![]() ![]()
「読み上げ」 をクリックするとこのボタンを押すと、おしゃべりキャラクターが現れ、マウスで文章をドラッグして範囲選
択すると読み上げてくれます。 「読み上げ」タブを再クリックすると キャラクターは消えます。
(提供:QPON)
ただいた。それらのことが現在も作句上、非常に役立っていると思われますので、ここに テキストの一部分を引用させていただき箇条書きにしました。
各項目より目次へ戻るときはブラウザの「戻る」タブをご利用ください・
どうでもいいから とにかく一七字に並べ五、七、五 のリズムに慣れる
三多の説とは、元来、中国の文章家の文章道の教えなのですが、富安 風生 は多
く作って、多く捨てる という教えが俳句にもピッタリ適うと提唱,またその外に他人の作 品を多く読むべきだと説いています. ◆多く作る 数多く作り試みる。五、七、五に慣れる。 ◆多く読む 歳時記、結社誌の雑詠、選集、主宰詠、鑑賞、選評など。 ◆多く捨てる 指導者、先輩に批評を仰ぐ。折角作った句を捨てるのは、難しいことですが、俳句の 表現は、ついひとりよがりになりやすく、知らず知らずのうちに独走していたことを 反省 することが多いものです。 ◆俳句には選者が必要 選者は作家としての個性をもってをり、その個性を中心とした作品、肌合い、傾向をも つことになります。そこに 流派が生まれます。 流派の所属は選択よりも機縁によること が多いのですが、この流派と心が決まった以上は、一途にその流派で貫くことが肝要で、 むやみに右顧左眄しないことです。 ◆俳句を学ぶ 自分の句を人に見せるのを恥ずかしがってはいけません。 作ろうと思い立った瞬間に一句でも、半句でも書きとめておく習慣 を 浸けておくべきです。 言語、文法、切字、仮名遣い等は知るに越したことはないが後で、だ んだん習得 しても良い。 俳句を ホ句 というのは? 俳句という名が一般に用いられるようになったのは、子規以後 発句(ほく)・・・長連歌 の第一句が独立したもの。 ◆虚子の提唱した「花鳥諷詠」とは ? 単に風景を詠ずるというのではなく、その主眼とするところは、春、 夏、秋、冬 の移り変わりによって起こる来る自然界、人事界の現象を 諷詠する。 ◆季題の重複(季重なり)について 虚子は「季重なり」は俳句においてはそれほど重要な問題でないと 言っていま す。即ち同季の季題が二つ以上含まれていて、主なる季 題を補足強調するとき、 お よび主なる季節の季題を、他の季節の季 題が補足強調するときです。 例) 方丈の大庇より春の蝶 素十 春の月ありしところに梅雨の月 ◆季題が動く という ことは? 句の中の季題を他の季題に置き換えてても、同じ程度の作品とし て成立する ような 句である。同じ季節の同様の季題ならどんな季 題にも適合するような句。 ◆俳句に用いる言葉 平明にして余韻のある句は 素直に判る句であり読んだ後、心に 豊なひろが りをもたらす。 判りやすい言葉、 緊りのある言葉、なるべく短い言葉、 調べが 高くて上 品な言葉を使用することが望ましい。 ◆俳句は原則として文語体で叙する。 旧仮名遣いを使用する。 ◆切字(切れ・字) 連歌、俳諧の発句で、句末に用いて一句を独立させたり、句中に用 いて曲折をあ たえたり詠嘆をもつ語。 ☆切字18字 とは ? 「かな 、けり、 もがな、らん、し、ぞ、か、よ、せ、や、れ、つ、 ぬ、 ず、に、じ、へ、け」 の18字をさす。 このうち「せ、れ、へ、け」は動詞の命令形語尾、「し」は形容詞 の終止 形語尾、「に」は副詞「いかに」であり、他は助動詞と終助 詞である。 <切字の作例など> 「や」 (取合せ、転換、疑問、反語、命令、希望、驚嘆、呼びかけ) (提示) 荒海や佐渡によこたふ天の川 芭蕉 (転換) 足袋つぐやノラともならず教師妻 杉田 久女 (疑問) 山国の蝶を荒しと思はずや 高浜 虚子 (反語) 啄木忌いくたび職を替へてもや 安住 敦 (並列) 鶏頭を犬や赤子のごとく見る 石田 波郷 (命令) 砧打て我にきかせよや坊が妻 芭蕉 「かな」 (感動を詠嘆) 寒鯉はしづかなるかな鰭を垂れ 水原秋桜子 よろこべばしきりに落つる木の実かな 富安 風生 「けり」 「き」(過去的な意味と詠嘆的、終止・・・) 冬蜂の死にどころなく歩きけり 村上 鬼城 萩枯れて音といふものなかりけり 富安 風生 月さして一間の家でありにけり 村上 鬼城 油蝉朴にうつりて鳴かざりき 前田 普羅 切字のない句 辛崎の松は花より朧にて 芭蕉 =「や・かな」 又 「や・けり」の使用は 二段切れといい 禁= ◎題詠 嘗て見聞した経験、記憶を想起して作ること。 雑詠 自由に題材を選んで作る。 嘱目 実際に見た景色、目に触れたものを題材として作る 吟行 戸外に出て風景により得た心の昂ぶりを句に作る。 ◎写生 子規が月並み俳句打破のため洋画の描法から得た句作法。 写生の要件 自分の心を空しうして、自然を写しとる。自然の変化に心が動くよ うにする。 (描写の習練) 例えば 木の葉のおちる状況のなど 桐一葉日当りながら落ちにけり 虚子 (句材の発見) 時間をかけてよく見る。深く観察する。 朝顔の双葉のどこか濡れゐたる 素十 ◆写生の方法 ◇目に映じた瞬間の感じを表現する。 ◇目に映じたものを一旦こころに受け止め、夾雑物を除いて表現す る。 ◇いろいろの過去の印象を心の中で整理配合して表現する。 ◆写生の三段階 ありのままに写生する。 ◇写生に主観の裏打ちがある。 ◇自由自在、融通無碍に詠う。 ◆如何に詠うべきか? 句材を選ぶこと。(材料8分、表現2分) 題材の良否は句の 良否を確定 する大きな要素となる。 ◆テーマは一つ 句の中心は一つである、詠う対象を明確にする。しかも簡単 明瞭 の要点を強 調する。 ◆対象の単純化 対象を整理しギリギリのところまで不用の部分を削り取る。削り 取 れば当然必 要な ところが浮き出てくる。 ◆的確な言葉 他の言葉と置き換えのできない言葉を選ぶ。思うような措辞が見つ からぬた め、 手なれた言葉のみで、小さくまとめない。句のひろが りをもたせるよう明確に詠 う 。 ◆省略 饒舌にならないこと、表現上の簡素化、意味合いの重なった表現を整 理する。 ◆言い尽くさない ◆余ったところは空白として残す 言葉として述べず余情、余韻として残す ◆季題に付きすぎない 取り合わせの俳句は季題の選択が大切である。 ◆説明や理屈、因果関係にならぬよう 事実の説明や、感動の裏打ちのない句は感動を伝達しない。句を読む人に想 像の余地をたっぷり残すよう表現する。 <要約> よい俳句を作るには ◆よく見る →対象をよく観察し、題材を選ぶ。 ◆よく捉える →対象をよく把握する。焦点をどこに置くか考える。 ◆表現を考える→複雑な様相を単一化する。句の中心は一つ 言葉⇔正しく、分かりやすく、切れ味よく、感じよく整理する。 漢字に強くなる。意味合いの重なる言葉、表現理 屈。動詞を少なくする。語順を置き換える。 形容詞 の乱用は 禁。 ☆ 類句、類想と模倣、 ”学ぶは真似ぶ” 俳句を初めて作ろうとするときは、今まで読んだ感銘のあった句を ともすればその調子、材料を襲用するものである。人は一度はこの模倣時代を経過す る。 例えば 菜の花や月は東に日は西に 蕪村 この句を真似して 五形花や岡は左に川は右に などと無理にコジツケ得々となるのではなく、自分の働きで親しく実物の写生を試み 古人の句の光景以外の菜の花の景色を詠うことである。 菜の花に蝶々多き曇りかな 菜の花に大根の花交じりけり 円窓や菜の花曇り黄昏るる のように、様々の実景を詠い、自分の好みにて景色を選び、自分の技倆にて文字を 排列し得るようにすべきである。(虚子 「俳句入門」より抄出) ☆ 同じ景色を詠ったから、同じ句が出来たということは当然で ない。 模倣ではないが対象についての発想の仕方、表現の仕方が同一 であったと いうこと は、俳句作家として相手の人と画一的な枠内に あったということであり、大 いに反省し愧じなければならない。如何 に把握し如何に表現するかは、作家の命で ある。 (先人の真似をして、型を憶え、見方を憶え、俳句にふさわしい言 葉や、言い 廻し方 を憶えることは、俳句上達には欠かせぬことで あるが、自分自身の心の在 り方、物の 見方、感受性というようなも のは、失わぬようしなければならぬ。) ☆ 人真似で終わるのでなく、自己を打立て、個性を発揮する よう心掛 けねばならない。 さきに同じような句、同じような発想の句のあることを知れば、潔く 自分の句は 捨てる。(俳句は17字の短型詩である以上、同じような 句、発想が生まれ出ることは 珍しくない) ☆ 作り込みすぎぬこと (『俳句初学作法』 後藤比奈夫) @感情に流れすぎて、写生がおろそかになる。 A理に走り過ぎて、俳句としての余情を欠いてしまう。 B臂喩や擬人法の使用が乱雑、当を得ておらず、卑近になり過ぎる。 C言葉や表現の技巧に凝り過ぎて、読む人に嫌悪感を呼ぶ。 D素材に作者の独りで興じ過ぎて、読む人に感銘が湧かない。 ☆ 句会について 句会は俳句を作る者の唯一無二の修行道場である 1.投句(兼題の句、席題の句、嘱目の句など) 投句短冊に句のみ楷書でしっかり書く。(誤記を防ぐ、清記者へ の礼儀) 2.清記 投句短冊をよく混ぜ合わせ、定められた句数ずつ用紙に 清記す る。 一行一句 明瞭に誤字のないよう記載 清記番号が付されて配布 3.互選 参加者がお互いに選をしあうこと。 清記番号順に右手の 人に廻 す。 自分の能力の範囲で、佳句と思う句、好きな句を選ぶ(自作句は 選ばない) 選句用紙に自分の姓号、指定された句数の選句を記載、提出す る。 ノートなどに予選句を記入するときは、常に清記の廻る速さに注 意して、 手元に溜めないようにする。 4.披講 選句を順次読み上げ発表すること。 披講者・・・ 参加者・・・指導者の順で何某選・・・俳句を読み上 げる。 読み上げられた俳句の作者は大声で雅号を名乗る。 5.選評 指導者が披講の後で当日の作品の批評をする。 イ)選評は句会での勉強の総仕上げである。 しっかり聞くことが 大切で ある。 ロ)指導者の選と自分の選とを比較し検討することも大事である。 ☆ 俳句は手をとって教えてもらうことの少ない独学的文芸である 指導者が薀蓄を傾けて評される俳句作法や観賞などについて 益する ところが大である。 作句と選句とは両輪であり、常に佳句を観賞することによって、 俳句の 理解力を深め、作句力の向上と共に選句力を高めなけ ればならない。 ☆選は創作なり (汀女句集書簡・・・・・虚子) 今日の汀女というものを作り上げたのは、あなたの作句の力と私の 選の力と が相待って出来たものと思います。あなたには限りまん。 今日の其人を作り上げた のは、其人の力と選の力とが相倚ってゐ るのであります。 正岡子規「俳句の初歩」抜粋 1)理屈を含みたる句 理屈に美を含まざるは論を待たず。もし理屈に美あありといふ人あ らば、その 人必ず美を解せざる人ならん。 もし理屈的俳句に美あ りとすれば、その美は りくつの部分にあらずして、文学的の部分にあるべきはずり。 物いへば唇寒し秋の風 芭蕉 葉隠れて見ても朝顔の浮世かな 野坡 世の中は三日見ぬ間に桜かな 蓼太 2)譬喩の句 譬喩の句は 一事物を以て他の一事物と比較するものが故に、比 較といふ知 識上の作用を要す。この知識上の作用、即ち理み・・・ 茶の花や利休が目には吉野山 素堂 手に取るなやはり野に置け蓮華草 精出せば氷る間もなし水車 姑むつかしといふ人に示す けむくとものちは寝易き蚊遣かな 不角 表面に蓮華草、水車、または蚊遣を詠みたるのみなれど、各 裏面 に教訓の意を寓するが如し。譬喩といふ理屈の上に教訓 といっふ理屈を加へ たる者なれば、そのむみ索漠たるは、あら ためて言ふまでもなし。 浮草やけさはあちらの岸に咲く 乙由 こは無常の意を寓したるなり。無常は教訓の如く理屈めきたる 者な れども、無常は、やや長き時間を含み、俳句は長き時間 を写すに適せざるが 故に多く殺風景となる。 始めて嫁ぐ時 渋かろか知らねど柿の初ちぎり 千代 3)擬人法を用ゐし句 手をついて歌申しあぐ蛙かな 宗鑑 擬人法必ずしも悪しとにはあらねど、譬喩と同じく理屈に傾きやすく 俚俗に陥りや すき 者なれば、これを作るに注意を要す。 4)人情を現したる句 夏痩と答へてあとは涙かな 季吟 君は今駒形あたりほととぎす 高尾 井の端の桜あぶなし酒の酔 秋色 起きて見つ寝て見つ蚊帳の広さかな 千代 5)天然の美を誇張的に形容したる句 散る花の音聞く程の深山かな 心敬 朝顔に釣瓶取られてもらひ水 千代 鯛焼く隣にくしや窓の梅 秀和 6) 語句の上に巧を弄する句、写実的自然を好まず、語句の上に平易なるよりはむしろ技 巧を弄びたるもの これはこれはとばかり花の吉野山 貞室 涼しさのかたまりなれや夜半の月 貞室 むつとして戻れば庭に柳かな 蓼太 端唄にて感心したり。この句厭味の頂上なり。 行き行きて倒れ伏すとも萩の原 曾良 情の極端を現してかつ萩の美をいへる処に感心せり。これは悪句に あらず。 ☆ 写実的自然は俳句の大部分にして、即ち俳句の生命なり。 この 趣味解せ ずして俳句に入らんとするは、水を汲まずして 月を取ら んとするに同じ。いよいよ 取らんとしていよいよ度を失す。 月影 粉々終に完円を見ず。 <章 ・一句一章 ・二句一章 について> 「句」→ 文や詩の句切り 「章」→ ひとかたまりになって完結している詩文 「一章」→一つのまとまった詩。 「一句一章」→この二つを言葉にしたもの 俳句一句を詠むときは句中に段切を作らずにひとかたまりで詠み切 ってしまう作 法で、対象を丁寧でかつ明快に描写しょうとする作り方。 作例 鶏頭の十四五本もありぬべし 正岡 子規 くろがねの秋の風鈴鳴りにけり 飯田 蛇笏 冬菊のまとふはおのがひかりのみ 水原秋桜子 「二句一章」→ 二つの事象やイメージを組み合せることによって、一 句の中の詩 的世界を大きくさせたり、存在を強く印象づける方法で、 「切れ字」などの作句技法の 修練が要る。俳句の基本的形式とも言 ってよい。 作例 菊の香や奈良には古き仏達 芭蕉 「や」の切れ字でなく他の切れ字でもよい 体言止めが切字の役目 炎天の空美しや高野山 高浜 虚子 万緑の中吾子の歯生初むる 中村草田男 夏の河赤き鉄鎖のはし浸る 山口 誓子 一物仕立・取合せ(掛合せ・配合・二物衝撃)について <一物仕立>→ 単一の概念(ひとつの素材、事物、ことば)によっ て断絶(句切 れ) なくつくる。 作例 白菊の目にたてて見る塵もなし 芭蕉 牡丹散てうちかさなりぬ二三片 蕪村 風吹いて蝶々迅く飛びにけり 高野 素十 <取合せ> → 多くは二つ、ときにはそれ以上の概念を一句中に 対置して作 る。 作者の苦心するのは、季語が動く動かないことである。取合せは二 物がひびき あい、不即不離を原則とし、べた付きを排する。「匂ひ」 付けを最上とする。 即く → 菊の香や奈良には古き仏達 芭蕉 離れ → 古池や蛙飛込む水のおと 芭蕉 前者は二物の情感のひろがりを重ね合い、後者は二物のイメ ージや 情感から生まれてくる効果を狙っている。 この二つの方向は現代俳句にも流れている。 啄木鳥や落葉をいそぐ牧の木々 秋桜子 → 不即 蝸牛虹は朱ケのみのこしけり 林火 鰯雲日かげは水の音迅く 龍太 → 不離 物言へば唇さむし秋の風 芭蕉 → 感慨の 表白に季物を配する作法も広い意の取合せである 鰯雲ひとに告ぐべきことならず 楸邨 今生は病む生なりき鳥頭 波郷 このページのトップへ ![]() ![]() |