未来を生きる子ども・家庭・学び その23 |
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高塚高校校門圧死事件※ 長いながい雨でした。今年のお米の作柄が、またまた心配されているようです。 私が無農薬の野菜を分けていただいてるSさんも、路地トマトは全部病気になったと言っていました。 昨今、ずっと異常気象のような気がします。今の社会には以上が渦巻いています。 生き物には、遺伝子で決められた本来住むべき環境というものがあり、 その中で最も快適な生涯を送ることができるのだそうです。 そこからかけ離れた環境の中ではそのズレをなんとか適応することで当座をしのぎ、 本来の環境への復帰を計るけれども、効果がなければ遺伝子情報に従って 自己解体のプログラムにスイッチを入れるのだそうです。 私たち人間も、“異常”に慣れてしまって感覚が麻痺してしまったとき、 知らず知らずのうちに自己解体が始まっているのかも知れない。 7月6日朝、神戸市西区にある高塚高校の門前に行っていました。 5年前のその日、ほんの少し学校に来るのが遅れた少女が、 一人の教師が押した思い鉄の門扉に挟まれて死んでしまうという 信じられないような事件が起こりました。その時以来、市民による門前追悼が行われています。 そして、少女の思いを託した赤いカーネーションが校門に連なって何千本も立てかけられます。 東京に住むNさんは、街頭に立って自作の歌とギターで呼びかけ、 それに応えてくれた人達のカンパで買えるだけのカーネーションを買ってこられるのだそうです。 明日を夢見ていたはずの少女の無惨な死を忘れまいと、 10000本のカーネーションを供えるまで続けるのだと言っておられました。 この日、降りしきる雨の中でカーネーションの赤い帯が鮮烈に目に焼き付きました。 赤いカーネーション。少女の流された血の色……… HSNニュースNo.23(‘95.7.14発行)より ※高塚高校校門圧死事件 1990年7月6日、兵庫県立高塚高校で、1年生の女子生徒が 遅刻指導をしていた当番の教師が閉めた門扉に挟まれて亡くなりました。 |