未来を生きる子ども・家庭・学び その22 |
||
オウム真理教・地下鉄サリン事件 地震以来、我が家にもテレビが入りこんでしまいました。 それまでテレビがなく、ニュースは新聞とラジオが頼りだったのですが、 阪神大震災が起こったときに、つれあいが小さなテレビを買ってきました。 スイッチをオンにすると、神戸の長田区が空爆の後のようにあちこちで黒煙があがり燃えていました。 テレビ報道の映像の力と即時性には、ラジオや新聞はかないません。 テレビの地震報道を見て、とんでもない状況だと言うことがやっとわかったのでした。 本当にいろんな事が起こりすぎて、情報処理能力がパンクして判断停止状態になってしまいそう。 地下鉄でサリンがまかれた後のニュースを見ていて、プルトニウムや核燃料輸送中に事故が起こると、 こんな風な光景になるのだろうと思いました。まるで悪夢が現実になったかのように。 そしてもし、神戸で起きたような巨大地震が原子力発電所を襲ったら・・・。 まったく私たちの日常は砂上の楼閣にすぎないということを思います。 こんな時代を生きなければならないのに、“正常”に毎日を過ごしている事の不思議さ。 実際に我が身に降りかからなければテレビの中の出来事として、 あるいは自分には関係ないこととして情報処理されていくのでしょう。 サリン事件・オウム真理教のニュースが、連日マスコミをにぎわせています。 神戸の地震は遥か昔の出来事のよう。オウム真理教に関する報道を見ていて思うのは、 マスコミが彼等を異常なカルト集団として囲い込もうとすればするほど、 かつて超カルト国家だった「大日本帝国」のカリカチュアのように見えてきます。 時代は不連続にではなく、脈々と連続した流れを作っています。 こういう状況の中だからこそ、あふれる情報に流されるのではなく、 自分自身の判断で選びとることが大事だと思います。 HSNニュース No.20(‘95.4.3発行) No.21(’95.5.9発行)より加筆訂正 |