7月27日  イランに行かないのに国境の街に立ち寄る 今日の一枚を見る

 昨夜もテレビを見て夜更かししてしまった。スポーツと音楽を基本にBBCやらトルコのバラエティ番組やら、何を言っているのかほとんどわからないがテレビの魔力でついつい(^^;
 ということで起きたのが9時半、少しお腹に違和感がある。酒が入ると下降線、まだまだ完調とはいかないようだ。
 10時すぎに宿を出て教えられたとおりにバス停から2番のドルムシュでオトガルへ移動。料金は0.5MTLで、運転手の息子だろうか、声を出して客を集めている。
 途中観光では絶対行かない裏通りなどでも客を集めて行くので(ルートなんだろうと思う)、めったに見れない普通のトルコが車窓から見れた。団地の公園で遊ぶ子供、買い物帰りの老婦人、タバコを吹かして話し込むヒゲのおっさんたち。。。何も無いが、ある意味ここに全てがある。

 オトガルに到着するとすぐに数人が近寄ってきて行き先を尋ねてくる。
 答えるとそのまま「かむかむ」と、目的地にバスを運行しているバス会社のカウンターに連れて行かれる。便利な素晴らしいシステムだといつも感心する。ドゥバヤジットまで15MTL、ちょっと高いかなと思ったけど素直に支払いチケットを受け取る。
 カウンターのヒゲのおっさんが日本人の女はグーだと言うので、適当に愛想笑いしていたら横からカタコトの日本語で一人の青年が話しかけてきた。
 それ自体はトルコでは至るところである話だが、この青年はそのホスピタリティレベルが数段上だった。カルスの大学で少し日本語の勉強をしていて、名前はトゥガイという。家がアダナにあるということで里帰りのバス待ちなんだそうだ。
 トルコ人たちはおしゃべりが大好きで、さらに外国人に対する興味も相等高い。中でも日本人、そしてさらにその女性は群を抜いて興味があるらしい(^^;;
 彼といつの間にか話に入り込んでいた非番のドルムシュの運転手が、ぼくがバスを待っている約1時間、ずーっとつきっきりで話し相手になってくれた。ヒゲを剃りたいと言えばオトガル内にある散髪屋まで、ドルムシュの運転手がぼくの手を自分の腕につかまらせてエスコート。そしてその代金である2.5MTLはトゥガイが支払ってくれた。
 そのトゥガイとは、メールアドレスを交換し一緒に撮ったデジカメの画像を送る約束をした(帰国後に送ったのだが、返事がトルコ語フォントで書かれてあってよく読めず、返事をしたがその返事もトルコ語フォント。その旨を何度か書いて送ったがそのうち連絡が途絶えてしまった。残念な話です)。

?Mt.アララト?  バスが郊外に停車しているというので別れを惜しんでセルビスに乗り込んで移動。時間通りに11時半にバスは動き出した。
 写真(左)はひまだったのでバスの車内から写したトルコの山です。多分、ひときわ目立っていたとか乗客の誰かが指差して何か言っていた方向にあったとか、そんな感じにしか写ってませんね・・・

 車内はかなりエアコンの効きが悪い。それが機嫌を損ねたのか悪ガキが騒がしい。
 そのガキを叱りつけた老人がバスを降りるとまた同じように騒ぎ出す。しまいには運転手に怒鳴られてついにそのガキも静かになる。見ていて面白いと言えば面白い。今の日本はみんな(そしてぼくも)見てみぬフリ。

 途中の休憩で冷たいドリンクでも飲もうと、缶ジュースを買おうとすると1MTL請求された。
 缶には0.75MTLと値札があるのを確認して、わざわざその値札を見せてやると「さんきゅうぐっばい」と言って販売拒否に出やがった。
 相等観光客崩れしてるな。それでも買う観光客も多いのだろうが、付け上がらせるわけにはいかない。日本語で文句を言って別の店で買う。こちらの店は始めから1MTLだったが、基本の値段は0.75MTLのはずだ。

 ドゥバヤジットのオトガルに到着。
 まずタクシーの運転手がチャーター観光のお誘い。それを軽く無視して出口の方向へ歩いていると、今度はそのへんで走り回っていた子供たちが[Can I Help You]と声をかけてくる。相づちを打ったりしながら時折ポロっと出る「メインの通りはこっち」とかいう子供の後を付いていく。
 たくさんいた子供はすぐに「ぐっばい」とか言いながら一人二人と去っていくが、残ってついてくるうちの誰とも無しに「うじゅずおてる?」と安ホテルに案内しろと伝える。
 途中「まにまに」と金を請求してくるが当然無視、先頭を歩く少年はエルズルムホテルに連れてきた。ガイドブックにも載っているので安心、そのままホテルに入り、2泊10MTLでチェックイン。最初は1泊6MTLだったがすぐにまけてくれた。今まで1泊15MTLクラスだったが、この街では2泊でも10MTL。これはヤバイ。何も無いのに長期滞在ってこともあり得るかもしれない。

果物屋  部屋を見てロビーで宿帳に記入。ちらっと見えたが、ぼくを連れてきた少年が宿のおっさんから何かを受け取っていた。小遣いゲットーか?

 写真(右)は街角の果物屋。
 部屋でゆっくりしてから少し街歩き。旅人と彼らが落とす金を目当てにした商売人が多いからなのか、軒を連ねるいくつもの店も結構にぎわっている。
 でも個人的に気になったのは、携帯電話を売っている店が多いということ。イスタンブルや地中海沿岸の白人が金をばら撒いている地域の人の中にはかなりの携帯電話所有者がいるが、内陸側のここでもその波は押し寄せているよう。若者はおろか、一丁前気取りの子供も持っているヤツがいた。←生意気な。

 インターネットで情報集めとメール確認。夕食としてちょっと辛いラフマージュン(ピザ)を食べる。
 さらにドンドルマをデザートにして宿に戻り、日本人旅行者が残して行った「ユリイカ」の村上春樹特集号を読む。彼の小説もイマイチよくわからないが、解説などは余計わからない。でもまあそれでも読んでしまい、なんとなく面白かったと思わせるのも作者の力だろう。

 ここはイランとの国境の街なので、情報ノートにはイランをはじめパキスタンやインドの情報も沢山書いてあった。
 ユリイカを共有本棚に戻して情報ノートをぺらぺらめくっていたら、宿のニイチャンが明日の観光ツアーのお誘いに来た。ぼくがチェックしていたのは・イサクパシャ、・アララト山、・ノアの箱舟の3点。
 ノアの箱舟は距離があり追加料金になるというので却下し、イサクパシャとアララト山が近くで見れるクルド人の村のシンプルツアー、他に同行者がいないので一人でのチャーターとなり25US$と請求された。
 結構大きな額なので返事は明日することにして、別の話を色々と(その間にも20US$にしろと何度がつっこんだ)。

 その後ビールを買って部屋でまたユリイカを流し読み。下品な落書きするなよなー(笑)
 夜は相等静かな国境の街だった。ちなみ写真の撮影枚数、今日はまた減って5枚になってしまった。

 トルコ トルコ/ドゥバヤジット ホテルエルズルム 2004年7月27,28日泊
ホテルエルズルム ホテルエルズルム
宿泊料2泊で10ミリオントルコリラ、バス・トイレ共同
イランに抜けてインパキへ向かう旅人、アジア−イランから入ってきた旅人、ほとんどこのドゥバヤジットを経験することになる。イランでは余り飲めない酒をここでは飲むことができる(ここの前に寄ったエルズルムには持ち帰りのできる酒屋はほとんど無い)。
オトガルでわらわらと寄ってくる子供たちに宿の名前を言うとまず間違いなく連れて行ってくれる。チップを渡すかどうかはその人次第。宿からいくらかもらっているかもしれない。
入った部屋は洗濯物を乾かすスペースから丸見え(窓越しに入ってこれる)だったが、従業員に「毎日洗濯すごいんだよ」とか笑顔で話し掛けられるとなんとなくまあ良いやと思ってしまった。女性はしっかり部屋をチェックすること。
時間の無い人はここでツアーも申し込むことができて、ぼくが参加したのはイサクパシャと周辺&クルド人村訪問で20ドル。メテオクレータは結構遠いらしく10ドル程度追加、アララト山のトレッキングは要相談だそうだ。
ADD:Belediye Caddesi No69 DOGUBEYAZIT
TEL:(0.472)312 50 80

7月26日へ トップページに戻る 7月28日へ