7月12日  腹の様子をうかがいつつダマスカス観光を敢行 今日の一枚を見る

 朝は7時から街の散策に出ようと思っていたが、体からの若干の抵抗もあり実際に出れたのは9時を少し回ったくらい。
 まずは入国当初より考えてた以上に大奮発してしまったダマスカスでの宿泊代をフォローするために、銀行へ両替に行く。幸い近くの大きな交差点に銀行があったので、外国人用らしい窓口でT/Cの両替に挑戦。
 しかしカウンターのたらい回し。ミスなんたらのカウンターへ行けやら、ミスターなんたらのカウンターだとかアシスタント・マネージャーに聞けとか、もうめちゃくちゃ。当然イライラしてくる。でも自分のどこかで「待て待て、ここは日本ではない。こんなのは当然だ」という自制が働いていて、自分自身の対応はかなり穏便ににこやかにと心がけていた。

 T/Cを買った時のレシートが必要だということでなんたらマネージャーの部屋で色々と質問される。
 そんなものはもらった覚えがない(実際は重要書類だとは知らずに日本に置いてきた)ので必死になって自分の身分を説明して、ようやく50US$だけという条件で両替ができることになった。
 しかしまた問題発生。パスポートを提示しろと、今考えればあたりまえの要求があった。
 実はぼくのパスポートはホテルのレセプションに預けていたのだ。というのも、レセプションのおばちゃんにパスポートを置いていけと言われて−ぼくは警察に職務質問されたらどうすると反論したが、ホテルのカードを見せればオッケーだという返事で−そのまま預けてさせられていたのだ。
 おばちゃんの言うようにホテルのカードを見せたが結局ダメ。首を振りながら「アイム・ソーリー」で終わり。
 息が荒くなるくらいイライラして銀行を後にしたが、両替して現地通貨を手に入れないとにっちもさっちもいかない。そしてシリアでT/Cを両替するということも経験としてやっておきたかったので、ホテルに戻り銀行での顛末を話してパスポートを取り返した。
 おばちゃんはホテルに戻ってきたらまたパスポートを預けるように言っていたが、とりあえずわかったと返事して心の中では「絶対渡さん」と誓った。もしこれが警察だったら今頃「署」に連行されていたかもしれない。

 銀行へ戻り、さっきの担当者数人(カウンターのほとんどはたらい回しの時に話しているのでみんなぼくを知っている)にパスポートをちらちらと見せながら、威風堂々、なんたらマネージャーの所へ直行してサインをもらう。
 そのパスポートもかなり長い時間チェックしていたが、そんなにT/Cでの詐欺まがいが多いのだろうか。そんなに悪さしている外国人:日本人が多いのだろうか。ちょっと心配になった。
 そんなこんなで今度はスムーズに終わるかと思っていたが、またミスなんたらとミスターなんたら、更になんたらマネージャー数人へサインをもらいにまたたらい回し。その上何度か指示された列に並びようやく2540SPを手にする。
 結局銀行を出たのは11時前、50US$の両替をするのに1時間半かかった・・・

シャイ  精神的にかなり疲れたがそのまま郵便局へ行き、アレッポで買った石鹸を日本へ送付(820SP)。いくつかのカウンターへ行かされたが大体予想していたのでこんなもんかと思う程度。まあ日本だと大問題だろうと思うが、一般のアラブの人たちは困った風を装っていると必ず助けてくれる。

 やっと1kgだけだけど荷物が軽くなった。
 近くのヒジャーズ駅中にある喫茶店で写真(左)のシャイを飲んで休憩。シリアでは「チャイ」ではなく「シャイ」と発音するようで、トルコに比べて量も多い上に砂糖も半端でない。ボールペンと比較して欲しいのだが、砂糖の量がすごいでしょ(^^;
 ちなみに写真に写っているのは、2杯目のシャイと1杯目の残りの砂糖と2杯目で追加された砂糖。

 書き物をしながら2杯のシャイを飲んで宿に戻る。
 宿のテレビでは日本の参院選の模様が放送されていて、レンホウと竹中平蔵の当選シーンが繰り返し流れていた。
 なぜ日本の参院選のニュースがシリアでこれほど流れるのか不思議だったが、Jリーグの結果でさえ見れるんだからそれほど大げさなことでもないのかもしれない。少なくともシリアにはそれを「見たい」と思う人が、日本に興味ある人がそれだけいるってことは確かなようだ。

スーク ウマイアドモスク
 中々体のほうは完調とはいかないが、それでも再び観光に出て写真(左上)の旧市街スークへ。
 街中ではそれほど感じなかった視線をここではそれなりに感じる。カモだと思われているのかただの貧乏人だと思われているのかどうかわからないが、客引きがわらわらやってきたりはしない。カメラを取り出すとニコヤカにこちらを見る人がぐっと増える。

 さらにイスラム第四の聖地である写真(右上)のウマイアドモスクへ足を伸ばす。
 参拝者と観光客ががひっきりなしに訪れているが、ここでも数人の白人が余りの露出に入場を拒否されていた。 いくらなんでもノースリーブとショートパンツでは、そりゃいかんだろ。普通に観光するだけでも問題ありそうなほどだ。

 モスクの中で座っていると祈りの時間になった。
 すると男性はずっと前の方(多分メッカのある方角)へずずっと進み列を作ってお祈りをして、女性と小さな子供たちは後ろの方に残ってそれぞれバラバラでお祈りをしていた。某男女平等論者が見れば卒倒するだろうその光景を、ぼくはごく自然なものとして受け入れることができた。理由は無い、ただ「そういうもの」なのだ。

サラディン  写真(右)のサラディン廟を見学。勘違いした狂信者の殺人集団である十字軍(言い過ぎか)からアラブの地を守った英雄がここに眠っている。訪れていた家族の父が自分の子供に何やら熱く説明している光景をここで何組も見た。欧州の白人からみたら悪人であろうこの人物は、アラブでは英雄なのだ。

ハンマーム  続いてスークに戻って、未だにトルコでは未体験のハマム(シリアではハンマーム)に挑戦。ということで写真(左)のお店にぶらりと立ち寄ってみることにした。
 観光客相手の商売も少しはやってくるようで、いくつか英語での説明もあった。ちなみに店の名前は「ヌールッディーン」。

 別料金でサウナもどうかと聞かれたが、既にハンマームそのものも温度の低いサウナのようなものなので断る。ぼくはそれほどサウナという場所が得意ではないので体験気分では既に十分だった。
 適当に体を洗ったり水を浴びたりして過し、最後にシャイを飲んで終わり。かつての日本の銭湯ように男たちの社交の場でもあるようで、写真も撮ろうと思えば撮れたようだがやめておいた。
 総額295SP、約6US$、安いなと思ったがそれは大きな勘違いで日本の銭湯よりかなり高いことに気が付いた。現地の人が頻繁に使える値段ではないと思うので観光客値段だったかもしれない。

 ちょっとすっきりしてさらにスークの散歩を続ける。スーク・ハミディーエからスーク・マダハット・パシャを行ったりきたり。買い物もしようと思っていたが、店の方がそれほど売り込みに熱心ではないのでなんとなく買いそびれ、ただただぶらぶら歩き続ける。

大丈夫か  写真(右)はその散歩の途中で撮った一枚。かなり傾いているのだが大丈夫なのか?
 傾いてはいるが、よく見ると1階と2階のあいだに見える補修されたらしきラインもその傾きに合わせてある。傾いてしまったが、それをそのまま活かして使っているように感じたが、どうなんだろう。ちょっと前で眺めていたが、このことでは誰も助けてはくれなかった(^^;

 暑くて大変なので買い物はしないがアイスクリームは食べる。ハンマームを除けば、この大きな市場で唯一の買い物だ。
 1個25SP、これは現地価格であることは他のお客の支払いをみて確認した。
 少し意思疎通ができずナッツを存分にかけらてしまい、コーンと合わせて本当に久しぶりの固形物を体内に流し込む。それにしてもイスラム圏の甘いものは本当に美味い。男たちが嬉しそうに食べるのもよくわかる。元来甘党のぼくにとっても非常にありがたい。

 インターネット屋を覗いてみるが満員だったので後回しにして宿に戻る。お腹が微妙な雰囲気を見せ始めたので急いで部屋に戻ろうとするとレセプションのおばちゃんが呼び止めてパスポートを渡すように要求してきた。
 軽く拒否しているうちに急降下攻撃の足音がはっきり聞き取れる状態になり、早く部屋に戻るために泣く泣くパスポートをレセプションに預けることにした。
 そして部屋に入ってほっとするのもつかの間、本格的な急降下攻撃が始まる。まだ固形物は早いようだ。

 トイレとベッドを何回か往復しながらフィーゴの何かを記念するサッカーの試合を見る。
 フィーゴ、ルイ・コスタ、F・コウトらのポルトガル勢、グアルディオラ、L・エンリケ、さらにはガスコイン、なんとF1のシューマッハも、そして更に最後の10分にはサー・ボビー・チャールトンまで登場。試合は3対3で終了したお遊びのチャリティマッチか何かだったが、メンバーがメンバーだけにちょっと興奮してしまった。

 そして試合が終わるともう夜12時、おなかの調子も良くないので今日はこれで眠ることにする。
 ・・・グルグルが続いて中々寝れず、最後に時計を確認したは2時過ぎでそのあとは覚えていない・・・

 シリア シリア/ダマスカス フレンチタワーホテル 2004年7月11,12,13日泊
フレンチタワーホテル フレンチタワーホテル
宿泊料3泊で100ドル、エアコン・バス・トイレ・テレビ付
クラックデシュバリエで何かにあたってしまい、お腹急降下の中息も絶え絶えたどり着いた中級ホテル。言い値ではなんと1泊36ドル! のところを急降下状態で3泊100ドルまで値切って宿泊(ほんとにギリギリだったので部屋も見ずトイレに直行)。ダマスカスのバスターミナルで声をかけてきたタクシーで30ドル〜40ドル程度でエアコン付、と指定してつれてこられた。普通なら入ることは無い。
値段が値段だけにある程度セキュリティらしきものもあるが、問題がある。それはオーナーの女がパスポートを預けるようにしつこく言ってくること。銀行でT/Cの両替をする際にも、そして街中でポリに職務質問された際にもパスポートは携帯必須な国なのにそんなことを言ってくる。なんとか拒否したが、向こうさんもホテルのカードで代用できるとい言って本当にしつこく結局は預けてしまっていた。
ADD:Damascus-29 May street near coffe Alsiyaha  TEL:2314000

7月11日へ トップページに戻る 7月13日へ