7月8日  アラブ入国。感激フルーツジュース、すべてが激安!! 今日の一枚を見る

 朝6時に起きてパッキング。20分に朝食に出たが、まだ準備中でキッチンらしい奥のほうだけに電灯がついている。
 トロトロと準備にいそしんでいるおっさんに「朝飯いいかな?」という顔をすると、ニコっと快く先にセットしてくれて少し早めの朝食を食べることができた。ありがたい。

 食べてすぐ6時45分に宿を出る。初アラブに向けて順調だ。
 オトガルではHAS(バス会社)の連中がアレッポは9時だ「ないん・おくろっく」だとしつこく言ってくるが、7時発のJETのバスがあるということは前日調査済みなので[JET]と看板のあるほうに歩いていく。
 するとどこからともなくおっさんが現れて「はらーっぷ?」と聞いてくるので、ぼくも「えべっ(と)」と答える。
 近くにいたドライバーだと言うおっさんを連れてきてこいつのバスに乗れと言われ、さらに言われるがままそのドライバーにパスポートを渡して請求された5MTLを支払う。ちょっと怪しいなと思ったが、余りにスムーズな手際の良さでパスポートまで渡してしまった。
 できるだけそのドライバーを見失わないようにくっついて歩き、残ったトルコリラをシリアポンドに両替、8MTLを250シリアポンド(以下SP)、さらに10US$を500SPに。1US$で50SPという非常に簡単なレート。もちろんアンタクヤでの闇両替だが、現地でもほとんど同じ。

イミグレ  バスは満席で、時間通りに7時に出発。ぼくのパスポートを持ったドライバーがきちんと運転席に座った。

 すぐにトルコ側のイミグレに入り手続きのためにバスを降りる。約30分でとっても簡単にトルコ出国。さらにシリア側のイミグレに移動して手続き。こちらは1時間ほどかかった。
 写真(左)はシリアのイミグレの建物から撮ったゲートに並ぶ入国希望の車列です。車両は先に国境を越えて待っている場合が多いみたい。またその辺りにいる人たちは手続き待ちの人々です。

 手続きのパターンはトルコ側シリア側とも同じだったので以下に簡単に。
 まずパスポートを渡した代表(今回はドライバーだった)が事務所に行き、なにやら手続きをする間待っていると次々に名前を呼ばれて処理されたパスポートを受け取る。日本人の場合は名前ではなく「じゃぽーん!」とか「じゃぱにー!」とかで呼ばれることが多い(^^;;
 やけに簡単だがそれで終わり。中々呼ばれなくてやきもきするかもしれないが、係員の声が聞こえる範囲にいれば(多分)いつか呼ばるはず。特にシリアの場合は待ち時間がトルコに比べて圧倒的に長いので心配になるかもしれないが、(多分)大丈夫でしょう。なんとなく、この辺りで待っていればというポイントが感覚でわかると思う。

 先に国境のゲートを越えて待っていたバスに乗り込む。この際バスを間違える旅行者や、イミグレの写真などを撮ってる旅行者をバスが置いて行ってしまったこともあったそうなので注意が必要。あまりトロトロしてられない。
   ん?でもバスがさっきより混んでるような気が・・・明らかに人数増えてるけど、どういうこと?

 10時頃なんともスムーズにシリアはアレッポに到着。バスを降りた瞬間からタクシーの客引きが何人かやってきたが、とりあえず落ち着こうということで一言「のう」と言えばあっさり客引きは去っていった。んんーなんだか簡単だぞ(←こういう勘違いが後で痛い目に合う前兆)。
 降ろされた場所がよくわからなかったが、旅行者用のインフォメーションが近くにあるようでそこに向かい情報収集しようと思ったが余り有効な情報をゲットできず。まあまだ朝だしどうにかなる、ということで近くをバックパックを担いだまま散策してみる。
 となんともラッキーなことにいくつか頭にあった安宿の一つである、スプリング・フラワー・ホステルを発見。どうしようかなと歩いているだけで見つけてしまうところが恐ろしいが、本当になんとかなるので説明がつかないところがもどかしい。
 ドミトリー1泊175SPで入り、階上にあるテラスでセブンアップのコーラを飲む。うう生き返る

 先客のシーツを中々換えてくれないので、シャワーを浴びて一旦散歩に出る。
 目標はスーク(市場)だが途中で道がわからなくなって断念。まあいいかと思って宿周辺を歩いて、ミックスフルーツジュース大40SPと小さめのパンで軽い食事をして再び宿に戻る。
 宿に残されているガイドブックでスークの位置を確認しておいて、ちょっと部屋で休憩してると、同室のオージーが「アイム・シック」とか言いながらうんうんうなされている。他の同室のカナダ人とフランス人も心配しているが、オージーがエアコンをつけて欲しいということを言い出したのでオーナーと相談して、一人50SPの追加でそれが可能になるよう交渉した。やっぱりエアコンの冷風は何事にも変えがたい。50SPくらいの追加ならまあ良いだろう。値切ろうと思ったらカナダもフランスも迷い無く速攻でオッケーと答えた。
スーク1 スーク2
 写真(上)は一度あきらめたアレッポのシーク内で撮影した写真。結構それなりなアーケードもあったり、うす暗くて細い小道があったり、さながら迷路のようになっている。
 宿の居心地があまりよくない(何度か白人至上的扱いを受けたと情報ノートに書いてあるのをみた)のだが、あまりに暑くてやたらめったら外に出歩くこともしたくない。仕方ないので道順を確認したスークに行って、お土産として有名なアレッポ石鹸だけ買って日本に送ろうと考えて出陣。

 いくつかの石鹸屋をのぞいて軽い交渉をする。大体星が6つクラスで1kg220SPとか5つクラスの3年もので1kg200SPとかいうレベルだが、星なんてものは工場が勝手につけるのでそれほど意味は無いというような話も聞いた。
 いくつかの店で実際に実物を見せてもらい、話の合うヤツがいる店と日本の外交官御用達みたいなことを言ってた店のどちらかに絞って考えることにした。値段の違いにそれほど大きなものはないし、あってもこの物価では日本人にはまったく響かない。質に関してもぼくにはまったくわからない。店側が自信満々で出してくるモノの香りを嗅がせてもらうと確かにいい香りはする。

アレッポ城  一旦スークを出て写真(右)のアレッポ城まで歩く。暑さはもう強烈で、普段まったく被り物をしないぼくも流石に帽子が欲しいなと思ってしまう。
 でもここで目に入る帽子を買っても、日本はおろかイスタンブルでもこっぱずかしい思いをするだろうというデザインの帽子しか見当たらない。ので、帽子の件は頭の隅に追いやって観光を続ける。

 アレッポ城も暑さに負けて下から見るだけにして、近くのハンマームの写真を撮って(当日は女性デーだったので明日来いと言われた)またスーク内に進入。
 土産物をいくつか、買わないのに値段の交渉をしつつ、明日金曜日はシリア国内のほとんど全てのお店が店を開けないという事実を知る。そういうことプラス、宿に対するマイナス面も考えてアレッポに滞在するのは今日1日だけと決めたので、石鹸を買いに戻る。

 途中、少し怪しい闇両替屋が出てきて1Eを61SPという特別良い訳でもないレートを提示してきたが、リスクを考えてかたくなに拒否した。ぼくも調子に乗って受け答えしてしまい別室に連れて行かれてちょっとあせったが、向こうも危険なことはしなかった。まあそれがあたりまえなのかぼくがラッキーなのか、それはぼくにはわからない。

 本当に暑いので宿でシャワー、そして冷たい飲み物。宿で働いているアラブ系のフランス人(いやオランダ人やったかな)が「ナカァタ」「オノォ」とかなりしつこい。まじめな顔で、先月「ナカァタ」がこの宿に来てサッカーをやった。そして自分が勝ったとか言う。適当に話を合わせていると悪乗りしてくるので結構たちが悪い。日本人が怒らない(余り主張しない)民族だと知っているのかもしれないが、白人が見たらからかわれているようにも見えるだろう。
 明日が移動日でお店がほとんど閉まるということで、現金を持っておこうと宿でT/Cの両替をお願いする。50US$のT/Cを2450SP、かなり金持ちになるが、予定通りの貧乏旅行をしてると使い切るのが大変な額。両替のレート的には良心的な宿だったが、うっとおしい従業員と時折見せる白人優先な雰囲気が良くない。安宿界では結構有名なだけに少し残念だが、そういう現実を自分で体験するのも旅で得る貴重な財産になるのだろう。

フルーツスタンド  今度こそ本当に石鹸を買いに再び外出。エアコンの効いている部屋から出るのにちょいとした勇気が必要だが、自称病人が同室なんで部屋にいるのも結構気がめいる(^^;
 近くにある写真(左)のフルーツスタンドでまたまたフルーツジュース大40SP、新鮮なフルーツの生絞りジュースがこの値段で飲めるということもあって何度か足を運ぶことになる。そして軽食も食べれるこのようなフルーツスタンドが街にはいくつもあって非常に便利。

 チェックしておいた星6つの石鹸を1kg200SPで購入。交渉で20SP下げたのでまずまずの買い物をしたつもり。昔半常連化していたバーのマスターに似ているので写真を撮った店のおっさんが「これでオレも日本で有名人だ」などと抜かしていた(残念! ここまで読みすすめた人は皆無だろう)。今日の一枚参照。

 早速日本へ送ろうと郵便局へ向かうが、なんと既に閉まっている。あらあ明日は金曜で公共機関である郵便局は間違いなく休み、ということは丸一日プラス1kgハンデを背負っての旅となってしまった。
 仕方なく宿に戻り、訪れた都市から必ず1枚は送ると決めていたポストカードを売ってもらおうと、従業員に尋ねてみるが「ボスにきけ」としか答えない。探してボスに聞くと「ノン」だと言う。おいおい、無いなら手下でもわかるやろうが。
 さらに明日の目的地であるホムスまでのバスチケットの手配を頼むとそれも「ノン」。なんだこの宿。バスの時刻表を張り出すなら手配くらいしてくれても良いと思うのだが、そもそもチケット予約制度のようなものも無いような気がする。

 時刻表でチェックした朝8時発のホムス行きに乗るために少し早めに寝ることにする。晩酌は1缶85SPのビールを2缶、汗をかくので吸収も早いのだろうか、すぐに軽く酔い、そして眠くなる。この機を逃すと完全に酔うまで眠くならないのですぐに部屋に戻りベッドへ。病人はいなかったが、気にせず就寝zzz

 シリア シリア/アレッポ スプリングフラワーホステル 2004年7月8日泊
スプリングフラワーホステル スプリングフラワーホステル
宿泊料1泊で175シリアポンド、ファン・バス・トイレ共同
オリーブ石鹸で有名なアレッポの、これまた有名なユースホステル。日本人や韓国人も多いが、各地の情報ノートにたまに書かれるように感覚として受ける白人優先主義は変わってない様子。ぼくが入ったときも、忙しいのか相手にされてないのか前客のシーツ換えを中々やらなくて困った。さらに「ナカァタ」「オノォ」としつこい従業員もいるので適当に相手しなければならない。さらにルーフにはいつからいるのか完全なヒッピーもいた。
ぼくの入った部屋はドミ4ベッドで男のみだったが、ここはどの部屋でも男女同室になる可能性があるそうだ。またエアコンもあるにはあるが、それを動かす際は同室全員の同意のもとオーナーと相談し、一人+50シリアポンドで可能。うれしいことにT/Cの両替はそれほど悪くないレートでやってくれて、その点はポイント高い。まあ長居は無用というところ。

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