6月13日  じだーんまえすとろ! 劇的な結果とビールに酔う 今日の一枚を見る

 船中はうるさいばかりかエアコンもガンガンに効いていたのでかなり寒く感じられたが、ビール1.3リットルのお陰で眠りにつくまでは耐えることができた。しかし朝方、到着が近いのかザワザワし始めるので目を覚ますと、なんとなくノドに違和感が残っている。ついてないけどしょうがない。防寒具をほとんど持ってきてないぼくも悪い。
 下船は非常にスムーズ。人の流れのままパスポートチェックを受け、欧州5カ国目クロアチアに入国完了。ぼくが日本人だからかチェックは非常に簡潔で他の人たちがずっと質問を受けたり荷物チェックをされている脇を抜けてさらりと上陸を果たす。

 港を出るとすぐにプライベートルームの客引きがやってくる。なんとなくこの方がぼくは安心できて良い。
 幾人かを素通り適当に視線の会ったおばちゃんと値段の交渉に入る。最初は1泊25Eだったものを20Eにしてとりあえず交渉成立。他の客を引っ掛けるのを待つのだが、結局そのおばちゃんに捕まったのはぼく一人でかなり残念がっていた。最近旅行者が少ないと嘆くおばちゃん。まあ船はガラガラだったけどね。

 両替所で20Eを142クーナ(以下[K]とします)に換金して宿に向かう。
魚市場  15分ほど歩き、結構遠いなを思ってた頃に到着。昨夜大人数が宿泊していた名残りで片付けが済んでないとのことなので一旦散歩に出ることにする。おばちゃんはそれなりに話をしてくれるが、親父はかなり無愛想な印象を受ける。
 写真(右)はそのとき立ち寄った魚市場です。魚の名前は良く知らないが、これはマグロかな。ツナというのかな、さばくのを眺めていたら値段を言ってきたので「買うわけないやんけ」と日本語で返事しながら退散。朝の早い魚市場はもうほとんど品切れ状態になっていた。

 海沿いのオープンカフェでサンドイッチを朝食として食べる。
 ぼーっと食べていたら宿のおばちゃんがまた客引きに出勤するところだったので手を振る。向こうはわざわざこちらまで足を運んできて少し話につきあってくれた(というより、一方的に向こうが質問してぼくが答えるだけなのだが)。食べ終り、軽く周辺の位置関係などを確認して宿に戻る。

 掃除がもうちょっとだと言うので庭の椅子に座って待ってると、家の中から頭を振りながら宿の娘さんが登場。聞けば昨日飲みすぎて頭が痛いとのこと。そういえばワインやビールの空き瓶が転がってたなあ。若いって素晴らしい!
 ここの宿は母屋の中にある部屋と庭に面した独立タイプの部屋があり、今日は家族客が多いかもしれないので母屋の部屋で良いかと聞かれる。まだどちらの部屋も見てないし、別にどっちだって良かったので了承、ようやく部屋に入る。
 部屋のカギがつぶれていたが、母屋の中だし家族の雰囲気からして問題なさそうだったので、一応娘さんにそのことを告げる。それにしてもここの娘さんは、テキパキと仕事をこなしながらずーっと話相手になってくれてとてもありがたい。親父の印象などすぐに忘れて娘さんの印象でこの宿の印象もかなり上がる。

トロギール1 トロギール2
 写真(上)はスプリットからバスで30分くらいのところにある、これも世界遺産トロギールです。
 左は城跡の城壁から街を眺めた写真で、右は街中ちょっと気になった路地の奥のドア。レンガ色の屋根にこじんまりした街、明日行く予定のドゥブロブニクと同じような感じ。観光客(なんと日本のツアー団体もいた)が結構いて、スプリットよりにぎやかな感じがしたが、夜はどんな雰囲気なんだろう。街の中にいくつかペンションやプライベートルームがあったので、そこに泊まって夜のトロギールもいい感じなのではないかなと思う。石畳に夜のぼんやりとした明かりは結構映えるからね。

 一時間ほど観光してスプリットに戻ることにする。来るときはトロギール[TROGIR]と行き先表示してあった観光客相手のバスに乗ったので問題なかったが、帰りはどうやら完全にローカルなバス。周りのおっさんはそのバスはスプリット(行き)だと言っていたし、ドライバーもオッケーなどと言うので乗り込る。こういうわからないときは定番の一番前に座り、怪しい方向に行かないか目を光らせる(怪しい方向に行ってもわかるわけは無いのだが)。

 途中なぜか警官に止められて15分ほど立ち往生。ドライバーや乗客が警官と話しをしている間、少し緊張しながら待ったがパスポート提示の指示なども無く再びバスは動き出し、街に戻ってきた。
 でてっきり来るときに乗ったバスターミナルまで行くんだろうと思っていたが、まったく違う場所で降ろされるハメに。ここはスプリットだと言い残して、エンジンをストップして乗降ドアを全開にしたドライバーはてくてくと去っていった。
 降ろされた地区は普通の住宅街で今風な町並みが続き、観光を主にしている旧市街との違いに驚く。とりあえず緩やかに下っている方向へ向けて歩き、何人かに道を聞きながら宿の近くの見覚えのある場所まで戻ってこれた。まあ港は低い位置にあるから大きくロストすることも無いだろうとタカを括っていたが幸い順調に戻ってくることができた。

 宿に戻るとちょうど昼食の時間で、家族みんなで庭でテーブルを囲んでいた。ぼくは部屋に戻る前にと挨拶をしたが、あの親切な娘さんがコイコイと言ってくれてお昼をご馳走になることができた。サラダやソーセージやパンやチーズや、ジャガイモの揚げたのとか中々太りそうな食事だったが、やっぱりみんなで話ながら食べると美味しい。
 ぼくの年齢を聞いてみんなびっくりしていたが、娘さんは同い年くらいだろうと思っていたらしく二度三度と年齢を聞き返してきた。そうですぼくは日本でも見た目若く見られますので、海外に出ると余計そう見えてしまうのです。良いのか悪いのか。

 食後、娘さんから丘のほうにサイクリングに行くけどどう?と聞かれたが、最近食べるとすぐにピーピーになるので一時間ほど後ならと返事した。でも娘さんは昼食後の日課にしているようで、そのあとの仕事もあるのでと一人で出かけて行った。遊びたい盛りで、いかにもやんちゃそうな弟は勉強しなさいと怒られていた。
 そうして部屋に戻って10分ほどすると、来た!予想どおりトイレに向かい恒例行事を済ませる。
 よかった若い娘さんに失態を見せずに済んで。日本男児の沽券にかかわる問題だから慎重に対処して正解だった。まあそれにしてもストレートなおなかだこと(^^;;

 すっきりして街の散策に出発。ところがシエスタのようでほとんどの店が閉まっている。人も家に帰ったかなんかで、あまり見当たらないので海のほうへ行き、ベンチに腰掛けて海を眺める。老後にゆっくりこれができたら最高だなあ。

宗教儀式  辺りが薄暗くなってきた頃、宮殿に入りちょっとまともな観光らしきものをする。地下宮殿のような遺跡や大きな城壁や教会などを見たりするが、先の戦争による被害や長い年月による風化で実際公開されている宮殿の規模はかなり小さくなっているらしい。

 写真(左)はそのあと大変な人ごみの中をかき分けてキリスト教の儀式を目撃したときの模様です。大勢の老若男女が集まっていてこの行列を見物している。何かをパラパラを蒔いていたが、よくわからない。この街の守護聖人なのか、お母さんが子供を前に押しやってお祈りしなさい、みたいなことをやっていた。

 この行列が大きな教会に入っていたので、そのまま後ろのほうからついていき説法を聞く。もちろんクロアチア語での説法なんだろうけど、周り全てが神妙な雰囲気になっている中に呑まれてしまったぼくまで聞き入ってしまった。
 そのうち我に帰り教会を後にする。ぼくが教会を出たと同時くらいに説法が終り、中にたくさんいた人々がぞろぞろ出てきた。かなりの人がこの儀式に参加していたらしく、海辺に並んだオープンカフェが一気に満員になる。しまった晩飯遅くなりそうな感じだ。。。

 ぶらぶらしつつクロアチアvsスイスを街頭テレビで観戦。大人たちはそれほど興奮しているわけでもなく少々がっかりするが、それでも数人の親父連中や子供達は母国選手の一挙手一投足に声を上げる。自分の国の代表を熱く応援する、本当にいい光景だ。
 しかしその熱い応援を受けているクロアチアチームのサッカーがあまり良くない。相手のスイスも攻め手を欠いて両チームともしっくりいかずスコアレスドロー。ジブコビッチとラパイッチくらいしか目に付かなかった。ニコ・コバチなにやってるんだという感じ。

 腹が減ってきたと同時に人も少なくなってきたと思ったら、オープンカフェは若者と観光客の酒盛り状態。おいしく飯を食える感じじゃないのでレストランを探すことにする。
 どうしてか開いている店が少ないのだが、歩き回って魚市場の近くにあるちょっと高そうなレストランを見つけて入る。150Kの豪華ビフテキを注文し、金満日本を具現化してみせる。言った後に頭の中にあるそろばんを弾いてちょっとびびるがまあしょうがない。イタリアの感覚でいると本当に感覚が狂ってしまう。

 食事中に今宵のスペシャルカードであるイングランドvsフランスが始まり、食事が終わってからもぼくはビールを追加注文し、このレストランで観戦することに決めた。ぼくは2階の席に座っていたのだが、ハーフタイムにはいるとみんな1階の席に移動していく。あれれと思ってると1階のテレビのほうが見やすく、既に店員もテレビに注目している。
 ぼくも1階に移動して更にビールを追加。なぜか店からグラッパを一杯プレゼントしてもらう。豪華な食事+ビールがぶ飲みの上客との判断かもしれないが、ぼくの顔は既に真っ赤かのはず・・・
 試合は最後の最後でどんでん返しがあってフランスの大逆転勝利となるのだが、そのときの盛り上がりは凄かった。口々に「ジダーンマエストロ!」とマエストロ連発。「悪者見参」で登場したセルビア人が言った「ピクシーマエストロ!」のマエストロだ。
 やはりユーゴスラヴィアなのだ。ジダンのプレーにも驚かされたが、こちらの人たちの反応を見て感慨深い思いを持った。

 心地よい酔いにさらに素晴らしいサッカーを見て大興奮。いいぞスプリット(関係ないか)。
 後半途中を見ているあたりから降り始めた雨は、ぼくが帰る頃には大雨になっていた。店に迷惑かなと思いつつも少し様子を見るがまったく勢いが緩まる気配がない。走れば10分かからない距離だと思っていたので覚悟を決めてよし行こうとしたとき、店の人がビニールの袋を手渡してくれた。ちょっとでも頭だけでも濡れないようにということだった。どうもありがとう、助かりました。
 それでも雨が激しくてびしょびしょになりながらダッシュで宿に到着。1階ではご家族でテレビを観ていた。日本では絶滅しかけの家族団らん風景、思わずにっこりして2階の部屋に上がり、シャワーを浴びてすぐ眠りに付く。いやあ今日も色々あったなあ。。。

 クロアチア クロアチア/スプリット ニコラさんの家(プライベートルーム) 2004年6月13日泊
ニコラ ニコラ
宿泊料1泊で20ユーロ、バス・トイレ共同
アンコーナ発スプリット行きの夜行フェリーでアドリア海を横断して、朝スプリットに到着すると入国審査の出待ちで何人かのプライベートルームの客引きが待っていますが、その内の一人だったニコラおばさんのプライベートルーム。港から15分程歩かなければならないが居心地は悪くない。小さい中庭でのんびりしてると英語が堪能な若い娘さんがよく話し掛けてくれて退屈しないし、運がよければMTBで街の散策に誘ってもらえる(中々の美人。アジア人からみればデカイがデブではない)。
母屋2階の一部の部屋はカギがつぶれているので女性にはお勧めできないが、他の部屋は問題ないようだ。また女性が多い家族らしく、シャワールームにはかわいらしい装飾が施してある。詳しくは聞けなかったが、話をきいているとどうもコソヴォからの難民だったようだ。
外見画像にある木のドアは倉庫の入り口になっていて、左奥の扉を開けて入るようになっている。
ADD:Kovacica 6 21000 Split  TEL:+385(0)21395670

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