6月21日  リラの僧院は良かったがタクシーにぼったくられる 今日の一枚を見る

 朝9時に出発の予定で、シャワーやパッキングなどを考慮して8時に起きる。ぼくの目覚まし(携帯電話。ちなみに曲は[Listen to What the Man Said])で近くの非常に無口だった白人青年も起こしてしまう。結構神経質な体質のようだ。

 洗濯物を取り込んでパッキング。オーナーにリラの僧院に行って来るけど帰ってくるまで荷物よろしくとお願いした。
 一昨日の夜、大変ショッキングな出来事を目の当たりにしたオランダ人は、仕事でソフィアに来ている実はビジネスマンでなんと[BODY SHOP]の店舗を出すために営業しているんだそうだ。おう、なんでこんな安宿に泊まってるんだ?

時刻表  宿でオーナーに聞いた情報によるとバスターミナルからリラに向けてバスが出発する時間が10時20分。
 まず宿からトラムの駅まで歩いて5番のトラムに乗り、周囲を注意しながらバスターミナルの駅で降りる。ターミナルの場所はわかりにくいが、周囲の人が「あれ?ここじゃなないの?」といった顔で見てくれるので駅を間違える心配がない。ありがたい。
 で写真(左)はそのターミナルにある時刻表。文字がまったく読めなくて時間のみしかわからない。それだと行き先がわからないのであんまり意味がない。

 ターミナルへは滞りなくバスの出発時間の50分前に到着。ターミナル内をぶらぶらしたり、ちょっと町を歩いてみたりしてるとあっというまに定刻でバスは出発。
 チケットは5LEV、バスの乗客は全て観光客のようで、若い白人グループが2組、韓国人カップル、そしてぼく。白人同士はそのうち意気投合して、単体でも十分うるさかった騒音に余計拍車がかかる。
 バスは豊かな自然の中を快調に進み、ぼくも酔いの傾向をまったく感じることなく12時20分リラ村に到着。

 今の内に現金を持っておこうとキャッシングマシーンの前へ。・・・残念[OUT OF SERVIS]ということで店のおばちゃんに言うと銀行へ行けと言われる。
 しずしずと銀行へ向かうがちょうどお昼で営業していない。人もいない。みんな自分の家で昼飯なんだろうか。

 白人達が食事している店で値段を聞いてみると、まあそれなりの値段でぼくも手持ち現金ではそれほど食えない。
 困ってるとバスのドライバーが20Eを38LEVでどうだと言ってきた。ちょっとレート悪いけど、もしソフィアに戻るのが列車ギリギリになると両替ができなくてまた困るのでとりあえず当座の38LEVをゲット。
 そんなことをしてるうちに、リラ村からリラの僧院行きのバスの時間になる。料金は別で1.2LEV、ドライバーは同じで帰りは僧院からソフィアのバスターミナル直行になるんだそう。まあここで昼飯食ってお金落としてねということか。

中央市場 定番の飯
 リラ村から僧院まで山道(舗装はされています)を40分、写真(上)の世界遺産リラの僧院に到着。左の写真は入り口のゲート(右の写真の左下部分)から撮影。見てのとおり独特の雰囲気がある。
 ちなみにこの乗ってきたバス、途中は現地に住む人の移動にも使われていて、何度も停まって人が出入りする。ぼくの場合は40分で到着したが、この出入りの頻度でかなり到着時間は違ってくると思う。

 この独特の雰囲気を友人に伝えようと売ってある絵葉書を買い、ポストもあるので切手を探してみるが、その大事な切手だけ売ってない。ぼくは切手を持ち歩く旅行者はそんなにいないと思うんだけど、それは日本の郵便事情に甘えきっているからなのかなあ。そんな簡単に手紙を出せると思うなよってことなのだろうか。

花  昼3時に帰りのソフィア直行バスが出るとさっきのドライバーが言ってたのでそれまで僧院内を歩き回る。住み着いているネコとちょっと遊んだり、泊まりにすればよかったかなと雰囲気に酔ったりした。
 写真(左)は聖母教会の天井画。内部もかなり気合の入った教会で、写真を撮影できる外部壁面も(わかるかな)このように宗教画の嵐・嵐・嵐。非常に綺麗で色使いも印象に残るので見ていて飽きない。
 カワニシさんはこの僧院の宿坊に宿泊したそうで、早朝の観光客の誰もいない雰囲気は絶対お薦めと言っていたが、今回はやめておくことにした。ちょっと欧州に時間をとりすぎていたのでその分急がないといけない。実は中東へ行く野望もまだ捨てていなかったりするのだ。

 バスのドライバーにイスタンブル行きの列車の件を話して、急いでもらうようにお願いする。もちろんボディランゲージだが、向こうさんわかってくれたようでちょっと笑ってくれた。「せーふてぃ・あんど・あくせる・ぐうぃーん」でもなんとなく通じてしまう。
 ぼくは出発時刻の5分前、韓国人カップルは5分遅れ、白人グループは20分遅れでバスに乗り込む。おうこの白人野郎時間守れよ。
 この白人連中、バスが動き出してからも料金のことでなにやらヒソヒソ相談している。0.5LEVがどーたらこーたら、ドライバーもちょっと煩げにしているが0.5LEVが非常に大切なことはそりゃあぼくにもわかる。わかるが、その0.5LEVは一体なんだったんだろう。

 ドライバーは一番近くに座っているぼくに向かって「アクセル、アクセル」と急いでますよとアピールしてくれていた。そしてドライバーの予告時間通りの夕方5時20分にソフィアのバスターミナルに到着。イスタンブル行きの列車は6時15分発。これは本当にギリギリだ。
 ということでドライバーが事情を話してくれたタクシーに飛び乗り宿に直行。なんと「おーけーおーけー」と連呼したドライバーが宿へ行くのに迷う。おいおい。
 ようやく宿の近くで降ろしてもらい(5時45分)、料金を払おうとすると駅まで行くから待ってると言ってくれた。新しくタクシーを捕まえて面倒なことになると列車の時間に間に合わないことになる。ちょっと焦っていたのかそのタクシーに待ってもらうことを容認した。これが大ミス。
 一応メーターの値段が4LEVちょっとだったのでそれで安心したのがまずかった。確認させておけばよかった。というより一旦清算すればよかった。

 さて宿に戻っても問題があった。デポジットで支払っていた10LEVを返してもらおうとオーナーか従業員を探すが誰もいない。むざむざ5E相当も無駄にするのは痛いので、ちょっとイライラしていたら中国人の彼女といつもいちゃいちゃいていたアメリカ人がランニング&パンツ姿で(関係ないか)立て替えてくれた。
 きっちりオーナーに返してもらえるのか心配だったが、ぼくのほうもかなり切羽詰った状態なので何度も「さんきゅう」と繰り返し宿を出て、待たせてあったタクシーで駅へ向かう。

 駅までトロトロと6時着。間に合ったかとチップ込みで15LEVくらい払ってあげようかなと思っているとなんと請求は70LEV。
 おわーっやられたあーーっ。くそうメーター操作しやがった。きっちり70と表示されている。ああ失敗。
 思いっきり目をひん剥いて文句言ってやったが、相手はそ知らぬ顔。バックパックはトランクに入れられて完全にぼくの負け。パンチが出そうになるのを必死で抑えて、みんながこちらを見るのを気にもせず大声で思いっきり罵詈雑言を浴びせてやる。
 時間がないのでキャッシングマシーンに走り、70LEV払う。むちゃくちゃ悔しい。でも仕方ない隙を見せすぎたぼくも悪い。
 K1のシリル・アビディに似たドライバー、悪質だがいい勉強をさせてもらった。

 チケットを購入。売り場のお姉さん間に合わないよと言われたが走るから大丈夫と発券してもらう。なぜか昨日は55LEVと聞いていた料金が58LEVになっていたが、文句を言ってる時間はない。とかいいつつも横の店でビールとスナックだけはしっかり買い込む。だって昼もろくに食べてないので腹が減ってしょうがなかった。
 それにしても腹が立つ。650mlのビールが1LEVの国でタクシー代70LEV・・・ほんまにむかつくーっ。

国境  写真(右)はブルガリアとトルコ国境のトルコ側の町エディルネの駅。きちんと免税店もある。
 ブルガリアの出国チェックはかなり威圧的で、タクシーのぼったくりで悪くなったブルガリアの印象が更に悪くなった。全ての応答をアゴのしゃくりでやることもないだろうに。
 逆にトルコに入ってからのチェックは親切で、係員が笑顔さえみせてくれる。「ジャポンヤ、グー」とこれから何度も聞かされる言葉もここで聞いたのがはじめ。入国スタンプは駅に降りて事務所で押してもらわないといけないのだが、そんなこともちろん知らないで寝台で本を読んでいたらわざわざ呼びに来てくれたりなんかもした。
 70LEVのショックから未だ立ち直っていないぼくにそのトルコ人のやさしさが心にしみる

 さあて無事トルコに戻ってきた。
 イスタンブルでまずすることはシリアのビザを取ることだが、持参した唯一のガイドブックであるロンプラを見ながらベルガマにでも行ってみようかなと考えてみる。イスタンブルからどう動くかはまったく未定なので、色々ルートを考えるだけでもわくわくする。ビールも無くなったのでそろそろ寝よう。さらばヨーロッパ。外も漆黒の闇だ。。。。。。

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