7月10日  天空の城は朝陽に映えるか夕陽に映えるか? 今日の一枚を見る

 10時半に昨日のガイドのオヤジがバスステーションまで送ってくれるということなので、その前に郵便局へハガキを出しに行く。
 途中にあるシタデル・ホテルに宿泊している日本人がテラスで朝食を食べていたので挨拶をすると、その彼と会話していたシリア人が郵便局は閉まっていると言う。
 だが実際行ってみると普通に業務していてハガキを受け付けてくれた。ただ対応した人以外に人がいなかったから、臨時で開いているのかどうか事情はわからないが、ハガキを出すことはできた。そしてきちんと日本の送り先まで配達された。
 ハガキ何枚かの切手料金は51SP、1SPはおろか小銭を余分に持ってないので100SP出すと、向こうさんもお釣りが無いらしくちょっと悩んだ末に50SPで良いということになった。両替して来いと言われるか内心ビクビクしていたが助かった。こういうとこも結構やさしい。

シリアのトゥクトゥク  写真(左)はパルミラ観光をした際に利用したツアーのトゥクトゥクです。オヤジもコクピットにてニッコリしてます。観光客が少ない時期で喜んでいたのでぼくもよしとしよう。

 オヤジが迎えにくるまで、さっきの日本人(ヨコハマ君にしよう)が朝食を食べていたシタデルホテルのテラスでそのヨコハマ君と旅話。エジプトをスタートして中東そしてキプロスまでを20日で回る、これも結構忙しい旅のよう。ぼくのコースをほぼ逆に動いているということもあって、それぞれの情報を交換。
 ヨコハマ君も今日出発ということなので、送ってくれる予定のぼくのトゥクトゥクでバスターミナルへ、そしてホムスまで一緒に行くことになった。バスターミナルまで歩くつもりだったヨコハマ君には感謝されっぱなし(水のボトルをプレゼントしてもらった)。旅は道連れっすよ。

 ホムスまで古臭いボロバス一人50SP。ぼくとヨコハマ君とシリア人3人の計5人が最後列にぎゅうぎゅう詰めで座る。狭くて暑い。
 2時間しないうちにホムスに着いたので良かったのだが、これでもし5時間6時間ならかなりまいっただろう。
 ホムスはホムスでもアレッポから着いたときとは違うバスターミナルだったのだが、ドライバーも親切に集まってきたシリア人もみんなここはホムスだという。まあ本当なんだろうということで次の行き先であるクラック・デ・シュバリエ行きのバスを探す。
 ヨコハマ君は大都市アレッポへ向かうのですぐにバスが見つかり(というよりそのバスまで連れて行ってくれるシリア人が必ずいる)ここでサヨナラ。

 ぼくが一生懸命に言う「くらっくでしゅばりえ」はまったく理解してもらえず、何度もダマスカスかパルミラかアレッポかと聞かれ、あげくダマスカス行きのバスに乗せられかけた。何人かがぼくを取り囲んで、ぼくの発する「くらっくでしゅばりえ」を聞き取って理解しようとしてくれるがうまくいかないらしい。
 そうこうしていると、それなりに身なりのいい青年がちょっとましな英語で助けに来た。
 その青年も最初はよくわからない様子だったが、何かの単語で理解し、クラック〜へ行くというミニバスまで案内してくれた。観光地としてはまだまだのようだ。

 ミニバスには既に白人が4人。聞くとオージー2名にセルビア人とハンガリー人が1人ずつ、どうやら乗り合いバス(セルビス)のようで、あと何人かの乗客を待ってから出発するというので車内に入ってみんなに挨拶しつつ他のお客を待つ。
 30分ほど待ってやってきたお客は韓国人で3名、これで晴れてほとんど満席となり出発できることになった。ちなみに料金は1人25SP。

 乗客同士で雑談しながら小一時間でクラック・デ・シュバリエ城の目の前に到着。ぼく以外の同乗者はみんな日帰りの予定で早速城内へ向かうが、ぼくは近くのホテルに泊まるつもりで、ドライバーの言うホテルのある方向に向かって歩き出す。
 レストランらしき建物の横を抜け丘の斜面に沿った野道を500m、その丘をはさんだ向こう側のホテルに到着してチェックイン。道中はトゲトゲした植物が沢山あって、よけながら歩くのがかなりわずらわしい。舗装された道もあるにはあるが、相当な回り道になるのでレストランの従業員が指差しで教えてくれた道だったが、途中で何度もこの道で良いのだろうかと不安になった。

 宿ではちょうど昼飯の時間だったらしく、グッドタイミングであらわれたぼくは、ピラフと数品の惣菜という豪華な食事を一緒にいただくことができた。
 しかしここの宿代は結構高く、部屋のテラスから城が見える部屋は1泊750SP。非常に悩み、値切ることも試みたがあえなく玉砕。さらに悩んで結局その高価な部屋に決めた。もちろんエアコン完備でテレビまで見れる。

クラック1 クラック2
クラック3 クラック4
 心地よいのでゆっくりしているとあっという間に夕方の5時。
 大急ぎで写真(上)のクラック・デ・シュバリエ城の観光に向かい、入り口にてイスタンブルで作ったあの怪しいステューデント・カードを提示して見事学生料金(10SP)で入場。
 内心ほっとして歩みを進めようとすると、後ろから係りの人に声をかけられたので「やっぱりかぁ」と諦めて振り返る。
 とその係りの人は、戻ってくる時間も合わせてあと30分くらいで観光してくださいと丁寧に教えてくれた。

 写真(左上)はホテルのテラスから城を撮影。
 写真(右上)は迷路のような城内。
 写真(左下)も同じく城内。なんとなくラピュタっぽいかなと。
 写真(右下)は城壁から下に広がる街を望んで。

 小走りでささーっと観光。他の観光客がいない。さっき一緒のバスで来た連中は既にホムスに戻ったようで見当たらなかったし、(言葉の感じで)フランス人っぽい女性2名とガイドが1名、絵葉書売りが2名、これだけしか人間を見つけられなかった。その静けさは本当にラピュタのような雰囲気。

これか?  早足観光を終え、ぼくがゲートを出てすぐにクローズになってしまった。どうやらぼく待ちだった模様(^^;;
 急いで観光したのでのどがカラカラ。観光客相手のドリンク屋でちょっとぬるくなりかけてるダブルコーラなる黒い炭酸飲料を10SPで購入。午前中には氷で一杯だったろう簡易冷蔵庫に溜まった水は既に茶色になっていて一瞬引いてしまったが、あまりの乾きに一気飲み。正直美味くない。

 写真(右)のチキングリルとサラダと水。本日の夕食(150SP)です。
 ホテルの系列のレストランで気合の入った食事。めちゃめちゃ安くそれなりに美味い食事ができて幸せな気分だが、食べている途中でおなかの具合が芳しく無くなってきた。ギュルギュルーーーッ(や、やば・・・)

 急いで失礼の無いレベルまで口に突っ込んで、店を出て宿に向かう。お腹は小康状態と激ヤバ状態を繰り返しつつ、その間隔をだんだんと縮めてくる。脂汗の出るこの恐怖は、体験した者にしか分からない。
 途中で地元の子供たちに呼び止められ、ペンをせがまれる。この非常時にぃ、とできるだけにこやかな顔を作りながら今までほとんど使わなかった蛍光マーカーペンを1本あげてその場を切り抜ける。これはまさに非常時だ。。。

 旅先で何度も襲われた腹痛の中でも今度はかなりレベルが高い。ミャンマーで体験したのと同じようなレベル。
 しかし、どうにかこうにかギリギリのところで部屋までたどり着き、(大きな声ではいえないが)直行。
 一旦落ち着いたので明日の移動を考えて洗濯もしておくが、断続的に腹は急降下爆撃を繰り返し、おまけに体調も優れなくなってきて熱も出てきたような気がする。これって普通に病気かもしれない、ははは・・・(T T)ってマジ本気でヤバイぞ。

サンライズ  小一時間格闘し、出すものは全部出してとりあえず落ち着いたので、昼間に注文してあったビールを受け取り、晩酌を開始(してしまう)。
 夕方のクラック〜城の写真を撮りながらテラスで飲むビールは確かに美味いが、流石に全部は飲めずそのまま倒れこむように就寝。頭がクラクラしてきたので楽しみにしていたサンセットはすっかり忘却のかなた。

 そして気が付けば夜中の3時半。ぐっすり寝て少しましな感じがしたのでテレビでサッカーを見ながら、いつのまにかまた就寝。今度は日の出の時間をちょっと過ぎた時間、写真(左)の遅めサンライズをフラフラしながら撮影。すぐにまたベッドに倒れこむ。これは今日の移動は無理かな・・・
 せっかく高い金を払って楽しみにしていたサンセットもサンライズも、その瞬間を見ることができなかった。なんという不運。もう一日ということも無いでは無いが、この悪循環を断ち切るためには、この不運も受け入れようという気持ちのほうが強い。

 翌日の朝まできてしまいましたが、話の流れ的に延長しました。ご了承くださいませ。
 それにしてもミャンマー以来の急降下、めちゃめちゃ苦しかった。
 原因はあのダブルコーラかチキングリルとサラダのどちらかなんですが、さてどちらでしょう?
(今日の一枚の日付がずれているのは記憶のズレです。ごめんなさい)

 シリア シリア/クラックデシュバリエ ビバルスホテル 2004年7月10日泊
ビバルスホテル ビバルスホテル
宿泊料1泊で750シリアポンド、エアコン・バス・トイレ付
「ラピュタ」のモデルとも噂の高いクラックデシュバリエ城が、谷をはさんで真向かいにあるこのホテルからばっちり見ることができる。このすばらしいロケーションのために物価の安いシリアで750シリアポンドも支払う。城が見えない部屋は500シリアポンドと割安。値引き交渉はタイミングを逃して失敗(タイミングはかなり大事)したが、昼時に着いたので簡単な昼食をご馳走してもらった。
クラック〜城に近い場所に同経営のレストランもあるが、今来たばっかりの道を戻らなければならず少々億劫。外見はとてもホテルには見えないしサービスと言うほどのものも無いが、部屋はまずまずでベッドも大きい。何より、ここからの眺望のみでここに泊まる価値はあると思う。また冷蔵庫もあるが、コンビニなどという便利なシロモノは無いので、それは宝の持ち腐れといったところ。
特に夕陽と朝陽は必見らしいが、ぼくの場合は運悪く体調も天候も良くなかった。
ADD:カードに住所無し  TEL:00963-31-741201

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