「お四国」日誌

その2
土佐(高知県)修行の道場



10日
5月2日(水) ・ ひどい風雨の中をSさんと同行。全身びしょぬれ。宿坊の大きな風呂で身体を温めると疲れがとれる。歩き遍路には風呂が何より。
・ 車の人がお接待と言って、小さなビニール袋をくれた。中には数個の飴玉と、百円玉・五十円玉各1個、それに「よい遍路行でありますように」、「むりせずがんばろう」と書いた納め札が入っていた。感激!
徳島・海南町
宿坊
鯖大師遍路会館
27.8km (番外)C八坂寺(通称鯖大師)

11日
5月3日(木) ・ 朝五時半から本堂でのお勤めに参列。
・ 県境を越えて高知に入る。浜はサーフィンをやる若者で賑わっている。
高知・東洋町
まるたや旅館
24.5km なし

12日
5月4日(金) ・ 左側は太平洋、岩に砕ける白い波を眺め、とんびの鳴き声と潮の音を聞きながら今日も国道55号を歩く。二組の夫婦で歩いている大阪のお遍路さんと一緒になり写真を撮ってもらった。
・ 宿の部屋から、大阪〜高知を往復するフェリーが沖合いを行くのが見える。
高知・室戸岬町
民宿三津浦
25.0km なし

13日
5月5日(土) ・ マメがひどいので今日から距離を短くすると言うSさんと別れて出発。
・ 枇杷の産地、吉良川町黒耳を通過。山の斜面一面に、枇杷の実に被せた紙の花が満開である。
・ 若い女性遍路と二人っきりの素泊まり宿。近くの割烹で食事、久しぶりに日本酒を飲む。
曇り時々雨
高知・室戸市
民宿ホワード
25.8km 24最御崎寺 25津照寺 26金剛頂寺 (番外)御蔵堂

14日
5月6日(日) ・ 今日は日曜日、宿で読書。昼前に出発、今夜の宿・二十三士温泉まで14キロを歩く。途中の中山峠では日も差して大汗をかいた。大阪からわざわざ持参したうちわを片手に歩いた。このうちわは登り道を歩くときのお守りであり、今回の遍路でも大いに役立っている。
曇り一時雨
高知・田野町
二十三士温泉
14.1km なし

15日
5月7日(月) ・ 27神峰寺(H=450)は高さ570mの山の中腹にある。岩から湧き出る水を飲んで一息つき、釣鐘を搗くと、汗をかいて登ってきた疲れが一瞬のうちに吹き飛んでしまう。眼下に土佐湾が一望できる。
・ 道中、Sさんに再会、偶然同じ宿になった。
高知・安芸市
山登屋旅館
23.6km 27神峰寺

16日
5月8日(火) ・ 雨の中、延々と続く海岸沿いの自転車道を、潮の音を聞きながら歩いた。途中、防波堤の外に出て遍路二度目の屋外トイレ。
・ 昼前に雨が上がり、一転真夏のような日差しになった。倉敷のMさんと同行。
雨のち晴
高知・野市町
丸米旅館
27.0km 28大日寺
第17日 5月9日(水) ・ 竹林寺は以前にも訪れたことがあり、境内の配置が気に入っている。そのときはツワブキの花が美しかった。
・ 夜、市川・横山・皆藤さんとホテル近くの居酒屋で食事。話が弾んで飲・食共たらふくご馳走になった。
高知市
オリエントホテル
25.4km 29国分寺 30善楽寺 31竹林寺

18日
5月10日(木) ・ 昨夜の宴が過ぎて二日酔い、ひどい脱水症状で水道の蛇口から何度も水のがぶ飲み。夕方になってようやく回復、シャワーを浴びて食料を買いに外出した。一昨日、傘を壊したので、デパートで新しいのを買った。
高知市
オリエントホテル
0.0km なし

19日
5月11日(金) ・ 一昨日の竹林寺から再出発。さわやかな風のある絶好の遍路日和。しかし体調を考えて早めの宿を選び、午後から宿で休養。網走のOさんと同宿。
・ 禅師峰寺(H=80)からの眺望が素晴らしかった。
高知市
民宿高知屋
13.5km 32禅師峰寺 33雪渓寺

20日
5月12日(土) ・ 午前中、青果の温室・ビニールハウスの点在する春野町を歩く。
・ 清滝寺はH=130mの山登り。
・ 宿は土佐湾の深い入り江、宇佐大橋を渡ったところにある。夕食後砂浜を散歩。夜は波の音を枕に寝る。
高知・土佐市
民宿マリンハウス酔竜
31.9km 34種間寺 35清滝寺 36青竜寺

21日
5月13日(日) ・ 歩き出してまもなく、何気なく見上げた青い空に、海に浮かぶ白いくらげのような月が残っていた。
・ 前日偶然に二度も出会った「岸壁の母を歌うおばあちゃん」の家を訪ね、彼女の作った貝細工の人形をいただいた。
高知・須崎市
民宿あわ
30.3km (番外)5大善寺

22日
5月14日(月) ・ 焼坂(H=228)・添蚯蚓(そえみみずH=350)二つの峠を越えた。そえみみずでは今年初めてホトトギスを聞いた。
・ 昼過ぎに窪川の川村さん宅訪問、茶菓の接待を受け、ご夫妻と約一時間歓談。
くもり
高知・窪川町
岩本寺宿坊
26.1km 37岩本寺

23日
5月15日(火) ・ 次の札所・足摺岬の金剛福寺まで90キロ、今日から長い歩きが続く。
・ 宿から数キロ先に住む山脇さんに連絡、彼の親戚の女性がやっている居酒屋で夕食のお接待。
晴れ後くもり
高知・大方町
民宿水鏡荘
32.5km なし

24日
5月16日(水) ・ 四万十川大橋を渡る。川幅が広く水量も豊かである。白いカヌ―が一艘漕ぎ上っていく。橋の下では折りしも屋形船の客に見せる投網を打つところだ。網は、一瞬白い扇形を描いたかと思うと青い水の中に静かに消えていった。
・ 今日は下痢で正露丸の世話になったが、夜には回復。
高知・土佐清水市
民宿安宿
27.9km なし

25日
5月17日(木) ・ 香川の遍路Tさんは「不得手なお経の代わりに尺八を奉納している」とカッコイイことをいう。金剛福寺の山門を出るとき、ちょうど彼の吹く尺八の音が流れて来た。
・ 足摺岬は四度目になる、いつ来てもいいところだ。
晴のちくもり
高知・土佐清水市
ペンションつりの里
33.0km 38金剛福寺

26日
5月18日(金) ・ 早めに宿に着いてリュックを預け、水族館を見学し、海岸を散歩した。水族館にはマンボウがいた。
・ 魚の顔をじっと見ていると、知人の顔を連想することがある。馬面ならぬ魚面というのもあるのかもしれない。
くもり
高知・土佐清水市
旅館千竜
21.5km なし

27日
5月19日(土) ・ 叶崎の灯台に立ち寄った。なかなかの景勝である。磯のどよめきを聞きながら遠く水平線に目をやっていると、心の奥底に潜むはるか昔の記憶を目覚めさすような、懐かしさがこみ上げてくる。わが先祖は海洋民族だったのだろうか。その先祖の血がぼくの遺伝子に伝わっているのかも・・・。
高知・大月町
民宿やすおか
29.5km (番外)月山神社

28日
5月20日(日) ・ 出発時に宿の奥さんから、「田植えの弁当を作ったので」といって昼弁当のお接待。親戚の家に泊まったような気分で宿を後にした。中味はバラ寿司と赤飯を半々に詰めたものだった。
・ 当てにした宿が休業中。親切な人がこの宿へ案内してくれた。
晴時々くもり
高知・宿毛市
米屋旅館
26.0km 39延光寺

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