7月30日  ヴァン周辺ツアー。女性教師との出会いアリ 今日の一枚を見る

 ツアーの出発が朝の7時半だと聞いていたので、念のために7時に目覚ましを合わせておいた。
 前日約束どおりにジェティンが来なかったので、どうせツアーも無いのかなとまどろんでいるうちに、びっくりするくらい大きな音で部屋の電話が鳴った。
 もう下で待っているとジェティン。おいおいと悪態をつきながらも、顔も洗わず急いでチェックアウトしてホテルを出る。

ホシャップ城から  急いで出たは良いが、同じホテルに泊まっていたらしい韓国人女性4人組も遅れているよう。ちゃっかりぼくまで20分ほど待つ羽目になってしまったが、それならもっとゆっくりすればよかった。  ツアーメイトはこの韓国人女性4人とドイツ人の中年カップル、フランス人老婦人2名に別のフランス人男性1名、更にトルコ人女性2名(母娘)と日本人男性ぼく1人という構成。白人の平均年齢は高そう。そしてトルコ人の娘さんはものすごくダイナマイトで19歳!

 ツアーは宿から約1時間ほどクルマで行ったところにあるホシャップ城からスタート。
 写真(左)はそのホシャップ城の崩れた城壁から外を撮影したものです。周りに高い建物は無く、見晴らしが素晴らしい。しかし崩れている箇所などの補強はおざなりなことからもわかるとおり、それほど観光客は来ないポイントのよう。
 ガイドのジェティンによる英語の解説はシンプルで分かりやすく、日本人のぼくでも、それでも所々しかわからないが、何度も「あんだすたん?」と確認してくれてとても親切。気合の入った営業を個人でやっているようで、中々やり手ぽい。それなりの値段で値引きにもはっきりノーを言うその自信は、このツアーの内容からも伺えよう。
 めずらしく白人が説明をしっかり聞いている。韓国人はほとんど聞かない。ぼくは基本的にずっと聞いている風を装うが、半分は意味不明状態。

 トルコ人のダイナマイト娘さんは目のやり場に困るほどのダイナマイトで、その開放度から見てとてもムスリムだとは信じられないのだが、同じくムスリムだろうジェティンもことある毎に「ちょっく・ぎゅぜる(めちゃめちゃかわいい:とても美しい)」と、なぜかぼくに言ってきた。聞くところによるとこのトルコ人母娘、大都会のイズミルから来ているということだった。イスタンブルでもそうだが、へそ出しなんてザラに見るからね。

ホシャップ城  写真(右)がホシャップ城。この城が機能していた当時の威容が推し測れる。実に堂々としていて見栄えの良い城に見える。城、城跡マニアにはたまらんかもしれない。崩れ加減も、その手つかず度も相当なもの。

 城跡の次はアルメニア人の墓標が残されている小さな教会へ向かう。そこも雑草が生い茂っているくらい普通の観光客が来ないところのようで、実際それほど見るものもない。墓標の文様が個性的であるといったところが見所なのだろう。
 しかしジェティンは30分の時間をぼくらに宛がってくれたので、ここでようやくツアー参加者同士でコミュニケーションを深めることができた。
 もちろん白人とはそれほど親密になれるはずもなく、もっぱら韓国人の女性4人組とで簡単な質問の応酬になったわけだが(^^;

軍の絵  続いては本日のメイン、ヴァン湖に浮ぶ小さなアクダマル島にあるアルメニア教会。ここの教会の外壁に彫られたレリーフがとっても有名。

 さて写真(左)はそのアクダマル島へ渡る船の桟橋近くからの風景です。左手が湖そして(写ってませんが)アクダマル島、右手に車道を挟んで昼食を取るロカンタがある。
 写真の正面の山にトルコ国旗が見えますか? トルコ陸軍が訓練の一環か演習かなにかで描いたそうなんですが、本当かな?
 軍隊はクレイジーだ、でもグッドだとジェティン。深いような深くないような。。。

 メインの観光の前に昼食。魚か鳥かを選択するが、魚は目の前のヴァン湖で取れたモノだと言う一言で、ほとんどのメンバーが魚を選択。ぼくはチキン。だって魚怖いしね。
 アルコール以外は飲み放題のようでそれ以外の料金はツアー込み。ぼくの値段ならまだ納得だが、最初の言い値である50Eなら相当上がりがありそう。個人でアクダマル島に行くには、渡り舟の値段(人数によって大きく変動)や移動手段がかなり限られており、それなりの自由時間と前向きな気持ちが必要となってくるのだが、基本的には言い値で済ますと知らないほうが良いことのほうが多い。

 韓国人女性4人組みは全員小学校の教師のよう。年齢も20台前半とそれはもう(これこれ)
 学生時代は本当に勉強ばかりしていたそうで、先生になると夏に大きな休みが取れて嬉しいと言っていた。どうして韓国人ばかりなのかと、これまでのぼくの旅で会った韓国人のことを話すと、今の時期は学生と先生が沢山旅行する期間だからということ、そして韓国ではトルコが最近大人気なんだそうで、彼女たちもフランスとかイタリアとかと迷ったあげく友人の薦めもあってトルコに決めたんだそう。
 なんと初めての海外旅行(どうも後で考えてみると日本は海外に入ってない感じ)でざっと3週間のトルコ旅行。なんともうらやましいと思ったら、向こうさんもぼくのことを相当羨ましがっていた。そらそうだ。

レリーフ アルメニア教会
 写真(上)はアクダマル島のアルメニア教会のレリーフと外観。雨が少ないのか保存状態が非常に良い。教会の中はフレスコ画も残っている。
 ちなみにこの島のあるヴァン湖はトルコ最大の湖で、琵琶湖の6倍の大きさを持つ塩水湖。スケールが違う。

 教会跡を観光したあとは各自自由時間。ドイツ人と韓国人は(塩水だってのに)泳ぎに行き、フランス人はどこかに消えた。
 ぼくもぶらぶらしようと考えていたら、ジェティンが声をかけて来てある方向へ目配せをした。その方向には若い白人の女性が2名、そうです、トルコ人の血が騒ぐってやつでしょう。ついて来いってなことになってしまった。
 ジェティンは流石ガイドということでフランス語もドイツ語も少しできる。ぼくは語学の才能がまったくないようなので、ついぞ挨拶以外の会話をすることなく、ずーっと詳細不明なトルコ人によるフランス人のナンパを横で見ていた。
 二人はフランス人で姉妹。1ヶ月かけてトルコ東部を旅するのだという。物凄いピンポイントバックパッカーだ。
 その旅行内容もすごいのだが、もっとすごいのは妹の美人度。これはもうジェティンがしつこくアタックする気持ちもわかるなあと言うくらい美人。しかも白人女性に多々あるゴツさがまったく無く、しなやかで女性らしい。若さか時折見せる恥じらいの笑顔も中々のものでした。

 集合の時間になってもジェティンは食い下がる。もちろん姉妹で姉がしっかりしてのでどうしようもない。第一こんなところで最終的にどうするつもりなのか良く分からないが、これと同じくらい情熱が日本人に向けられたなら、そりゃ旅先でもあるしコロッといっちゃうわなと妙に感心してしまった。難しいけど、本気だけど本気じゃないよ、大体の場合。

敷物工場  次はこの地方にしか生息しないというヴァン・キャットの見物。左右の目の色が違うというロイエンタールもびっくりと言った生き物。その後にヴァン城。
 がその前に恒例の写真(右)、カーペット工房。基本的なセールストークは、「ここのは本物、他のは偽物」。

 もちろんぼくは買いませんが、ドイツ人カップルが畳1条ほどの結構な代物を購入していた。そんな短時間でそこそこする値段のモノを買うなんて、ドイツ人も侮れない(^^;

 この店には日本語がペラペラの店員(カーペット屋にはたまに対日本人要員がいる)がいたので、ぼくにはその店員がセールスに来る。でもトルコ3回目だということ、昔みたいに金の持ってる日本人はそういないという感じの受け答えをしてると自然に会話は商売とは関係の無い話へ。中々物分りの良いトルコ人だ。
 かつて日本にも住んだことがあるというそのトルコ人、現在はカッパドキアに家を借りて、出稼ぎでこんなところまで来ているのだという。個人的にはカッパドキアで稼ぐほうが良いと思うのだが、やんごとなき理由があるのだろう。
 しっかり名刺に電話番号と住所を書いてくれたこの店員と買いもしないのに最後まで笑いあってしまい、バスに乗り込むのが最後になってしまった。早々と車内に退散した韓国人女性は待ちくたびれた感を全面に押し出した顔をしていた(ように見えた)。

ヴァン・キャット  夕方6時発のバスに乗るためにオトガルへ行かなければならないので、ジェティンがぼくに時間の相談をしてきた。
 ヴァン・キャット、ヴァン城、それらの所要時間、そして長距離バスに乗り遅れない為の「セーフティ・ファースト」を考慮すると、このあたりでタイムアップ。ぼくだけ先にツアーからの離脱が決まった。
 韓国人女性組みにヴァン・キャットの画像を送ってもらうように、メールアドレスを書いて渡し、夕方5時過ぎ、ヴァンのオトガルにてツアーを終了。料金はトルコリラと米ドル混じりのややこしい支払いになったのだが、ジェティンは両替屋と電卓を睨みながらうまく処理してくれた。おすすめの業者でしょう。
 ちなみに写真(左)がその送ってもらった画像。左右の目の色が違うでしょ?

 バスの出発にはまだ少し時間があったので床屋でヒゲの手入れをしてもらおうと思った。なにしろトルコに入る前から伸ばしっぱなしで、しかもそんなに伸ばしたことがないから手入れの仕方もよくわからず、持参した小さなはさみでたまにチョキチョキするくらい。
 一応アゴヒゲだけを剃ってもらって、鼻の下のヒゲはそろえて貰おうと考えていたのだが、あれよあれよという間にキレイさっぱりになってしまいました。仕上げにつけるコロンヤが剃った後の肌にしみる・・・(料金は2.5MTL)。

 定刻どおりバスはヴァンのオトガルを出発。ぼくは速攻で眠りにつく。
 出発して1時間くらいの地点で軍によるパスポート・チェックがあったが、それを過ぎるとまた一瞬のうちに爆酔。そこからどれくらい走っただろうか、突然頭にゴンっと衝撃が走る。何事かと思うと、なんと後ろの席の若造が足を投げ出してシートの上からぼくの脳天にかかと落としを食らわせたのだ。
 まったくもって狂気の沙汰。その衝撃は相当なものだったが周りは寝ているので声は出さず、そのおちょくった足を押し戻す。野郎の起きる気配は無い。
 ぼくは進行方向の左側の窓際席だったのだが、再び寝ようとしていると、こんどは左の後方になにやらモゾモゾ動く物体が目についた。よくみると、その若造のもう一方の足が、窓のガラスとシートの隙間からぼくの顔のすぐ傍まで接近していた。
 足をコツコツ突付いても一向に起きる気配がないその若造だが、業を煮やしたぼくが頭を一発パチンとはたくと、両足とも引っ込めて、それ以来足に悩まされることはなくなった。やはり体罰は必要だという結論に達した(笑)。
 しかしまったく、こんなマナーではEUなど夢のまた夢だぞ。

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