8月3日  ここにも「トルコ」は生きています 今日の一枚を見る

 朝8時起床。30分後には宿を出て(やはりレセプションには誰もいなかった)ミニオトガルへ向かい、さらに普通のオトガルへ移動する。
 一番近い時間に出発するアマスヤ行きのチケットを買い(15MTL)、道中個人補給用の水も購入。トルコのバスではパックの水がサービスで飲めるようになっているが、緊急用としてバスに乗るときはできるだけ個人でペットボトルの水(トルコ語で「すー」と言います)を買って持ち込むようにしている。

 バスは黒海沿岸の都市サムスン迄行くので大型だったが、シヴァスから乗る客は少なく、かなりゆったりしたまま約4時間でアマスヤのオトガルに到着。市内の中心を通り越してオトガルまで行くので、できれば途中で降ろして欲しかったが迷惑な外人指定されそうなのでそれはやめ。セルビスで市内まで戻ることにする。
 セルビスを探していると同じ目的の日本人女性がいて、一緒に市内まで行く間二三会話。トラブゾン−イスタンブル間の航空券だけ持ってアマスヤをスタートにトラブゾンまでトルコを楽しみたいという。「上手く行けますかね」と聞かれたがトルコは初めてではないようだったので、「そうですね、トルコですからね、どうにかなりますよ」と答えておいた。女性は「そうですよね、トルコですもんね」と返した。

ポントスの墓  市内に着いてその女性と別れ、ロンプラに載っている川が見える宿へ行ってみるが、20MTLでツインでシャワーとトイレは共同。今までは予算15MTLだったが、アマスヤは20MTLをマックスと考えていたがどうも納得できず。ほとんど客がいないのに、ウチは人気の宿だ、という態度もちょっと気に入らなかった。
 通りを1本裏に回り、1階が服屋になっているその店先でオヤジが二人チャイを飲んでいたチャラヤンホテルに入る。ダブルもシングルも見せてもらい中々清潔な宿だった上にトイレとシャワー付きで15MTL。残念ながら川は見えなかったが、写真(左)のポントスの墓は良く見えた。

 シャワーを浴びて洗濯してるとノックをする音が聞こえたので、返事して急いで服を着てドアを開けると、従業員のおっさんがニコニコしながらタオルを持って立っていた。タオルの補充かなと中へ入れ、英単語で少し話をする。
 この街やこの宿や自分について、また日本について知っていることをニコニコと話すおっさん。タオルを交換してちょっと掃除までした上に中々去ろうとしないので1MTLのチップを渡すと、スリッパとトイレットペーパーが付いてきた。待ってたのね(^^;;

 居心地よかったのでベッドでぼーっとしてると外の雲行きが怪しくなってきた。
 さっきまでカンカンだったのにと急いで観光に繰り出す。
 がいきなり1階の服屋の前でチャイを飲んでいたオヤジにつかまり、チャイをご馳走になる。
 トルコ語だけの会話(こちらはトルコ語ブックを使用)だが元々友好的な国民同士、なんとなく話はできるもの。チャイを2杯とイスラム教の本を頂き、やっと観光をスタート。曇り空のまま、雨が降るというところまではいかないようだ。

 まずは明日の夜にカッパドキアへ向かうバスの予約のためバス会社へ。
 夜9時発のギョレメ行きが25MTL。手続き中に担当が、デジカメを興味深そうに見ていた青年から無愛想を全身で表したようなおっさんに替わる。
 おっさんは、目の前に手続きしているバスの内容が書いてるメモがあるのにもかかわらず「ばす、のー」とのたまう。もちろん目の前にあるメモを指差し、日本語と英単語でさっきまでのいきさつを主張すると、今度はそのおっさん26MTLを要求してきた。あきれ返るのはまだ早い。ここはトルコ、またメモを指差し25,000,000と明記してある部分とそのおっさんとの目とを、よく見ろと指で交互に指す。
 おっさんは露骨に不満そうな顔をして「ばす、おとがる、ちけ」とオトガルで買えとぼくを追い払うジェスチャーをしてどこかに電話をかけた。

食事  余計な揉め事は気分が悪いので素直にオトガルへ自費で向かいチケットをゲット。小1時間程度で歩いていけないこともないが結構距離はあった。
 昼飯がまだだったのでまた市内に戻って写真(右)の食事。宿のレセプションに座っていた少年(多分オーナーの息子)に聞いた店で、写真のナスとチキンの煮込みケバブとスープ、サラダ、そしてドリンクにコーラで10MTL。まあまあうまいけど高い。

 観光と言っても避暑地のような感じなのでぶらぶらを街歩き。途中ネット屋を見つけたので、たまりにたまったデジカメ画像をCDRに焼く(3MTL)。
 その間作業している青年のお気に入り音楽を聴かされながら時間を潰す。青年は首を縦にシェイクしていたが、ぼくにはやかましいピコピコロックにしか聞こえなかった。歌詞はトルコ語で所々イスラミックなメロディーではあったが、明らかに西洋の音楽だった。

 先ほどまで雨が降りそうな気配があったが、いつのまにかまた晴れ間が覗いていた。
 時間はそろそろ夕方だがまだ日は高くて明るい。子供達も元気に遊んでいる。

 ロンプラにも載っていた人口的な滝を見ながら線路(鉄道が通ってたの知らなかった)の下のトンネルを少し屈みながら抜けると、低所得者層の居住区らしき場所に出た。あきからに市内のホテルがあるあたりとは違う感じで、少し危険かもしれないなと思いながら歩いているといつのまにか元気に遊ぶ子供達に取り囲まれて質問攻めに・・・

アマスヤの子1  それが写真(左)の子供達です。背後の小さなトンネルの上は線路が通っています。
 女の子たちはカメラを向けると恥ずかしそうに逃げ回るが、男の子はトルコの少年たちがいつもとるのと同じ態度。もちろん写真を送ってくれとなるのだが、1人リーダー格の少年(左には写っていない)が教えてくれたメールアドレスはどうみてもシーメンスのサイトアドレス
 何度もこれはシーメンスという会社のホームページのアドレスだということを伝えようとするのだが、向こうは英単語のほとんどを理解できない。
 シーメンスのプロバイダで個人のアドレスがあるのか、何度も確認しようと試みたが、その少年はこれで大丈夫だから必ず送ってくれと満面の笑みで答える。周りの少年たちも今撮った写真がメールで送られてくると本気で思い込んでいる様子。
 少し離れた場所からこちらを見ていた、少年たちより少し歳上らしい少女を呼び寄せてアドレスの件をたずねてみたが、彼女とも意思の疎通がうまくいかない。何やら身振り手振りの激しい日本人がわけの分からないことを言っているな、みたいな感じで笑っていた。
 心苦しいが、こちらのメールアドレスを教えてその場を去ることにした。
 向こうからメールが来れば良いのだが、「ぷりーず せんど めいる おーけ」がしっかり伝わっているかどうか・・・結局2年過ぎた今でもメールは来ない。またもちろんシーメンスのアドレスにメールを送ったりはしないので、彼らが楽しみにしている写真は未だ僕の手元にあったりする。

アマスヤの子2  川沿いを歩きながらまた子供達(写真右)と遭遇。
 愛らしい笑顔を見せるがけっこうやんちゃな奴らだった。特に右側の小さい方は、別れて適度に離れた頃、小石を投げつけてきたりした。簡単ではない外国人に対する感情が彼らや彼らの家族に、そしてトルコ人にもあるのでしょう。だからこそ、外国では現地の慣習に従い、できるだけ羽目を外さずにいたいものだ。

 大体の街の雰囲気をつかんでホテル周辺に戻る。
 川沿いからホテルのある通り、さらに通り2本ほど川から離れると街の大通りにでる。このあたりになると流石に女性たちのオープン度も上がってくる。まれに外国人であるぼくに「はろー」と言ってくれるフレンドリーさもある(これがまた美人であることが多い)。

 暗くなってくると避暑地だからかもしれない、人手が多くなってきたように思える。
 歩いていると数人から声をかけられて、たまにチャイをご馳走になったりはするが、基本的に少し英語が話せる観光からみの人間が多い。情報として面白い話が聞けるので時間はあっという間にすぎてしまう。
 若者達はビール片手にパブで盛り上がっていたりするが、ぼくは売店でいつものエフェスビールを買って部屋でちびちび飲みながらゆっくり眠りに付く。暗くても早めの時間はポントスの墓が少しライトアップされているので、それを眺めながらのビールもまた格別、この宿はえらい居心地が良い。

 トルコ トルコ/アマスヤ チャラヤンホテル 2004年8月3日泊
チャラヤンホテル チャラヤンホテル
宿泊料1泊で15ミリオントルコリラ、バス・トイレ・テレビ付
ロンプラには載っていないので勝手に発見としておきたい宿。部屋は広めで明るく清潔で、テラスからはポントスの岩窟墓を眺めることができるロケーション。夜には岩窟墓がライトアップされるのでビールでも飲みながらそれを堪能できる。川沿いから道1本外れた立地のため川が見えないのは残念だが、川沿いの宿はそれだけでふっかけてくるので印象が悪い。ここは過剰な接触がなくとても親切。1階は服屋で、前に座っているオジサン(写ってます)がチャイをおごってくれた。
レセプションが2階にあり、以前は朝食も出していた様子が覗える。もっと繁盛してそれが復活すればいいなあと思う。
「トルコ一美しい町」なだけあって国内の観光客もたくさん来るようだが、異邦人にもかなりウェルカム状態で非常に快適に過ごすことができた。宿の従業員にチップを要求する男がいたが、それはおせっかいな程十分なサービスの後でしかももじもじしながらだった(笑)。
ADD:Kocacik Carsisi No:30 AMASYA
TEL:(0358)212 98 95-212 46 16

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