用語 |
よみ
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解説
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あ行 |
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暗喩 |
あんゆ |
言葉の上では,たとえの形式をとらない比喩 |
一句一章 |
いっくいっしょう |
一句の中に断切のない俳句をいう |
一物仕立 |
いちもつしたて |
単一概念(ひとつの素材、ことば)によって断絶(句切れ)なく作ること |
運座 |
うんざ |
出席者が俳句を作り、秀句を互選する会合。一定の題により作ることもある |
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か行 |
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花鳥諷詠 |
かちょうふうえい |
高浜虚子が主唱した俳句作法上の理念。自然とそれにまつわる人事(花鳥)をただ無心に客観的にうたうのが俳句の本道であると説いた。
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軽み(かるみ) |
かるみ |
蕉風俳諧で重んじた作風の一。移り行く現実に応じた、とどこおらない軽やかさを把握しようとする理念。去来抄「そこもと随分―をとり失ふべからず」
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季重り |
きがさなり |
一句のうちに季語が二つ以上含まれること。 |
擬人法 |
ぎじんほう |
修辞法の一。人でないものを人に見立てて表現する技法。活喩法。「海は招く」の類。
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季題 |
きだい |
俳句を作る詠題としての季語。自然とその自然と一体になって暮らしている生活の上に現れる事々、物々のうち詩趣に適うもの。 |
季題が動く |
きだいがうごく |
句の中に季題を他の季題に置き換えても同程度の作品として成立するような句。又同じ季節の同様の季題なら、どんな季題にも適合するような句。 |
客観写生 |
きゃくかんしゃせい |
虚子の用いた俳句の作句における方法論。俳句は主観描写を廃し客観の裏側に余韻として述べ、客観と主観の渾然とする境地まで達するという思想 |
季寄せ |
きよせ |
俳句の季題、季語を集めた書。歳時記と同じ意味だが古くは「季寄」の語が多く使われた。現在では季題、季語の詳しい解説や例句を添えたものを「歳時記」、季題・季語の集成を主としたものを「季寄せ」という。 |
切字 |
きれじ |
発句(ホ句)が独立性をもつために句末や句中に用いた働きのある助詞、助動詞のこと。 切字18字→ 「かな、けり、もがな、らん、し、ぞ、か、よ、せ、や、れ、つ、ぬ、ず、に、じ、へ、け」の18字を指す。 |
吟行 |
ぎんこう |
作句・作歌などのため、同好者が野外や名所旧跡に出かけて行くこと。
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句会 |
くかい |
集まって俳句を作ったり俳句を持ち寄ったり、お互いに批評したりする俳句会のこと。 |
句またがり |
くまたがり |
読みが五七五音でなく、他の文節にまたがっている、七五五のような句 |
兼題 |
けんだい |
(兼日題の略) 歌会・句会などを催すとき、あらかじめ出しておく題。また、その題で詠んでおく歌・句など |
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さ行 |
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歳時記 |
さいじき |
季題、季語を月別、四季別に分類して解説、例句を加えたもの |
雑詠 |
ざつえい |
詩歌や俳句で、特に題を決めずによむこと。また、その作品。
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さび |
さび |
蕉風俳諧の根本理念の一。閑寂味の洗練されて純芸術化されたもの。句に備わる閑寂な情調。
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三多の説 |
さんたのせつ |
元来、中国の文章家の文章道の教え。富安風生は多く作って多く捨てるという教えが俳句にもピッタリと提唱、また他人の作品を多く読むべきだと説いている。 |
しおり |
しおり |
(しほり」とも書いた) 蕉風俳諧の根本理念の一。人間や自然を哀憐をもって眺める心から流露したものがおのずから句の姿に現れたもの。
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字足らず |
じたらず |
五七五、十七音の定まった形よりも字数の少ない俳句 |
写生 |
しゃせい |
子規が月並み俳句打破のため洋画の描法から得た句作法 |
自由律 |
じゆうりつ |
定型に対して内容となっている感情の律動のリズムを表現する。したがって長短自在の形態となる |
嘱目 |
しょくもく |
実際に見た景色、目に触れたものを題材としてつくること |
席題 |
せきだい |
句会の席で出される題のこと |
即吟 |
そくぎん |
句会の席で出された題を即席で詠むこと |
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た行 |
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題詠 |
だいえい |
嘗て見聞した経験、記憶を想起して作ること |
単一化 |
たんいつか |
表現すべき事物の中からその中心になるものを把握し、さらにその印象を鮮明に定着するための操作 |
直喩(直喩法) |
ちょくゆ |
修辞法の一。「たとえば」「あたかも」「さながら」「如し」「似たり」などの語を用いて、たとえるものと、たとえられるものとを直接比較して示すもの。「堅きこと鉄の如し」の類。
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定型 |
ていけい |
短歌、俳句などの一定の形式。五音と七音を基本とする音律数により決定される。自由な現代詩に対して俳句などは定型が特色。五七五文字、計十七文字が俳句の定型 |
投句 |
とうく |
所定の用紙に一定の俳句を書いて俳句会、メディアに提出すること |
取合せ |
とりあわせ |
多くは二つ、ときにはそれ以上の概念を一句中に対置して作ること |
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な行 |
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二句一章 |
にくいっしょう |
一句の中に切れがあって、二つの内容が衝撃をしながら対応しているような句。一般に直接関係ない事柄を配することが多い。 |
二段切れ |
にだんぎれ |
一句中に終止格の切字を二つ有する二断句によって一章をなす句 |
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は行 |
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俳諧 |
はいかい |
俳句(発句)・連句の総称。広義には俳文・俳論を含めた俳文学全般を指す。
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破調 |
はちょう |
俳句は五・七・五による三分節十七音を定型とするが、各文節の音数が多かったり少なかったりすること |
披講 |
ひこう |
俳句会の席上で選句された俳句を読み上げたり発表すること |
発句 |
ほっく |
連歌・俳諧で、第一句の称。五・七・五の一七音から成る。また、それが独立して一つの詩として作られたもの。 |
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ま行 |
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間 |
ま |
一句のなかのある箇所で息をつぎ、間合いをとること。俳句は一句の中で一箇所、断切する場合が多い。 |
前書き |
まえがき |
俳句の前に付して、其の俳句に付け加えることば。俳句のつくられた場所や月日を記す場合が多い |
無季 |
むき |
一句の中に季題、季語のないこと および その俳句をいう |
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や行 |
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余韻 |
よいん |
言外に情趣を漂わせること。表現を抑えて、心を内にこめ、あらわに現さないというのは、余韻、余情につながる |
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ら行 |
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連衆 |
れんじゅう |
連歌・俳諧の会に作者として列席する人々。
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わ行 |
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わび |
わび |
閑寂な風趣。茶道・俳諧などでいう。精神的余情美を追求しょうとする芭蕉のすべてをつらぬいた根本的理念の一つ。貧しさ、簡素さに徹した美をいう |