16億円近くになります。
 第二に、「水緑」の地域内での居住の定着が遅れた場合には、赤字期間はさらに長引くことになり
ます。市の計画では、毎年495人ずつ居住人口が増え、2023(平成35)年に計画人口9,570人が定
着し終えるとして試算しています。しかし、仮に定着率が計画の50%水準で推移するとすれば定着
期間はさらに22年間伸び、累積赤字期間も2039(平成51)年度まで続くことになります(資料 Aの
「人口定着率を50%とした場合」の線グラフ)。年間赤字額は2028(平成40)年度に最高の52.4億円
に膨らみます。
 第三に、歳入が甘く見積られています。市は2003(平成15)年度の市民1人あたりの税収(約18万
1千円)をもとに歳入額を計算しています。しかし、平成16年度の実績では約17万6千円へ約5千円
下がっています。これからは市民の高齢化とともにリタイアした人々の割合が高くなります。一方で
生産年齢人口がそれほど増えず、かつ経済の成熟化が進みますと、1人あたりの税収はそう増えな
いと考えるのが自然ではないでしょうか。
 第四に、市の試算は「水緑」地区だけを対象にしていますが、もし「水緑」地区への転入者が箕面
市内の別地域の市民だったとしますと、箕面市全体で見ればまるまるプラスになるわけではありま
せん。
 以上のように、市の財政収支見通しは甘い歳入見通しを前提にしています。将来にわたり市財政
に負担となることは十分に予測できます。

3.市民サービスを削る理由

  このように箕面市は、大型公共事業では甘い見通しを立てながら、市財政全体については厳しい
見通しを持っています。2004年3月に作った『第四次箕面市総合計画第2期実施計画』によります
と、毎年10〜20億円程度の赤字が出て、積もり積もって平成22年度には116億円に膨らむと見込ん
でいます。あたかも市民向けサービスが赤字の原因だと言いたいようです。箕面市の計画によりま
すと、そうした事態に陥らないために、施策に優先度をつけ、計画の進行管理のために行政評価を
しっかりやると言っています。しかし、市の本当の狙いは別のところにあります。『第2期実施計画』
の約1年前に策定された『経営再生プログラム』や『アウトソーシグ計画』(MOS (モス)計画と言われ
ています)などから総合的に判断しますと、箕面市の財政方針は「市民向けサービス(経常的経費)
を削減して、3大プロジェクトのために必要な多額の投資的経費の財源」を確保することにあります。
 市が「市民向けサービスを削って投資的経費に回す」方向で行財政運営を進めるのには、特別の
差し迫った理由があります。
 一般的に言って、自治体は税収などの財源を職員の人件費や福祉などの経常的経費に充て、そ
こで生じた余剰金に臨時的財源(例えば地方債=借金など)を加え、これを市の裁量で使える財源
(政策的経費充当可能一般財源)として公共事業費など使うという方法で行います。箕面市も同じで
す。最近は税収が低迷しているのに経常的経費は増え続けていて、そのために財政運営が窮屈に
なっている(硬直化している)と市当局は言っています。競艇事業からの収入も激減し期待できませ
ん。
 その結果、市の裁量で公共事業などに回すことのできる政策的経費充当可能一般財源が大幅に
落ち込んでいます。最高時の92年度には200億円を超えていましたが、2004年度には50億円に下
がっています。それにつれて公共事業費に回った一般財源(税収など)も92年度の77億円から97年
度以降は20億円台に減っています。このままでは、3大プロジェクトなどの大型公共事業に回すこと
のできる一般財源が捻出でません。このままでは今まで以上にたくさんの借金をしなくてはならなく
なります。そこで何としても経常的経費(その多くは市民向けサービス経費)を減らして公共事業費
などに回すことのできる一般財源を確保したい、と考えたわけです。市が経営再生プログラムとか
MOS計画を実施しようとするのは、そうした事情と背景があります。
 その点を市自身も隠そうとしていません。『経営再生プログラム』には次のように書かれています。
 「本プログラムが対象とする改革領域は、本市の体質改善を目的とする以上、主に経常的な部分
となるが、本市においては「箕面新都心」「彩都(国際文化公園都市)」「水と緑の健康都市」(いわ
ゆる三大プロジェクト)などの大規模プロジェクトを推進中であり、今後もそうしたプロジェクトを中心に
多額の投資的経費が必要となってくる」

  MOSとは「Minoh city Out-Sourcing plan」(箕面アウトソーシング計画)の頭文字を並べたものです。



4.市民主体の市政づくりと結びつけた財政健全化を

 最後に今後の箕面市の財政健全化の課題を列挙しておきます。その前に市財政の現状を簡単に
見ておきます。

(1)市財政の現状
 第一に、箕面市は府内では公共事業費が多い自治体です。03年度の公共事業費は、箕面市は
歳出総額の19.0%でしたが、大阪府内の都市平均は半分の9.8%にすぎません。04年度には10.
1%に下がり、都市平均8.3%に近くなりましたが、それでも依然として高い比率であることに変わり
はありません。多くの都市では大型事業を縮減する傾向にありますが、箕面市はまだ大型事業計画
をたくさん持っています。また、他都市での大型公共事業はごみ焼却場などの生活関連型が中心で
すが、箕面市は開発型の事業が多いという特徴があります。
 第二に、箕面市の財政状況は決してどうしようもなく悪いわけではありません。財政指標は以前に
比べれば悪くなっており、財政の健全化が必要なことは否定できません。しかし、府内の他の都市
に比べても財政状況は上位に位置しています。
 箕面市と同じように普通交付税の不交付団体である吹田市と比べても悪くはありません。例えば
04年度の決算をみますと、実質収支比率は3.8%の黒字(府内都市第2位。都市平均0.1%の赤字、
吹田市0.4%の黒字)、財政力指数(高い方が強い)1.054(都市平均0.805、吹田市1.087)となって
いて、都市平均や吹田市より良いものも多いのです。実質収支比率3.8%は一般的に望ましいとさ
れている水準(3〜5%)のなかにあります。箕面市は他都市に比べ財政力も強く収支もよいのです。
 ただ、公共事業を拡大した影響で現在の借金の負担率(公債費負担比率。低い方が良い)が14.
7%と重く(都市平均14.2%、吹田市10.0%)、財政運営が窮屈になる主な原因になっています。財
政の窮屈度を表す別の指標である経常収支比率(低い方が良い)は97.9%で吹田市の96.4%(都
市平均96.9%)よりも高いのですが、その原因は、経常収支比率の内訳のうち公債費(借金の償還
金)部分が吹田市より6.2ポイント(箕面市17.3%、吹田市11.1%)も高く、都市平均(15.9%)に比べ
ても1.4ポイント高いことにあります 。箕面市は吹田市に比べ借金の返済金の負担が重いために、
将来の財政負担も重くなっています。将来の負担割合(将来にわたる実質的財政負担割合(低い方
が良い)は1.03倍で、吹田市の0.72倍よりも大きくなっています。
 第三に、吹田市に比べて福祉関係経費に回る財源が低く抑えられています。経常収支比率のうち
扶助費部分(社会福祉費関係が多い)は4.7%で府内都市で最低です。吹田市の9.8%より5.1ポイン
トも低くなっています。箕面市は生活保護率が低いためある程度低いのは当然ですが、それを考慮
しても扶助費の水準は低くすぎるといえます。

(2)市財政健全化のために
 市の財政状況は安閑としてよいわけではありませんが、決して危機的状況にあるわけでもありま
せん。市民向けサービスを充実させる財政的余力はあります。ただ、これまでの大型公共事業拡大
の影響が市財政の現在と将来に傷となっていると言えましょう。しかし、市が進もうとする道は、さら
なる大型公共事業拡大であり、その財源を市民向けサービスの切り下げで捻出しようとする方向で
す。こうした財政運営の転換が求められます。
 第一に、財政健全化によって自治体としての役割を変質させてはなりません。箕面市は経営再生
プログラムなどで、自治体を民間の経営体のように考え、住民の暮らしを守るという自治体としての
役割を失いかねない方向をめざしています。そうではなく、自治体としての役割を明確にして、そのう
えで、箕面のまちづくりビジョンとその実行計画、そしてそのための財政計画を結びつけることが必
要です。
 したがって第二に、財政健全化はただ収支がよくなればいいというのではなく、財源の振り向け先
を大型公共事業から市民の暮らし・健康といった生存権保障に転換する方向で行われなくてはなり
ません。
 第三に、財政健全化にも市民自治を貫くことが必要です。市が策定した健全化策を市民に押しつ
けるのではなく、市民とともに健全化策をつくってゆくことが必要です。大型開発に批判的だったの
に、いつのまにか推進の方向に転換した理由が市民に十分には説明されていません。
 「市民参加による財政健全化」では、岸和田市が参考になります。岸和田市では財政健全化にあ
たって、公募市民によるまちづくり・ざいせい岸和田委員会をつくり、3年間の議論を重ねました。こ
の取り組みのなかで、市政と市民との信頼関係が深まり、市民参加による自治基本条例づくり、市
民研究員制度、そして公民協働の取り組みなどが進んでいます。
 第四に、市での努力とともに、財政難の最大の原因である国の経済・財政政策の改革を求めるこ
とも大切です。三位一体の改革が市財政を苦しめています。
  箕面市の経常収支比率の内訳を吹田市と比べますと、補助費等が高く(プラス5.6ポイント)繰出金が低く(マイナス5.7ポイント)なっています。こ
れは箕面市の下水道事業は公営企業法の適用を受けているために、一般会計からの繰出しが、補助費等扱いになり吹田市の繰出金扱いと異な
っているからです。
 
資料 @
 

資料 A
 

  大阪府政と水と緑の健康都市開発  
 
  日本共産党大阪府議会議員 堀田文一

 箕面市北部・止々呂美地区の水と緑の健康都市開発は、大阪府の区画整理手法による開発計
画で、1998年一部着工ではじまりました。当初計画は、16,500人、5,000戸の街づくりで、総事業費
2011億円は土地の分譲代金と区画整理への国の補助金でまかない、府の実質負担は0円というも
のでした。
 大阪府は大阪に人口が集中した1960年代に千里・泉北ニュータウンを造成し、良好で大量の住宅
を供給し、人口の街にともなう問題点を抱えながらも、一定の成果を上げました。
 しかし、水緑開発を着工した1998年は、大阪への人口集中がすでに終結し、バブル経済がはじけ
てから8年も経過、人口減少の時代が間もなくはじまることは確実な時期になっていました。このよう
な時期に、新たな大型の住宅開発をすすめることは、行政の課題ではなく、自然と財政を破壊する
悪質で無謀な行為であることは当初から明らかで、日本共産党はきっぱり反対してきました。
 にもかかわらず、府が水緑開発に取り組んだ背景には、大型公共事業を優先させる政治の大きな
力や、府議会で圧倒的多数の議席を持つ自民・公明・民主党などのオール与党勢力が大型開発を
推進してきたことがありました。同時に、府内人口の社会減が長期間にわたって続いており、自然を
破壊して自然に囲まれた住宅地区をつくることが社会減を食い止める行政上の課題であるかのよう
な幻想が府庁の中にあったこともあげられます。
 2001年2月、太田府知事は「『負の遺産』を整理」と称して開発工事を中断し、事業の見直しを行
いました。府が中断に踏み切った理由は「早急かつ大量の住宅地供給事業を府として実施する必
要性は低下している」と記されています。実際、当初計画での保留地処分単価145,000円/uに対
し、開発地に一番近い公示価格ポイント豊能町東ときわ台の2000年公示価格は、開発地より鉄道
との接続が優れているにもかかわらず、120,000円/uで急ピッチに下降中。水緑開発の破綻は誰
の目にも明らかになっていました。
 その後も、開発地周辺の地価は下がり続け、東ときわ台の2005年公示価格は72,500円に低下し
ています。隣接する豊能町は自然に恵まれた環境にありながら人口の減少が続いています。にも
かかわらず府は、計画を見直した上、昨年、開発工事を再開しました。
 見直し後の計画は、オオタカ保全区域を設定し、住宅・人口を2,900戸、9600人に縮小。しかし、こ
の規模は地権者に換地を保障する規模よりはるかに大きく、一定規模のまちづくりをすすめる計画
になっています。しかも、採算面では総事業費を985億円と圧縮したものの、開発でえられる収入は
235億円しか見込めず、差引750億円が赤字の予定です。この赤字幅は、2005年度までに執行済
みの事業費406億円をはるかに上回るものです。すなわち、見直し後の計画は、赤字の大幅な拡大
を前提として開発を継続するものになっています。
 赤字は府の公費を投入しで補うしかありません。公費とはすなわち府民の貴重な税金です。財政
危機を理由に府立高校授業料減免制度や福祉医療の縮小、職員給与削減をすすめる府政にとっ
て、750億円は巨額です。なぜ、街の中で土地が余り地価が下がる時代に、住宅開発へ巨額の税
金投入が必要なのでしょうか。
  府は開発を再開する理由について、次の5点をあげました。一つずつ紹介すると。
 第1は、開発現場が将来、第2名神自動車道と国道423号箕面トンネルのインターチェンジに近接
することになり、それにふさわしい土地利用と地域整備が図られるよう枠組みづくりが必要という理
由です。
 しかし、第2名神は、必要かどうかが国民的に議論が展開されている最中です。仮に必要として
も、当地での完成時期は不明であり、少なくとも、遠い将来です。従って、この点は急いで開発を再
開させた理由にはなりません。
 第2は、北摂地域における道路ネットワーク整備に資するという理由です。現に豊能町の東西連
絡道路が、開発計画に盛り込まれています。
 たしかに豊能町の東西連絡道路は豊能町民の強い要望ですが、道路が必要であれば、必要な道
路だけをつくればいいのであって、開発を推進する口実にしてはなりません。
 第3は、オオタカ保全区域を設定し保全方策を実施するためとしています。
 しかしオオタカの保全のためには、開発をしないことがベストであって、オオタカ保全が開発推進
の理由になりようがありません。
 第4は、開発が地権者の協力のもとに推進中であることがあげられています。
 もちろん、この開発が区画整理手法すすめられてきた以上、地権者の権利を換地という形で確保
することは必要ですが、換地に必要な面積以上の広大な開発を進める理由にはなりません。
 第5は、箕面市から開発継続への強い要望があることがあげられています。
 たしかに、箕面市議会から大阪府へ開発継続の要望書が出され、前の箕面市長も開発継続を求
めていましたが、一昨年の市長選挙では開発見直しを公約した藤沢氏が市長に当選しました。箕
面市民が開発再開を望んでいなかったことを示しています。
 以上のとおり、府が開発を再開した理由は、いずれも道理に合わないものです。では、府が開発を
再開した本当の理由は何でしょうか。
  現在の府議会の状況を見れば、府議会の圧倒的多数を占める自民・民主・公明などの与党グル
ープは、今も開発推進です。
 箕面市長は、市議会の多数派の声に押されて自らの公約を投げ捨て、開発推進を表明していま
す。
 開発再開後の工事・管理・販売を包括した11年間で132億円のPFI方式による請負契約の入札
に、開発が中断される以前に工事を請け負っていた大林組を核とする1グループのみが参加し、無
競争で落札して、開発工事に伴う利益を独占できる構造がつくられています。
 以上の諸状況が複雑に絡み合って、開発が再開されました。大阪府は水緑開発のため、05年度
33億円、06年度31億円の予算を組んでいます。そこには、道理も大義もなく、府民の利益もありま
せんす。ただ、税金のあきれるほどのむだ遣いがあるのみです。政治の改革が強く要請される今
日、開発に伴うこのようなむだ遣いこそ、徹底して見直されるべきです。



  止々呂美開発のこれまでの経過

  日本共産党箕面市会議員団  

1、「列島改造」と止々呂美開発
田中角栄の「列島改造」が吹き荒れる中、1970年代のはじめ、止々呂美地域で民間企業が宅地
開発のために用地買収をすすめました。

2、余野川ダム事業
すでにそれに先立つ1968年には、余野川ダムの予備調査が着手されていました。1977年には、
建設省が関係地元市へ、余野川ダム工事計画の方針説明を行い、80年には実施計画調査に着
手し、83年には建設事業を開始しています。そして91年に猪名川総合開発事業に関する基本計
画告示がなされました。

3、大阪府によるゼネコン救済の用地買収
90年に中川知事のもとで大阪府住宅供給公社が、その民間企業(奈良建設)から154ヘクタール
を用地買収しています。ゼネコンの窮状救済ではないかと、日本共産党は疑惑の追及を行いまし
た。91年には府新総合計画に「エイジレスタウン」と位置づけられました。当時のある業界紙は、開
発主体に予定していた住都公団が、下水道や道路が未整備などを理由に、消極的態度をとりつづ
け、一方建設省のダム建設も水の配分などで事実上暗礁にのりあげていたことから、府の公金で
の買い上げは「土壇場での登場」と報道しています。

4、急浮上のアクセス道路(国道423号線有料トンネル)
大阪府の用地買収後、アクセス道路として国道423号線有料トンネルも急浮上していきました。96
年度用地買収に着手、97年度国道事業採択、98年度有料道路事業採択、工事着手がなされ、2
007年4月供用開始にむけて事業がすすめられています。トンネル湧水と箕面大滝にも影響を与え
る国定公園内外の水枯れによる自然破壊が明らかになりました。

5、周辺地価下落が続く水と緑の健康都市
水と緑の健康都市は、98年に第一区域の造成工事が着手され、99年2月のオオタカの営巣確
認、工事の中断と再開などの曲折はありましたが、今日に至っています。
2001年2月の大阪府の見直し案では、オオタカ保全による事業採算性への影響、地下動向と住
宅供給動向を勘案し「当地において早急かつ大量の住宅供給事業を大阪府として実施する必要性
は低下している」と表明していました。事実、当初計画では平均価格14万5千円としていましたが、
2005年7月1日の基準地価は、隣接する東ときわ台で6万6千円、光風台で7万円となっていま
す。

6、750億円の税金投入前提の水と緑の健康都市開発
大阪府が、750億円もの税金投入を前提に、水と緑の健康都市開発をすすめようとしていること
は、許すわけにはいかないとこれまでも指摘をしてきました。もともと土地区画整理事業は、少なくと
も直接の税金投入なしで、収支均衡というのが当たり前であり、750億円もの税金投入を前提に事
業をすすめなければならないものは、中止すべきものです。

7、ダム中止にあわせて水と緑の健康都市計画の抜本的見直しを
2005年7月1日に、余野川ダム建設中止の方針を国土交通省近畿地方整備局が表明しました。
ダム中止にあわせて、ダムと一体で開発を進めるとしてきた水と緑の健康都市計画の抜本見直し
が当然なされるべきです。
  7月1日の近畿地方整備局の余野川ダム建設中止の方針表明に対して、8月5日、淀川水系流
域委員会は、「淀川水系ダムついての方針に対する見解」を発表しています。
  それでは、私たちも指摘してきたように、「ダムの集水面積27.8?は猪名川の流域面積の7%に
過ぎず、下流への洪水調節への効果はきわめて限定的です」「また、一庫ダムの利水容量を余野
川ダムに振替えて治水容量を増大させても、浸水被害の常襲地である多田地区の被害軽減にはほ
とんど役に立ちません」と、言いきっています。
  多田の銀橋狭窄部によって流れ下る水がせきあげられ、猪名川に流れ込む支流の水が流れ込め
ずあふれ出る内水被害だからです。
治水については、ダムではなく、銀橋狭窄部の一部開削と下流猪名川の河道掘削で対応することと
されました。委員会として、その方針を支持するとともに、堤防の強化が主要課題だとして、積極的
に発言していきたいと述べられています。

8、ゼネコン奉仕の開発再開
  大阪府は、水と緑の健康都市の第一区域開発のためのPFI方式導入で、すでに業者を決定し本
格的な工事を再開しています。その入札に応じたのは、これまで第一区域の粗造成にあたっていた
業者だけだったというのも不可解です。
また、第一区域の開発である「水と緑の健康都市第一期整備等事業」の契約概要を見れば、PFI企
業側のリスクにあたる可能性が考えられるのは、保留地先行取得戸数として51区画を義務付けて
いるものぐらいで、それ以外の宅地の販売は保留地支援業務として分譲実績に応じた対価を加算
して府が支払うシステムになっています。もちろん51区画すら売れないということになれば事業その
ものが成立たないわけですから、リスクということはできないものです。
バブル崩壊以降一貫して地価は下落しており、2005年7月1日の基準地価は、直近の豊能町東と
きわ台で前年比11%の下落となっています。地価下落は、宅地購入の動きが弱いことを示すもの
でもあります。地価の下落が続き宅地が売れなければ、大阪府の税金投入が750億円をこえること
もありうるのではないでしょうか。

9、第2名神高速道路
  第2名神高速道路は、名古屋〜神戸間の175キロを走る道路です。止々美インターチェンジが計
画され98年・99年に施行命令が出されています。今年は、水文、土質、自然環境、渓流調査が順
次予定されています。また設計協議が止々呂美と粟生間谷の自治会との間で行われる予定です。
すでに大津〜高槻間には、名神高速道路と平行して京滋バイパスが供用されています。さすがに
高速道路が三本平行して走ることには問題があることから、第2名神高速道路の大津〜城陽間と
八幡〜高槻間を、さらに新たな道路を追加する必要性をみきわめる必要のある抜本的見直し区間と
しています。ここの事業費だけでも1兆1千億円だと聞いています。莫大な公共事業の浪費だと言
わなければなりません。この区間を中止すれば、高槻〜神戸間は工事費のかさむ山岳トンネルの
連続です。費用対効果を考えれば当然この区間も中止すべきです。まして国道423号線有料トンネ
ル工事によって、大量のトンネル湧水とともに、箕面国定公園内外の河川・渓流やため池等で水枯
れが発生し深刻な自然破壊が引き起こされています。第2名神高速道路トンネルは、その北側に計
画されています。かけがえのない箕面国定公園をはじめ、これ以上の自然破壊がないように自然環
境の保全の観点からも中止すべきです。




   止々呂美地域での各公共事業の略年譜

  日本共産党箕面市会議員団
(水と緑の健康都市)
1972年頃    奈良建設が用地買収(山林で坪1万円)
1982年     府総合計画で「水と緑」の街づくりが位置づけられる
1984年     住宅都市整備公団が事業主体となることを想定し、大阪府、箕面市、建設省、公
団等が共同で調査検討を始める
1990年 5月  大阪府住宅供給公社が奈良建設から用地買収(約154ha、140億3千万円)

※住宅都市整備公団は、止々美開発への不参加を表明
※奈良建設は、残地をすべて子会社のアルファ都市開発の所有地にして、118.22haを担保に、
日本債権信用銀行から限度額220億円の融資を受ける

1990年 8月  止々呂美地区開発協議会に、奈良建設社長が加わる
1991年 9月  府新総合計画に「エイジレスタウンとして整備」と位置づけ、企業局の手で行う条
例改正を府議会に提案
1993年 9月  府議会で日本共産党の浅野弘樹府会議員が、疑惑を追及
1994年 8月  土地区画整理事業の都市計画案について地元説明会開催
1996年 2月  土地区画整理事業の都市計画決定告示

※「一体的に建設される余野川ダムの水際空間や、周辺の豊かな自然を活かし、あらゆる世代が
生涯を通じて、ゆとりとうるおいを持って暮らせる21世紀の長寿社会に対応したモデルニュータウン
(「エイジレスタウン」)として整備することを目的」として、止々呂美地域の313.7haを、大阪府施
行の土地区画整理事業手法ですすめる5000戸・居住人口16500人の水と緑の健康都市が都市
計画決定される

1996年12月  大阪府と箕面市が基本協定を締結
1997年 3月  事業計画の決定
1997年 9月  準備工事に着手
1998年 3月  大阪府住宅供給公社から大阪府が土地を取得(約80ha)
1998年12月  第1区域造成工事を発注
1999年 2月  オオタカの営巣確認
2001年 1月  「オオタカ調査委員会」、全体の2割にあたる55haを保全区域とし、開発を制限
することを求めた提言を大阪府に提出する
2001年 2月  大阪府が見直し案を発表

※オオタカ保全による事業採算性への影響、地価動向と住宅供給動向を勘案し、「当地において早
急かつ大量の住宅供給事業を大阪府として実施する必要性は低下している」と、見直し案を発表。
これに対して、箕面市は、第1区域62ha・1000戸のまちづくりでは教育施設や生活利便施設など
の立地自体がなりたたずゴーストタウン化するなどとして大阪府に協議を申し入れる

2002年 5月  大阪府と箕面市、事業見直しに関する基本合意書等を交わす
2003年 7月  大阪府知事と箕面市長の間で改定基本協定書を締結
※人口10000人のまちづくりとして313.7haの事業を再開することを確認
2004年 8月  藤沢氏が箕面市長選挙で「勇気ある撤退」を訴え当選
2005年 3月  藤沢市長提案の止々呂美小中学校実施設計費用を含む予算を箕面市議会可決
2005年 9月  大阪府議会が第一区域開発・販売・管理のPFI事業者を決定
2007年 4月  一部街びらき予定

(余野川ダム)
1968年 4月  予備調査に着手
1971年     猪名川改修工事実施基本計画の改訂 
「計画規模は、猪名川において流量平均日雨量の年超過確立1?200、神崎川1?150、安威川1?
100とし、猪名川の基準地点小戸において上流域の対象日雨量268mm、基本高水流量を350
0?毎秒として、このうち上流ダム群(一庫、余野川)による洪水調節を1,200?毎秒とし、計画高水
流量を2,300?毎秒として、現在にいたっている」(平成16年度猪名川河川改修事業計画概要)
1977年 6月  建設省が関係地元市へ余野川ダム事業計画の方針説明
1978年 5月  猪名川、「総合治水対策」の特定河川に位置づけ
1980年 4月  「猪名川水利用高度化事業」として実施計画調査開始
1982年 3月  猪名川流域整備計画を策定し、小戸基準地点における整備目標流量を1,770?
毎秒とする 
1982年 8月  「淀川水系における水資源開発基本計画(全部変更)」に高度化事業位置づけ
1983年 4月  猪名川総合開発建設事業採択、事業着手
          
※「猪名川総合開発事業は、淀川水系猪名川左支川余野川の右支川北山川の箕面市下止々呂美
地先に多目的ダムとして建設される余野川ダム及び猪名川下流の豊中市利倉地先〜伊丹市中村
地先に建設される河川浄化施設を主要施設とするもので、洪水調節を行うとともに、流水の正常な
機能の維持並びに水道用水の供給を行うことを目的としています」(平成16年度猪名川総合開発
工事事務所概要)

1991年 8月  多目的ダム法に基づく建設に関する基本計画告示
1992年 1月  基本計画(第一回変更)告示
1992年 8月  「淀川水系における水資源開発基本計画(全部変更)」に猪名川総合開発事業位
置づけ
1993年 3月  工事用道路工事に着手
1995年10月  猪名川総合開発事業(余野川ダム建設)に伴う損失補償基準の妥結・調印

1997年     河川法改正 ・「河川整備計画」の策定に当たっては、住民の意見を反映させ、学
識経験者や自治体の意見を聴くことが定められる

2000年 3月  導水トンネル工事着手
2001年 9月  基本計画(第二回変更)告示
2003年 1月  「淀川水系流域委員会」、「新たな河川整備計画をめざして」の提言発表
2003年 3月  導水トンネル工事概成
2003年 9月  近畿地方整備局、「淀川水系河川整備計画基礎原案」を公表
2004年 5月  近畿地方整備局、「淀川水系河川整備計画基礎案」を策定
2005年 7月  近畿地方整備局、ダム建設中止を発表

(国道423号線有料トンネル)
1996年度    地域高規格道路の「整備区間」に指定、用地買収に着手
1997年度    国道事業採択
1998年度    有料道路事業採択、工事着手
2002年  秋  日本共産党箕面市議団、水枯れ発生を確認し調査開始
2003年 1月  日本共産党箕面市議団、堀田府議とともに道路公社へ申し入れ
2007年 4月  供用開始予定

(第2名神高速道路)
1989年 2月  基本計画決定
1995年 7月  都市計画決定(城陽〜神戸)
1998年12月  施行命令(箕面〜神戸)
1999年12月  施行命令(高槻〜箕面)
2000年11月  測量立入りの地元説明
2001年12月  「特殊法人等整理合理化計画」閣議決定
2003年12月  第1回国土開発幹線自動車道建設会議(国幹会議)
  ・高槻〜神戸間は、日本道路公団が整備
2004年 6月  道路公団民営化法成立
2005年10月  日本道路公団が分割・民営化、西日本高速道路株式会社発足





 2006年度箕面市予算編成に
  ともなう要望書
箕面市長
藤沢 純一 殿

箕面市教育委員会委員長
小川 修一 殿
  2006年  1月 13日 
  日本共産党箕面市会議員団

はじめに
  今日、小泉内閣が「構造改革」としてすすめてきた「新自由主義」の路線が、国民生活に急速で重
大な貧困と社会的格差の広がりをもたらしています。
そして地方政治も、この「構造改革」路線と国民生活との矛盾の激しい焦点の一つとなっています。
  「三位一体改革」の名で財源の一部を地方に移すのとひきかえに、国の責任でおこなうべき福祉・
教育のための国庫補助、負担金を縮小・廃止し地方交付税を削減することで住民サービスの大幅
な切り下げがおしつけられようとしています。また、政府・総務省による「地方行革推進のための指
針」により、職員の削減・業務の民間委託と民営化も急テンポで推進されています。
地方自治体の裁量を拡充するための税源移譲は当然であり、地方交付税の拡充など必要な措置を
求めることが、いよいよ重要になっています。また行財政運営の改革は、住民サービス低下の行政
改革ではなく、彩都開発や止々呂美開発など不要な大型公共事業をやめ、ムダをなくし、住民の利
益をまもり、行政サービスを改善することを目的に、住民と自治体職員の参加ですすめることが必要
です。
  市政の市民の生命とくらしを守る努力が一層求められています。
 箕面市政は藤沢市長が就任されて1年4ヶ月余が経過しました。市長が掲げられた「ゴミ有料化を
白紙に」、「むだな開発は勇気ある撤退」、「赤字になる前に競艇から撤退」などの市民に対する公
約を市長交代という絶好のチャンスを生かすことなく、その実現に一歩も足を踏み出さないまま、既
定路線を継承するという状況は極めて残念です。事実上の公約反故は、市民に対する背信行為で
す。市長が第4次総合計画をおしすすめ、箕面市経営再生プログラムや、公立保育所廃止・民営化
など箕面市アウトソーシング計画を推進されていることは、市長が選挙のおり批判した前市政を継
承・推進していることに他なりません。

 市長が今日の国政と、市民のくらし、地方政治の深まる矛盾を直視し、公約を守り、憲法・地方自
治法・教育基本法を市政に徹底することを求め下記の要望をおこなうものです。
 
 
重点要望

1、利水、治水、環境面からも必要のない余野川ダム建設の中止を改めて国に要請すること。国有
化された用地については、箕面市への移管を求めること。

2、第二名神高速道路建設は箕面市として反対の表明を行い、ムダな公共事業をやめて箕面国定
公園内外の自然環境を保全するよう求めること。

3、「国際文化公園都市」・「水と緑の健康都市」は、財政、自然と環境、まちづくりの観点から事業を
凍結し見直しを行うよう市として国、府など関係機関に発言すること。
萱野「新都心」については、道路や公園などの維持管理費は関係企業が負担するように求めるこ
と。

4、ごみ収集の有料化を白紙にもどし、審議会答申を尊重して、市民負担の軽減やごみ減量化につ
いて努力すること。条例の見直しについては公約を実現すること。

5、公立保育所の廃止・民営化は撤回すること。

6、図書館や公民館など社会教育施設や老人福祉施設などの公共施設は、市直営を原則とするこ
と。

7、指定管理者制度導入にあたっては、公の責任を明確にし、利用者の利便性を後退させないこ
と。

8、「構造改革」「労働法制の規制緩和」などで、公契約にも無法が放置される現状がある。指定管
理者制度導入や民間委託、派遣労働などの箕面市がかかわる公契約に労働基準の適正化やルー
ル化を求める。

9、「介護保険制度」の改悪を許さず、改善を図ること。
@保険料、利用料の新たな利用者負担は行なわず、低所得者の保険料、   利用料を軽減するこ
と。
A介護サービスを充実すること。
B特別養護老人ホームの待機者をなくし、食事代補助などホテルコス   トの施設入所費用負担
の軽減につとめること。

10、障害者自立支援法については、応益負担から応能負担に改めるよう国に求めるとともに、現行
サービス利用者が排除されることのないように、サービス水準を引き下げず、体制の充実と利用者
負担の軽減をはかること。

11、年金制度の改悪をしないよう引き続き国に求め、大増税計画に反対の声を上げること。医療制
度の改悪にも反対の声を上げること。

12、乳幼児医療費の無料制度を6歳未満児まで引き上げること。

13、子どもたちに豊かな教育を
  @教育基本法改悪反対の意思表示をすること。
  A30人以下学級実現を国・府に求めると同時に市独自でも実現すること。
教職員の定数を増やし、困難校での教育を改善すること。
B学校内外の安全対策を引き続き強化すること。
C学校施設の耐震化を急ぐとともに、必要な大規模改修を計画的にすすめ、トイレ改修や扇風機・
クーラー設置などは早急に行うこと。

14、商業を活性化する。
@商業観光振興条例を制定し、中小業者の営業と暮らしを守ること。
A大型店舗の出店を規制すること。

15、「人権」に名を借りた同和行政の継続を中止する。
@箕面市人権協会に補助金を出さないこと。

16、競艇事業については、住之江区住民が反対するナイターレースの開催を見合わせるとともに、
日本船舶振興会などへの交付金削減のための法改正を関係機関に強く働きかけること。
 
17、自衛隊のイラクからの撤退を求め、非核平和宣言都市にふさわしく国連中心のイラク復興と平
和の実現に積極的に働きかけること。

19、日本国憲法を市政に生かし、「憲法守れ」の声をひろく呼びかけること。

    
  以上




「指定管理者制度」って何?
保育所、老人ホーム、福祉センター、公民館、図書館、
病院、スポ−ツ施設など
公共施設の管理・運営を民間企業が代行できる制度です。

 保育所、障害者施設、公民館、市民会館、図書館、スポーツ施設などは、住民が誰でも利用でき、
住民のいのち、くらし、福祉を支える大切な共同財産です。

 これらの施設は、住民が無料または低料金で公正なルールで利用できるように管理運営団体は
市や公共的性格を持つ団体に限定されていました。
ところが2003年法律がかわって管理運営する団体の規制がなくなり民間企業も管理運営できるよう
になりました。
「指定管理者制度」という新しい制度によって施設の利用許可や料金を設定する権限まで管理運営
する団体に任されます。住民サービスよりも企業の利益や儲けが優先されかねません。

 日本共産党は、指定管理者制度によって住民サービスが低下しないこと、個人情報保護や情報
公開制度をもうけ、公共的視点をもって運営することを求め条例に反映するようにとりくんできまし
た。

 箕面市はさらに図書館や公民館、生涯学習センターなど直営施設にまで指定管理者制度導入を
検討しています。日本共産党は財政支出削減を目的にした民間委託に反対し市民の財産を守るた
めにがんばっています。

箕面市の指定管理者制度に移行した施設
      条例名 条例施行日 条例公布日 条例番号
"公募型
(経過措置なし)"
箕面市立障害者福祉センター条例 
          平成16年4月1日 平成15年12月22日 条例第50号
箕面市立ケアセンター条例 
          平成16年4月1日 平成15年12月22日 条例第49号
箕面市立青少年教学の森野外活動センター条例
          平成18年4月1日 平成17年6月24日 条例第26号
"公募型
(経過措置あり)"
箕面市立市民文化ホール条例
          平成17年4月1日 平成16年12月27日 条例第43号
箕面市立あかつき園条例
          平成17年4月1日 平成16年12月27日 条例第44号
箕面市立ワークセンターささゆり条例
          平成17年4月1日 平成16年12月27日 条例第45号
箕面市立介護老人保健施設条例
          平成17年4月1日 平成16年12月27日 条例第47号
箕面市立老人デイサービスセンター条例
          平成17年4月1日 平成16年12月27日 条例第46号
箕面市立市民活動センター条例
          平成17年4月1日 平成16年12月27日 条例第42号
"箕面市立自動車駐車場条例(箕面駅前)
→箕面市立箕面駅前駐車場条例"
          平成17年4月1日 平成16年12月27日条 例第48号
"その他
(非公募型)"
箕面市立コミュニティセンター条例 平成17年4月1日 平成16年10月13日 条例第35号

箕面市立医療保健センター条例  ――――――――

検討中"
箕面市立箕面文化センター条例
→箕面市立箕面文化・交流センター条例"
             "教育委員会規則で定める日(未定)"平成17年9月30日 条例第37号
箕面市立瀬川駐車場条例――――――――

"箕面市立自動車駐車場条例(かやの中央)
 (箕面市立かやの中央駐車場条例)
→箕面市立かやの広場・かやの中央駐車場条例"
           平成18年7月1日 平成17年6月24日 条例第26号
"箕面市民広場条例
→箕面市立かやの広場・かやの中央駐車場条例"
           平成18年7月1日 平成17年6月24日 条例第26号
箕面市立総合運動場条例
           平成18年4月1日 平成17年6月24日 条例第27号





     6月30日
  余野川ダム建設中止、
  国土交通省が発表
                                        2005年7月1日
  報道されているように、国土交通省は、6月30日、近畿の主要水源である淀川水系に建設・計画
中の5つのダムのうち、箕面市の余野川ダムなどの2ダムの建設を中止する方針を発表しました。
余野川ダム建設には用地買収など約500億円が投じられてきましたが、水需要が減少し、事業継
続は難しいと判断されました。
すでに、国土交通省が設置した淀川水系流域委員会が03年1月、余野川ダムなど5つのダム建設
について「原則中止」との提言を出し、さらに今年、1月にも「余野川ダムは・・治水面での効果がき
わめて限定的で希薄・・速やかに結論を」と意見書を出していました。

日本共産党はムダなダム
建設は中止すべきと
一貫して主張
 日本共産党は、余野川ダムの建設について、水利用(利水)、水害対策(治水)の両方からの必
要性の疑問点を市議会でとりあげ、市の利水問題では府営水の導入や治水問題では、河川改修、
狭窄部の改修など提案するとともに「環境破壊とムダなダム建設は中止すべき」と一貫して繰り返し
主張してきました。昨年10月の政府交渉でもダムそのものの建設の中止を要望し、日本共産党近
畿ブロック事務所と関係議員が参加して5月10日近畿整備事務局へダム建設中止を求めてきまし
た。


一体の「水と緑の健康都市」開発も抜本見直しを
 箕面市ですすめられている「水と緑の健康都市」は、今回中止となった余野川ダム建設と一体とな
った開発計画です。03年7月に結ばれた「府市協議・基本
協定」第1条に「本事業は、余野川ダムと一体的に整備する・・・」と書かれています。日本共産党箕
面市会議員団は、3月、6月市議会で、「余野川ダムの建設計画自体がゆらいでいるいま、これと一
体となった『水と緑に健康都市開発』計画も、いったん凍結、中止し、抜本的に見直し、大阪府と新
たな協議をおこなうべきだ」と主張してきました。3月市議会では、開発地域内に建設予定の小中一
貫校の実施計画費や道路建設費の約1億6800万円を削減凍結の修正提案をしてきました。

この時期に藤沢市長は
「水と緑の健康都市」開発
推進を表明
しかし、藤沢市長は「大規模開発からの勇気ある撤退を」という昨年夏の選挙での公約を事実上反
故にし、「災害発生のおそれ、補償問題になる」(2月市議会)を理由に事業を推進し、配布中の7月
号「もみじだより」では「本事業については・・推進してゆく必要があると判断するにいたりました」と
明確に開発推進を表明しました。

余野川ダム建設中止を機に
市長は公約にしたがい、
開発の撤退、見直しを提言するとともに、
国、府、市は、地元への対策をおこなえ
 今回の、余野川ダム建設中止の報道の中で、府の幹部が「まちづくりのコンセプトを根本から練り
なおさなければならなくなった」と発言されています。日本共産党は、早くからまさにこのことを主張
してきました。

 改めて、箕面市は、余野川ダム建設中止を機に、藤沢市長の公約に従って「水と緑の健康都市」
開発から撤退するとともに、大阪府に対して開発計画の抜本的な見直しを提言すべきです。
その中で、余野川ダム建設とこれと一体の「水と緑の健康都市開発」を推進してきた国、大阪府、
箕面市が、地元止々呂美と箕面市民への対策、府民への責任を果たすことは当然です。

日本共産党はひきつづき
ムダな大型開発の見直しに
がんばります
 今回の余野川ダムの建設中止は、ムダな公共事業は見直し中止しなければならないという、広範
な国民・市民の批判の声の反映であり、日本共産党箕面市議団は、引き続き、市民や市民団体と
ともに、国、府、市の大型開発の抜本的な見直しをすすめて奮闘する決意です。




      2005年度箕面市予算編成に
     ともなう予算要望書を提出
           
箕面市長
藤沢 純一 殿

箕面市教育委員長
浅岡 建三殿
                                2004年 12月 27日               
             日本共産党箕面市議会議員団

はじめに
 2004年度夏の市長選挙で新しい市政が誕生しました。藤沢市長が市民への公約を守り市民か
らたくされた願いに真摯にこたえていただくよう求めるものです。
12月20日に発表された来年度予算財務省原案は、定率減税の半減など「暮らしと景気破壊の大増
税予算」となっています。さらに、イラクへの自衛隊派遣の延長など軍事費も拡大され、平和とくらし
がおびやかされるものです。藤沢市長がこうした国の動きにも批判の声と行動をおこし、憲法を市政
に生かし、住民の福祉とくらしを守る地方政治に邁進されるように求め、新年度予算の要望をおこな
うものです。
今回取りまとめた要望事項は切実なものであり、市政の方向にとって重要なものです。来年度の予
算編成に当たり、十分検討をおねがいいたします。なお、重点要望項には文書をもって回答いただ
きますようお願いいたします。

重点要望

1、利水、治水、環境面からも必要のない余野川ダム建設の中止を国に要請すること。

2、「国際文化公園都市」・「水と緑の健康都市」は、財政、自然と環境、まちづくりの観点から事業を
凍結し見直しを行うよう市として国、府など関係機関に発言すること。
萱野「新都心」については、道路や公園などの維持管理費は関係企業が負担するように求めるこ
と。

3、 ごみ収集の有料化を撤回し、ごみ減量について市民的議論をおこすこと。

4、公立保育所の民営化の方針は撤回すること。

5、社会教育施設、老人福祉施設などの住民福祉の増進のため住民が利用す  る公共施設の管
理運営や清掃事業など、本来地方自治体がおこなうべき事  業について直営を原則とすること。

6、指定管理者制度導入にあたっては、甲の責任を明確にし、利用者の利益を  後退させないこ
と。

7、「介護保険制度」の改悪を許さず、改善を図ることをもとめる
  @保険料、利用料の新たな負担は行なわず、低所得者の保険料、利用     料を軽減するこ
と。
  A介護サービスを充実すること。
  B特別養護老人ホームの待機者をなくし、「ホテルコスト」の導入は    さ   せないこと。

8、障害者支援費制度についてはサービス水準を引き下げず、体制の充実をは  かること。

9、年金制度の改悪をしないよう引き続き国に求め、大増税計画に反対の声を  上げること。

10、乳幼児医療費の無料制度を6歳未満児まで引き上げること。

11、子どもたちに豊かな教育を
  @教育基本法改悪反対の意思表示をすること。
  A30人以下学級実現を国・府に求めると同時に市独自でも実現すること。
    教職員の定数を増やし、困難校での教育を改善すること。
  B警備員の配置をおこなうなど学校内の安全対策を抜本的に強化するこ     と。
  C学校施設の大規模改修を、繰り延べせず、当初計画どおりにすすめるこ     と。

12、商業を活性化する。
   @商業観光振興条例を制定し、中小業者の営業と暮らしを守ること。
   A大型店舗の出店やパチンコ店、ミニ場外舟券売り場などの進出を規制     すること。

13、「人権」に名を借りた同和行政の継続を中止すること。
   @箕面市人権協会に補助金を出さないこと。

14、住民基本台帳の全国ネットワーク化は、プライバシーを保護する立場から    離脱すること。
 
14、憲法違反の自衛隊イラク派兵に反対し、非核平和宣言都市にふさわしく国  連中心のイラク
復興と平和の実現に積極的に働きかけること。

15、日本国憲法を市政に生かし、「憲法守れ」の声をひろく呼びかけること。




  04年9月議会日本共産党代表質問
    04年10月6日 神田たかお

 日本共産党の神田隆生です。
 日本共産党を代表して市長の施政方針に対する代表質問を行います。
 
質問の第一は、市民の暮らしを支える市政についてであります。言うまでもなく地方自
治体の重要な役割は、住民福祉の向上であります。リストラと失業、青年の就職難や長引く不況のもとで、また国の社
会保障の切り捨てのもとで、その役割はますます重要となっています。

@介護保険料、利用料の軽減を
介護保険料、利用料の軽減について質問します。現在の箕面市の条例では所得急変などの特殊な場合にしか減免措
置がとられていません。私たちは、他市でもとりくまれている低所得者に対する制度的な介護保険料、利用料の軽減措
置をつくるよう求めるものです。このことについて市長の見解を求めます。

A国保料の値上げストップ。軽減措置の拡充について
次に、国保料の値上げストップ。軽減措置の拡充について質問します。
平成15年度決算で、国民健康保険事業の累積赤字が8億9千万円となっています。国民健康保険は構造的に基盤が
ぜいじゃくであり、また政府の補助金削減が行われ、被保険者の保険料収入だけでまかなおうとするとどうしても無理
が生じ、高い保険料とならざるを得ません。国に国民健康保険への補助金の増額を求めるとともに、一般会計からの
繰り入れを増やし国民健康保険料の値上げを行わないよう求めるものです。同時に、生活が苦しい中、保険料を払い
たくても払えない市民が増えています。このような市民の状態を直視するならば保険料の軽減措置を拡充すべきと考え
ますが市長の見解をお尋ねします。

Bごみ収集を無料に戻し、市民の知恵と力でごみ減量を
8月の市長・市議会議員選挙の争点の一つは、昨年10月に踏み切ったごみ収集の有料化問題でした。私たち日本共
産党は、「ごみ有料化を無料にもどし、市民的議論をもう一度」と、訴えました。そして、その公約実現のためにこの議
会にごみ有料化を無料にもどす条例提案を行いました。
多くの市民はごみ収集の有料化に怒り、「ごみ有料化を白紙に戻す」と公約に掲げたあなたが市長に当選されました。
現在市長は、「議会の同意を得られそうにない」と言っておられます。しかし議会の構成は4年間変わりません。さらに
市長は「白紙に戻すとは必ずしも無料にすることではない」とまで言っておられます。
市長の公約を貫かれ、ごみ収集を無料に戻してごみ減量について広く市民的議論を起こすための努力を行うべきだと
考えますが、市長のお考えをお尋ねします。

C公共交通空白地域をなくし、北大阪急行の延伸でもっと便利な公共交通に
高齢化がすすみ、東山住宅、平和台や南山など市内の公共交通網のない傾斜地の住宅に住んでおられる方が買い
物に行くにも大変だ、住み続けられるか心配だ、とおっしゃっています。高齢者のみなさんの自立して生活する権利を
保障するためにも街の隅々に公共交通網を張り巡らすことは、これからいっそう重要な課題になるのではないでしょう
か。公共交通空白地域をなくす方策について市長のお考えをお聞きします。
また、長年懸案の北大阪急行の延伸を早く実現して便利な公共交通網を確立すべきだと考えますが、これについて市
長の見解をお尋ねします。

二、学校施設の改修、教育の充実について
学校教育施設の改修、教育の充実について伺います。
30、35人学級など少人数学級についてうかがいます。ご承知のように大阪府下では、お隣の池田市の教育特区や岸
和田や富田林市などいくつの市で少人数学級が実施されています。
小学校低学年を対象に実施した富田林市では、市独自で講師を8人採用され保護者からも好評と聞き及んでいます。
ほぼ一人あたり400万円程度の人件費だそうです。府教委は今年度から4年間で35人学級を実施しようとされていま
す。よりよい教育実現のため、全体として少人数学級にすすんでいくのが流れとなっています。
市長も公約されていた30人学級について改めて、その見解とどのようにすすめられようとしているのか伺います。
次に施設改修について伺います。
私たちは学校施設の調査をして改修について質問をし、毎議会ごとに改修をすすめるようにとりくんでまいりました。繰
り延べになっていました東小学校の大規模改修や第三中学校の体育館の改修が今年度ようやくとりくまれています。
教育委員会が策定していました大規模改修計画の実施が繰り延べになり、改めてこの秋に全体の改修計画がだされ
ると聞いておりますが、こどもたちの教育環境をよくすることを最優先することが求められているのに先送りになってい
ることは大変残念です。
また、小規模な修繕についても毎年修繕費が減らされ、学校現場も大変苦労されております。この夏はことのほか暑く
て小学校の教室に扇風機を設置したいとお話しもしていましたが、学校に配分されている予算はきびしくて、扇風機も
つけられないという実態におどろきました。
学校の大規模改修計画を明確し、必要な修繕費の増額をして教育環境をよくするための努力をされるよう求めるもの
です。答弁を求めます。

三、商工業、観光、農業振興等について

商工業、観光、農業振興について市長は所信表明でまったくふれておられませんが、商工業、観光、農業振興につい
て質問いたします。
長引く不況、国の規制緩和のもとで相次いだ大型店舗の出店、さらに加えて萱野中央の新都心大型店舗の開業も重
なって、既存の小売店舗がさびれる一方で、シャッターがいっそう目立ってきています。商圏の消費者のニーズをつか
んだ既存の商店街などの努力をいかに支援するのかが要だと思いますが、既存の小売店の活性化をどのようにすす
めていくお考えなのかお尋ねします。
また、箕面への旅行者のニーズをとらえ、箕面の自然、歴史や文化遺産をどのように生かしていくかが観光振興にとっ
て重要だと思いますが、箕面の観光をどう立て直し集客をしていこうとしているのかお尋ねします。
学校給食への地場産の米や野菜の導入の拡大や朝市支援など地産地消の拡大、市民農園や援農など市民参加の
拡大で農と農地の保全をすすめるなど、農業にどんな光を当てるのかについてもお尋ねします。

四、みどりと自然、住環境の保全について質問します。
市民参加の山ろく保全のとりくみは進み始めています。しかし箕面の緑と自然の保全を考えると国定公園を中心とした
箕面の山全体ということになります。「明治の森の主旨は自然の失われつつある大都市近郊の自然を残し、その保護
復元を図り、国民に自然保護の思想を涵養すること、さらに大都市住民の健全なリクレーションの地を確保することに
ある。この公園計画の重点は自然の保護にあり、特に風致上重要な府営みのお公園や勝尾寺周辺とその間の箕面
川沿いの区域を「禁伐区域」とし、現状の森林美を保存していくはか、積極的にこの地特有の自然林を復元し、府民の
誇りうる郷土の森に育てていく計画である。その他の地域についても天然林は極力そのまま保存し、人工林は原則とし
て択伐するとともにその伐期をのばすなど風致維持のための配慮をする。―――小鳥や昆虫の積極的な保護を行
う。」と、設立当時の文章には書かれています。しかし、最近では箕面有料トンネル工事によって国定公園内の河川・
渓流で水枯れが起こっています。国定公園を中心とした箕面のみどりと自然の実態調査を行い、その保全計画の策定
と実施計画の策定をすすめ市民参加の保全大運動をひろげていくとともに、できるかぎりすぎ・ヒノキ林から広葉樹の
森の復活を助けて水の涵養、生物種の豊富化を図るべきではないでしょうか。

住環境の保全
 環境保全、開発と人口急増の抑制を基本とした第二次の箕面市総合計画のもと、環境保全条例を制定し人口密度
規制などを導入して、箕面の住環境の基礎を築き今日に至っています。
 しかし、国の規制緩和の流れの中で、人口密度規制の緩和がとられ、地価下落などともあいまって、各地で高層マン
ション建設等に伴う住民運動が取り組まれてきました。こうしたもとで、高さ制限の導入がとられるなどの施策がすすめ
られてきました。
 住環境の保全を考える上で、日常から一定住区や地域ごとに、住環境を保全するためにどのような街づくりをすすめ
るのか住民間のコンセンサスを高めるとりくみと、それを支援する行政の取り組みが一層もとめられているのではない
でしょうか。
 また、開発や建設にあたって、徹底した情報公開と住民合意を貫くよう求める行政の強い姿勢が求められています。
答弁をもとめます。

五、大型開発の見直しについて質問いたします。
 箕面での大型公共事業は、財政負担、自然環境の破壊、地価の下落、人口の減少、長引く不況のもとで本来凍結、
中止、あるいは大幅縮小など抜本的な見直しがなされるべきであるにもかかわらず、事業計画を変更しながらその大
枠は見直されることなく今日においても進められています。

2012年度完成をめざしていた箕面市と茨木市にまたがる国際文化公園都市は、土地区画整理事業費4188億円、
742.6haの里山を開発して16700戸50000人の街をつくる計画です。大阪府の関連土木事業がモノレールを除い
て概算1700億円、茨木市の関連公共事業が650億円、箕面市の関連公共事業が長期財政収支見通し一次試案で
270億円、二次試案で157億円です。この間、大阪府や茨木市、箕面市が出資した計10億円の内9億7000万円を
ふいにして国際文化公園都市株式会社が事実上破綻し、土地分譲事業から撤退しています。この4月に一部街びらき
されたものの、土地の価格は公団の当初の予定価格を下まわっています。
止々呂美での水と緑の健康都市は、313.7ヘクタールの里山に16500人、5000戸の街をつくる計画でした。土地
区画整理事業の総事業費約1326億円の内1246億円が宅地分譲でまかなわれ、合わせてまちづくり事業での土地
処分で514億円、合計1760億円の土地売却代金を見込んでいました。そしてオオタカ保全、地価・住宅需給動向を
理由とした府の計画縮小案が出されました。その後、箕面市と大阪府との協議の末、開発区域は変更せず人口規模
を9600人、2900戸とする事業計画変更が合意されました。事業計画変更後、当初計画とは一変して約583億円の
事業費用の内、400億円以上が税金でまかなわれ、保留地処分金はわずか168億円にしか過ぎません。当初見込
んでいた土地売却代金のわずか10分の1にも届きません。水と緑の健康都市での保留地の平均予定価格は、当初
の平米あたり145,000円から、府の縮小案での64,000円へ、そして今回24,500円へと大きく下方修正されて
います。なんと、一坪8万850円です。ここまでくれば、開発事業の必要性そのものが問われているといわなければな
りません。まさに必要性のない開発を税金投入で行うとするもの以外の何ものでもありません。
箕面市関連事業費は北部水道事業を除いて、長期財政収支見通し一次試案で282億円、二次試案で112億円で
す。

余野川ダム計画地は、里山の自然が最も良く残された「昆虫のオアシス」ともいえるところであり、日本ジカの餌場とも
いえるところです。一昨年12月12日の淀川水系流域委員会の「新たな河川整備をめざして、淀川水系流域委員会提
言(案)」は、ダム建設は自然環境に及ぼす影響が大きいため原則として抑制するものとしています。
 余野川ダムは、利水の役割をすでに失っています。
 治水上も、これまでの最大流量の2倍以上も高く見積もった猪名川の基本高水流量の見直しや、下流の堤防未整備
地域の解消や堤防の強化と合わせた、多田地域銀橋狭窄部の開削など総合的な取り組みを進めれば、里山の自然
環境を広範囲に破壊する余野川ダム建設は必要がないのではないでしょうか。
 
小野原西土地区画整理事業でも、事業費が、115億2000万円から107億3800万円に見直しされ、資金計画の変
更では、平米あたり150,000円とされた平均価格が123,700円になっています。
 また、里地・里山の自然環境と景観は、すべてつぶされ、今年のヒメボタルの発生数は激減しています。

箕面有料トンネルは、当初809億円の事業費のうち424億円は有料道路事業として通行料で借金返済をする、240
億円は府の国道事業で、そして145億円は水と緑の健康都市からという資金計画から、その145億円を有料道路事
業で76億円、国道事業で73億円に変更して工事が継続されています。
 箕面の山を南北に貫くトンネル掘削による水枯れが国定公園の内外で起きる事態が生まれています。名勝箕面の滝
の水にも影響を与えています。
そのうえさらに北側に箕面の山を東西に貫く第二名神自動車道計画がすすめられています。
市長も、「大規模開発から勇気ある撤退を!」「バブル期と見間違うような箕面市の開発計画。全国的に、もはや大規
模開発を止めるのがながれ」と、ビラで書かれておられます。この事を訴えられて市長になられたのですから、この立
場を貫かれるのは当然のことです。答弁を求めます。
今日の時点にたってそれぞれの事業の必要性、採算性、環境への影響という三つの角度から、住民参加と徹底した
情報公開のもとで、公共事業を評価する制度をつくり、箕面での大型公共事業を総点検して、箕面市としての提言や
働きかけを行い、事業の中止を含む大胆なメスが入れられるようはたらくべきです。答弁を求めます。


六、市民本位の総合計画、行財政運営の見直しについて質問いたします。
第4次総合計画に対する態度
何をどう見直すのか 
2010年までの箕面市の街づくり基本計画である第4次総合計画は、橋本市長の時期につくられ、前梶田市政のもと
で「着実に実行」されてきました。その中味は、4つの大規模プロジエクトを主要プロジエクトと位置づけ、ごみ収集の有
料化、マンション規制緩和につながる人口密度規制緩和、外部委託の導入、2015年には16万人の人口に達すると
の過大な人口増を見込むなど、市民サービスをけずり、市民負担をおしつけ、住環境破壊の根源になっています。市
長は、2000年6月市議会でこの総合計画に賛成の立場を表明されましたが、この立場は8月の市長選挙で公約され
た「ゴミ有料化を白紙に」「ムダ公共事業は即刻止める」などの公約と真っ向から矛盾するものです。市長の市政運営
が今後も、第4次総合計画の範囲であれば、公約は実現できません。今日もまだ第4次次総合計画に賛成のお立場な
のでしょうか。「新たな総合計画づくり」と広報でも触れられましたが、総合計画を見直し、市政のおおもとの路線転換を
図るべきだと考えますが、答弁を求めます。
見直しをすすめるならば、何をどう見直してゆくのかについてもお答えください。

府下の市と比べての箕面市の財政の問題点 市民本位の財政運営への転換を
大阪府総務部市町村課編集の自治大阪、データー集によると箕面市の一人当たりの地方税収入は大阪市を除く府内
4位、個人市民税でも府内トップクラスです。一方、扶助費は大阪市を除く府内の都市平均52340円の半分以下24445
円、歳出合計に対する割合では府内平均16.4%に対して箕面市はわずか6.4%です。一方、普通建設費は、箕面市は
一人当たり、66695円、府内平均の41418円の6割り増しです。また、歳出総額の民生費と教育費の合計の割合は府内
平均41.7%に比べ、箕面市は31.1%とひくくなっています。箕面市でのこの逆立ちした財政の使い方を改めれば箕面の
みどりと暮らし・福祉を守る市民本位の財政運営に切り替えることが十分可能です。市長も、選挙のビラで「全国7位の
高い市民税!その税金を使った乱開発により環境破壊と財政危機が!」と主張されていました。市民本位の財政運営
への転換についての認識と方向性をお答えください。

財政再生プログラム  アウトソーシング計画
市長は、「民間の厳しい経営手法を行政にも」と選挙公約ビラでのべられています。また、本議会に提案された市長・
特別職の退職金削減条例の提案にさいして、「行革の流れは民間にあわせるのが流れ」と答弁されました。民間委託
など際限なくすすめられ、自治体の公共性が希薄になれば、公務労働のあり方や意義がとわれます。コスト比較論、効
率至上主義ですべて評価されると、価格やコストでは評価できない公務労働の質が捨て去られてしまいます。公務労
働の意義についてどうお考えなのでしょうか。答弁を求めます。
また、前市政がつくってきた経営再生プログラムやアウトソーシング計画などへの態度と今後この計画をどうして行か
れるのかご答弁を求めます。

七、憲法、教育基本法が息づく市政について質問いたします。
市長の所信表明には、地方自治の根本を明記した憲法や、今、改定が論じられている教育基本法についてふれられ
ていませんので、質問をいたします。
憲法について2点伺います。
憲法9条は第2次世界大戦の惨害を経験した日本、そしてこの戦争の震源地の一つとなった日本が再びこういう惨害
を世界に引きおこさせない、そういうことを決意し、また戦争のない国際秩序を生み出そうという立場でつくったものでし
た。9条の制定という歴史のなかには先人のそういうおもいがこめられています。ところが今、こうした歴史に逆行する
動きが強まっていることはご承知のこととおもいます。しかし、世界の動きをみてみますと憲法9条をかえようとする動き
がどれほど世界の流れと乖離しているかがわかります。今地球には62億人の人口がいます。
イラク戦争では戦争に賛成した国の数は国連加盟国の191カ国のなかで49カ国でした。戦争反対あるいは不賛成の
国が142カ国です。この国々の人口を数えてみますと戦争賛成の国が12億、戦争反対、あるいは不賛成の国の総人
口が50億ですから反対・不賛成の国が世界の圧倒的多数を占めています。
このように、新しい国際秩序が展望される21世紀の世界のなかで、にほんが憲法9条をもった国としてその平和の力
を発揮するようあらゆる場での努力が必要だと考えますが、市長の9条への見解を問うものです。
第2は、憲法を地方政治にいかに徹底するかであります。憲法改定論者のなかには、「憲法は9条だけでなく、戦後50
年以上たって日本の憲法は人権条項などでも時代遅れになっている」という議論があります。世界の流れからみると人
権という場合いわゆる市民的・政治的権利に属する問題だけではなく、国民の生存権、生活権など経済生活上の権利
を重視することが大きな流れとなっています。
日本の憲法は国民の生存権と社会保障を受ける権利を明確にしています。家族関係も完全平等の立場で、男女平等
やこどもの権利も人間としての権利としてきちんとしるされています。こうした市民の権利を保障する地方自治も明記さ
れています。ところが、地方自治権を奪う動きや年金の改悪、生活保護制度の後退や医療福祉の後退など、安心して
くらせないような状況があいついでいます。
市長が憲法を徹底させ、市民のくらしを大切にされることを望むものですが、憲法を地方政治に徹底させるために見解
をうかがうものです。

次に教育基本法について問います。
私は教育基本法を改定する動きに反対し、教育基本法を守る立場から質問をいたします。
6月16日政府与党が教育基本法の「改正」の大筋の内容で合意し、来年1月の通常国会にこの案が提出される可能
性が強まっています。この内容は、教育基本法の民主的原則の根幹を壊す極めて有害なものとなっています。
一つは教育基本法第10条が「教育は不当な支配に服することなく」として行政権力による教育の不当な支配を禁止し
た条文を「教育行政は不当な支配に服することなく」とこどもや父母国民による教育行政批判を封ずる中身に180度
改変しようとしています。
二つめは政府が上から教育内容を教育現場におしつける根拠なる条文をもりこもうとしていることです。3つめに「教育
の目的」に「国を愛する」ことを明記していることです。愛国心は一人、一人の見識や社会の自主性にゆだねられること
であり、特定の内容をおしつけることによって内心の自由を侵害してはならないものです。これらに共通しているのは憲
法26条が保障する国民が主人公となった教育の権利を否定しそれを国家による「教育権」におきかえようという時代
逆行のものです。
箕面市教育基本方針には、教育基本法をふまえるものと明記されています。本教育委員会が教育基本法を守って教
育行政をすすめられることを願い、関係者の見解を問うものです。




「箕面市税条例の改正の件」、老年者控除の48万円の廃
止に反対 
4800人に影響し、市は約1億円の増収 
                           2004年6月21日
  日本共産党の名手宏樹でございます。
第60号議案「箕面市税条例の改正の件」に反対し以下その理由をのべます。
今回の「改正」は、国の地方税法の「改正」にともなうものですが、
その国の地方税法の「改正」の元になる政府・与党の税制改正大綱では、「地方分権の推進を支え
る税制」として提起されていますが、先の6月2日の専決処分の件への反対討論で、のべたとおり、
実態は、「三位一体改革」の看板による国から地方への財政支出の大幅削減のもとで、地方自治
体と住民の負担で、その穴埋めをおこなうため「改正」が中心になっています。
 そして、今回の地方税法の「改正」のうち税収への影響の最大規模のものが、本件「箕面市税条
例の改正の件」でおこなわれる老年者控除の廃止による市民への増税です。老年者控除は、65歳
以上で所得1000万円以下の方に適応され、控除額は48万円です。この控除をうけている高齢者は
全国で約400万人で、控除の廃止で、新規に課税対象となる高齢者は約60万人と見込まれていま
す。さらに、国税において公的年金等控除が削減された影響をうけ、所得税の課税最低限は、年金
収入で285万5千円から205万3千円に下がります。個人住民税においては、245万円となります。年
金収入で250万円なら、2.2万円の住民税になります。月20万円程度の年金収入の高齢者への新た
な課税は、いっそう生活不安を広げ、高齢者いじめとなるものです。この影響で、全国では道府県民
税、市町村民税あわせて1003億円の負担増になります。
 箕面市でも委員会審議で、65歳以上の人口1万8,312人の26%、4800人に影響することが
明らかになっています。年収200万以下の方には14,400円、700万円の方には38,400円、
1,000万円以下の方には、48,000円の増税になり、市は約1億円の増収になると答弁されま
した。この増収分が、高齢者の新たな暮らし、福祉に役立つ予算の財源にとして使われる保
障はどこにもありません。
 さらに国税における公的年金控除の削減の影響で道府県民税で149億円、市町村民税で266億
円の合計416円、先の老年者控除の廃止とあわせて、全国で1419臆円の負担増です。
 こうした、個人住民税と所得税の負担に加えて、所得に応じて負担する応能割のある国民健康保
険料や、市民税非課税と200万円の基準所得額などで、所得段階別保険料となっている介護保険
料の負担増となっていきます。
以上のように、今回の税制「改正」は、お年寄りに負担を強いるものであり、月20万円程度の年金収
入の高齢者への新たな課税は、いっそう生活不安を広げ、高齢者いじめとなるもので容認できませ
ん。
 日本共産党は、税金と税制のあり方、歳入の改革では、経済民主主義の原則をつらぬき所
得に応じた負担を求め、日本の大企業にはヨーロッパ並みの応分の負担をもとめます。この
間、引き下げられた法人税率や所得税・住民税の最高税率を見直し、土地や株式譲渡益など
資産課税の適正化を進めるなどの歳入の見直しで、国、地方あわせて約8兆円の財源を計画
的に確保することを提案しています。さらに、歳出の改革では、公共事業には、国と地方で未
だに行政投資実績で年間40兆円、一方、社会保障には25兆円の支出という、なお異常な「逆
立ち財政」を改め、ヨーロッパでは当たり前になっている社会保障につかう税金が、公共事業
よりはるかに多いという、国民の暮らし第一の予算の使い方にあらためることをもとめていま
す。こうした税金の集め方使い方に改革してこそ、「少子・高齢化社会」の困難な問題を克服
し、国の財政再建と地方へ財源移譲をすすめ、将来に希望が持てる日本の社会への展望が
築けるのではないでしょうか。
以上意見をのべ、
第60号議案、国の税制改革にともなう「箕面市税条例の一部改正」に反対するものです。



議員提出議案第1号「如意谷高層マンションの階数削減を
求める決議」に賛成討論
                                   2004年3月25日
 日本共産党の名手宏樹です。
 議員提出議案第1号「如意谷高層マンションの階数削減を求める決議」に賛成し、以下その理由を
のべます。本決議は如意谷山麓部に現在建設中の地上20階建て、高さ60メートルもの超高層マン
ションに対して北摂山系の山なみ景観に配慮した建築物にするために、その計画を見直し変更され
るよう市議会の総意として事業者に要望するものです。
すでに、3月5日の本会議において如意谷自治会から要請あった「箕面市如意谷計画の計画変更に
よる箕面の山なみ景観を守る請願」が賛成多数で可決され、山なみ景観を守るために、マンション建
設事業者に対して、30メートル以上は建てないという大幅な計画変更を強く指導することを理事者
に要請してきました。
 今回の決議はさらに、市民の代表としての市議会が、事業者に要望するものです。

すでに、私は先の如意谷住宅自治会要請の請願への賛成討論で、
1、箕面市が、この間に人口密度や公開空地による規制緩和をおこなってきたために、204戸、20階
という巨大な戸数のマンション建設を可能にしてゆく条件をつくっていったこと。
2、規制緩和の建設計画では、「建設予定の建物の3倍地域の住民の理解を得なければならない」
(条例規則)のに、箕面市は条例解釈まで緩和し、建設許可をおろし、事実上開発・建設を容認して
きたこと。
3、通産省工業技術院、地質研究所の地質調査資料で箕面断層の直上の計画地であり、防災対策
上、安全上、問題のある建物であること。
4、箕面市もすすめる山なみ山麓保全、山なみ景観をだいなしにする超高層計画であること。
5、昨年11月殻実施の箕面市の高度地区の見直しを制定で「超不適格建築物」となり、20階建て
のこのマンションが、何10年先かに立て替えるときには7階から10階程度しか建てられなくなり、たて
かえができるかどうか?マンションの価値もなくなること。せめて業者は、入居されようとする人にこう
した説明責任もあるはずであること。
6、これから入居される市民・「消費者」を保護するという点でも、問題のあるこうした「不適格建築
物」は箕面市としてもゆるすべきでないこと。

など私の考えを明らかにしてきました。
 先行するマンション建設問題のひとつでもある
 国立マンション訴訟では2002年12月「20メートルを超える部分(7階以上)を撤去せよ」という東京
地裁の判決を住民側が勝ち取り、全国をあっといわせました。
 住民の代表として2003年4月、国立市の市長に再び選ばれた上原市長は、国・国土交通大臣・扇
千影氏への意見書で
「・・地方分権にふさわしく自治体が・・個性あるまちづくりを主体的にすすめるためには建築基準法
に、自治体固有の基準をつくることの裁量権をもたせ、自治体の手続きを経ることなしに建築確認が
できないように改めることが必要と考えます。・・東京地裁の判断が生かされ、自治体が希望をもっ
て良好なまちづくりに力が発揮できますよう建築基準法の速やかな改正を要望します。」(2003年1
月17日)と市としてきっぱり述べられています。地方自治体が住民とともに地方自治を全国に発信
する力強い姿であると思います。

 また、昨年の12月、朝日新聞に国土交通省が「景観基本法」の制定を準備しているという記事が
掲載され、現在開かれている通常国会で法案が審議されています。
 2月9日発表された法案では、地方自治体の裁量権を大幅にひろげて、マンションを建設するデベ
ロッパーに環境条件と調和が取れていない場合は、変更を命ずることができるというものです。「景
観は国民共通の財産」と位置づけるなど、都市景観に大きく踏み込んだ内容で、ヨーロッパと同じよ
うな街並みをつくることが制定の目的とされていますが、その背景には、日本各地で頻発しているマ
ンションデベロッパーと住民との紛争への配慮が働いていることは間違いありません。

 一方「地方議会も一つの行政機関だから法にもとづき行動するのが原則」など、国、行政の行うこ
とに意見や異論をいえないのなら「議会は要らない」といわれかねません。本来、議会は住民・市民
の代表であり、住民・市民の権利を守るために存在すべきです。
戦前の帝国憲法の時代は地方自治や地方政治の規定がなく、府県や市町村は、政府のいわば意
思伝達機関でした。日本国憲法は初めて地方自治について定められました。憲法の92条は「地方
公共団体の組織及び運営」が「地方自治の本旨」に基づくことを定めています。地方自治の本旨と
は▽地方政治は住民みずから決めるという「住民自治」▽住民は国などの圧迫をうけない独立した
機関をもつという「団体自治」―を核心とする政治原理です。「箕面の山並みは守りたい」と大多数
の市民とその代表である議員も願っているのに、「法治主義」の名の下に住民の多数の願いを受け
止め議会が意見すら言えないなら、戦前の帝国憲法の時代と議会への逆戻りです。憲法の地方自
治の立場に立って市民の代表としての議会としての総意を述べきです。
 請願を議決させ、市・理事者に指導を求めるだけでなく、多数の市民の願いを受け止め市民の代
表としての市議会としても事業者に対してマンション建設の変更を要望することはなんら抑制される
ものではないと考えます。

先の請願に先立って地元如意谷住宅のみなさんを中心に市民運動がひろがり3万5千人もの「如意
谷マンション建設の中止、山なみ景観を守れ」の署名が箕面市に提出されています。市民の4人に1
人が署名した市民の声をうけて市民の代表として市議会がこの決議を議決することは時期をえたも
のと考えをのべ賛成討論といたします。



神田隆生議員が小野原区画整理事業推進のために予定地の財産区名義を
抹消した市の措置は違法だとして、梶田市長に名義を戻すよう求めた訴訟の
市敗訴判決に対して控訴する報告第6号専決処分の承認を求める件に反対
討論
                       2004年3月5日本会議

  日本共産党の神田隆生です。私は、報告第6号専決処分の承認を求める件に反対し反対討論を
行います。

 この専決処分は、小野原西地区画整理事業の見直しを求めておられる住民のみなさんが、事業
推進のために予定地の財産区名義を抹消した市の措置は違法だとして、梶田市長に名義を戻すよ
う求めた訴訟の市敗訴判決に対して控訴するためものです。

 大阪地方裁判所は、今年2004年1月20日、小野原西土地区画整理事業地内の箕面市大字小
野原財産区名義であった土地(墓地2筆を含む10筆、計6238.83u)を、共有入会地だったとし
て小野原住民2名の共有名義に改めたことを違法とする住民訴訟に対する判決を言渡しました。
「認定事実を総合すると、小野原財産区が存在し、本件各土地は小野原財産区の財産であるという
べきである」「小野原財産区が本件土地を所有するとの認定を覆すことはできない。他に、上記認定
を覆すに足りる証拠はなく、上記被告及び補助参考人らの主張を採用することはできない」との判断
を示しています。そして判決主文にあるように、箕面市が、この2名に対し、「所有権保存登記の抹
消登記手続請求等の措置をとらないことが違法であること」、また「各土地の占有を回復するための
措置をとらないことが違法であること」が確認されました。すでに2002年7月16日に箕面市監査委
員会から「6ヶ月以内に元の『箕面市大字小野原財産区』の所有名義を回復する措置をとるよう」勧
告がなされています。
 これらのことは、箕面市の対応が違法であったことを重ねて断じたものであり、控訴を断念し判決
を受け入れ必要な措置をとるべきであります。
 
 「私たちが、事業の見直しを主張し、財産区住民の意見として自然の緑地をもっと残してほしいと
要望していたところ、突然錯誤を原因とする財産区名義の抹消登記が梶田市長により行われまし
た。住民監査請求を行い監査委員から財産区名義の現状回復の勧告が出されたにもかかわらず、
市長は、旧村の共有入会地であると主張したため、住民訴訟の被告となっています。
 この裁判は平成16年1月に判決が言い渡されるのですが、事業認可を受けた時点で財産区住民
であった私たちも意見を述べる立場にあるはずです。特に私たちの生活する場に隣接する地域の開
発ですので、これから先も影響をうけるでしょうし、よりよい街にしたいと思う気持ちの強い地域住民
の意見を取り入れていただきたいものと思います」と、経過とご自身の思いや質問・意見を述べられ
た「箕面都市計画事業小野原西特定土地区画整理事業の事業計画変更に対する意見書」が、2月
17日の大阪府都市計画審議会の議案として出され、わが党の和田府会議員は、採択すべきであ
ると主張したところであります。

 今回事業計画の変更では、土地を売って事業費にあてる保留地処分金が、平米当たり15万円、
計54億3180万円から、平米当たり127000円、計44億7710万円へ10億円近く減っている一
方で、補助金が24億円から38億3800万年へと増えています。その内、国の補助が12億円から
19億290万円に、市の補助が19億3510万円に増えています。事実上、下落する地価を税金で
穴埋めするものとなっています。
 重ねて控訴を断念し判決を受け入れ必要な措置をとることを求めて反対討論といたします。




「如意谷20階マンション建設の
     計画変更を求める請願」が可決
  「箕面市如意谷計画の計画変更による
 箕面の山なみ景観を守る請願」への名手宏樹の賛成討論
                                          2004年3月5日
 日本共産党の名手宏樹でございます。
 請願第1号「箕面市如意谷計画の計画変更による箕面の山なみ景観を守る請願」に賛成し以下その理由をのべ、討
論します。
  本請願は、箕面市の財産、山なみ景観を守るために、マンション建設事業者に対して、30メートル以上は建てない
という大幅な計画変更を強く指導することを理事者にもとめるものです。建設工事がすすめられる直近の箕面如意谷
住宅自治会から要請がなされたものです。  この請願の提出に先立ち、昨年12月15日如意谷マンション建設の中止
を求める地元自治会関係者や市民、約20人が、箕面市役所を訪れ、「山なみ景観を守れ」の署名約3万5千人分(1
次、2次分あわせて)を提出されました。この署名活動には、自治会役員を中心に毎週、駅頭やスーパー前に立たれ、
市内の市民団体に協力を依頼してあつめられたもので、中には1人で8000人もの署名を一人でコツコツと集められた
署名が結実したものです。

  提出にあたって、参加者から「山なみを守ってほしいとの願いを受け止めていただき、行政には超法規的に対応し
ていただきたい」「箕面のブランドの景観を守るため60メートルの半分に」「11月20日から7階に高さ規制できたの
に、20階をそのまま建設とは市は何をしているのかと声が広がっている」「市長に受け取ってほしかった。市長が規制
の判断下したら、市民は市長に拍手だ」 「6キロつづく北攝の山なみが切れる。こんなことを許せば箕面の恥です」4
歳の子どもを持つ母親から子どもが「なんで建つの、山が木切られて、ないている」と言っている。「子どもに説明つか
ない」「箕面市は市民の立場に立つのか、業者の立場に立つのか」など強い要望が次々だされました。
             
 如意谷住宅住民は、現在30メートル(約10階)を超えるマンションの建設禁止を裁判所に申し立て、現在、業者との
間で工事禁止仮処分を裁判所に申し立て、退けられましたが、さらに本訴をおこなうことを自治会臨時総会で決められ
ました。

 私ども日本共産党箕面市会議員団は、地域住民の理解のないマンション建設計画は反対であると市議会で再三再
四とりあげて、計画の中止・見直しを開発業者に迫るよう、行政指導をおこなうよう求めてきました。

 特に、如意谷の高層マンション建設問題では、建設計画の看板がたてられた2002年2月から、建設概要を明らかに
させ、ニュースで地域の住民のみなさんにお伝えし、直接、地域の方々の声をお聞きし、建設反対・対策の運動をされ
る住民のみなさんといっしょに力をあわせてきました。2002年4月と5月にだされた建設反対署名は約1600人におよ
び、建設計画地の周辺住民の95%以上の方々の建設反対の意思が明確に示されてきました。


 その後、市議会でも、私は、3月と6月市議会本会議の一般質問で
@公開空地の導入による「市まちづくり推進条例」の規制緩和の建物で、条例どおりでは158  戸の基準を204戸に
緩和した計画であること。また、平成9年度以前で緩和を受けない場  合は136戸、当時の緩和を受けた場合は170戸
になることもあきらかになりました。つまり、  箕面市が、この間に人口密度や公開空地による規制緩和をおこなって
きたから、204戸、   20階という巨大な戸数のマンション建設を可能にしてゆく条件をつくっていったことになりま  
す。

  国の規制緩和のながれ、箕面市のこの間の開発優先、マンション規制緩和路線と無関係   ではありません。
  梶田市長のすすめる箕面市のまちづくりの基本計画「第4次総合計画」にはこう書いてあり  ます。

(2)良好な住環境の整備と保全
良好な住環境が担保される場合には、人口密度規制の緩和を考慮するとともに、地域特性
を生かした高度な土地利用を図るための手法を検討します。
                   「箕面市第4次総合計画」 P67

 文書中の「人口密度規制の緩和」が最大限利用され、如意谷でいえば204戸の20階超高層マンション建設計画を
結果的に誘導したといえるのではないでしょうか?
 箕面市まちづくり推進条例を厳密に適応すれば、周辺住民の理解がない場合は、158戸しか建てられないはずだっ
たのです。これを崩していったのも国の行政手続法など規制緩和路線が背景にあります。

A規制緩和の建設計画では、「建設予定の建物の3倍地域の住民の理解を得なければならな い」(条例規則)のに、
1600人をこえる反対署名、周辺自治会から建設反対の陳情書が市に だされ、地元で反対の看板がだされ、「住民理
解は得られていない」のに、箕面市が2002年 10月、「行政手続き上、限界」として条例にもともとづく建設許可をおろ
し、事実上開発・建設 を容認してきました。断じて許せません。箕面市は条例解釈まで緩和してきました。
   私たち日本共産党は2003年2月市議会でも「地域住民の理解のないままの規制緩和  の204戸の計画は白
紙にもどせ」「工事協定のないままの工事強は許されない」と繰り返し  追求してきました。

 また
B私たち日本共産党は、平成7年発行の通産省工業技術院、地質研究所の地質調査資料で 箕面断層の直上の計
画地であり、防災対策上、安全上、問題のある建物であることも議会  で明らかにしてきました。

そして、なにより
C箕面市のシンボルであり、箕面市もすすめる山なみ山麓保全、山なみ景観をだいなしにす  る超高層計画であるこ
と。
  などなど、市議会でも明らかにして市議団としても建設見直せと求めてきました。

 この間の地元からは、如意谷住宅だけでなく、箕面ライオンズマンション、椿ハイツの各自治会より市への建設計画
の見直しの陳情や数々の質問、3つの自治会での建設反対の看板の設置、住民集会、対策会議など地域自治会や
管理組合のみなさんが市に対して何度何度も建設中止や見直しの要望もされてきました。さらに、住民団体で市内自
治会へ申し入れをされ、全市民へビラも配布されてきました。
 
こうして、如意谷山ろくの20階建ての超高層マンション建設計画に、地元住民はもちろん、建設工事が進むにつれ、建
物があらわになるなか多くの市民の方々からも「なぜ、あんなところに20階の超高層マンションなのか」「箕面のやまな
み景観がだいなしになる」「箕面市はなにをしてきたのか」ときびしい声がひろがっています。これが、最初にのべた3
万5千人もの署名にあらわれています。
 
 そして、この間のマンション建設反対の市内各地の住民運動により、箕面市は、高度地区の見直しを制定させまし
た。法的な拘束規制力のある高さ制限ができることは、この間の市民による高層マンション建設反対運動の反映で
す。

今回の如意谷超高層マンション20階建て(約70メートル)の地域はこの高度地区計画では22メートル制限(約7階)
になります。11月にこの計画が設定され、20階建て超高層マンションが建てられれば、完全な「不適格建築物」になり
ます。しかし、すでに建設許可がでて、建設工事がはじまっているから違反建築物にはならないというものでが、高さ制
限前の最後の「超不適格建築物」となるのです。

 その結果この20階建てマンションが、何10年先かに立て替えるときには7階から10階程度しか建てられないということ
になるでしょう。そうなれば、たてかえができるかどうか?マンションの価値もなくなります。業者は建てて売れば、終わ
りですか?せめて業者は、入居されようとする人にこうした説明責任もあるはずです。これから入居される市民・「消費
者」を保護するという点でも、問題のあるこうした「不適格建築物」は箕面市としてもゆるすべきではありません。

「箕面のやまなみ景観を守りたい、マンション建設ゆるすな」の市民の声を、受け止め箕面市は規制緩和と建設ゆるす
姿勢を変えるべきです。新たに設定された、高度地区計画どおりの高さ制限をさせるべきです。

最後に「法に違反していないのなら建設は認められる」主張があります。しかし、この主張は、土地を取得し、開発をす
すめ、その事業で莫大な利益をあげようとしている事業者の立場に立つものです。すみよい住環境と市民の財産・山な
み景観を守る箕面市の責任を免罪し、その責任を、住民、市民に押し付けるものでしかありません。そもそも土地は個
人の財産たけであるだけでなく、それで事業を行おうとするものには社会的な責任がともなって当然です。国や行政は
その責任を果たさせるために指導する責任があるのではないでしょうか?

 日本共産党は、引き続き、住民のみなさんといっしょに、箕面の山なみをこわす超高層マンション建設に反対し、それ
を許してきた箕面市政の規制緩和路線を切りかえ、「なんでも規制緩和すればよい」という国の政治のあり方そのもの
をかえる、社会的責任と住民のためのルールづくりのために請願者のみなさんと力をあわせるということを申し上げ、
賛成討論といたします。
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