世界史の時間です。

stained glass = 直訳すると、色づけしたガラスという意味になります。
中世ヨーロッパの時代、建築のステンドグラスは、実は透明ガラスに筆で専用の顔料を用いて絵を描き焼き付けすることにより、さまざまな色を出していました。もちろん色ガラスもありましたけれど、近年ほど豊富ではなかったでしょう。

1800年代イギリスの産業革命とともに、今まで作りたくても中々作ることのできなかった無色透明で平らな板ガラスが量産されるようになってきました。しかし、まだまだ真平らなガラスではなく景色が歪んでみえていました。
日本でも1900年代に入り、イギリスからガラスを作る機械を導入し板ガラスが生産されるようになりました。



ここで、アンティークに関するひとつのキーポイントを見つけることができます。
彼らは、純粋無垢の歪みの無いガラス=ゆわゆる今の窓ガラスを作ることに一生懸命でした。しかし中々、泡が入らず歪みやテクスチャーの入っていないまともなガラスをつくることができなかったわけです。これを逆にみると、アンティークには瑕疵があるということです。ですから、ツルピカで判を押したような完璧なものを見て昔の人は丁寧な仕事をしてますね〜と勘違いしてはならないのです。

ところが現在の状況は更に複雑で、昔ながらの手作りの手法で再現しているもの(それなりに人の手間がかかっているので価値も充分ある)や、泡やテクスチャー入りのガラスを機械で生産しているものなど素人目では本当に分かりにくくなってきています。見る人が見れば泡の入り方などで、どの国のどのメーカーだなんてわかるらしく驚きです。(といってもガラスを扱っていれば大体わかるようになります)




窓ガラスの歪みについては、老舗の料亭など縁側の大きな一枚ガラスでよく見かけられます。歪んだぼろいガラスなんていってはいけません。貴重なアンティークです。また映画などでもよくみると、その時代を再現するかのように歪んだ窓ガラスをつかって撮影されているものもあります。
街道を車で走っていると家や商店の窓ガラスにグニャっと自分の車が写っていることがあります。多少古い粗悪なものなのか、はたしてアンティークと呼べるものなのか・・・おっと安全運転・安全運転と(どうしてもそんなとこに目がいってしまう職業病でしょうか?)。




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