−別格二十霊場巡拝−


◆出発時の心境
前回のお遍路では、「とにかく88ヵ所を一気に回れたらいい」という気持ちで出発して、何とか51日で初期の目標を達成できた。そして88ヶ所と別に「別格二十霊場」というのがあることを知った。ならば二回目はそれもあわせて巡拝したい、そう思った。前回の51日は少し余裕があったように思う。今回は108ヶ寺を巡拝するのに50〜55日くらいを目標にしよう。
今回は極力お遍路に集中して、前回のように知人を訪ねたりする寄り道などは止めよう、そして出来るだけ早く家に戻ろう、そんなちょっとだけ殊勝な心境になった。
出発の直前、前回のへんろで知合った澤田さんが、「別格霊場でしか出来ない念珠を授かって下さい。各お寺で1つずつ授かって20カ寺で完成らしいです・・女性用と男性用があるので奥様のお土産にもなりますよ」とメールをくれた。家内に話したら、友達のMさんの分も頼むという、お安い御用、もちろんOK。多少のことはなんでもハイハイといわねばならない。

◆別格二十霊場
別格二十霊場を巡拝しようと決めたが、今回もなんの下調べもしなかった。これがわたし流である。第一日目を歩き出してまもなく、宿を6番安楽寺に予約した。昼食時に急に別格二十霊場のことが頭に浮かんだ。「そうだ、このあたりには別格はなかったのかな?」あわてて地図を見た。なんと、あるではないか、今日の予定の5番と6番の間に別格一番大山寺が。しかもルートから相当はずれた山の上に。正直言って少しあわてました。
・いまからでは時間的に無理やなあ、
・そうかといって今夜6番まで行ってしまったら明日は少し後戻りになる、それもいややなあ、
・今日は5番のところに宿を変更して、明日改めて大山寺経由で10番辺りまで行くか、
そんな考えが次々に浮かんで少しパニックになった。
しばし考えて行き着いたのは、「もう宿は予約したことだし、今日はとりあえず6番まで行こう。明日は多少の後戻りにはなるが、山登りでもあるし大山寺を一日仕事にしよう。6番で連泊するか、もう少し先まで行くか、明日のことは宿に着いてから検討しよう」だった。でもまだ早く気が付いて良かった。これが2日ほど行ってからだったら、引き返すのが大変だった。のんきというか、うっかりというのか、まあこんなもんですわ。

2003年10月、こうして108ヶ寺をまわるお遍路がスタートした。


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