5月28日  ドナウ川の直角ターンは大雨で見れず 今日の一枚を見る

 予想どおり飲みすぎで朝起きても酒が残っている。二日酔いではないが美味いワインも飲み安すぎては余計たちが悪い。
 今日はハンガリー旅行での目玉であるドナウ川の直角ターンを見に行く日。昨日ブダペストを十分周れなかったのでハンガリー滞在を2日延長して4日間にすることに決め(宿は決まってないけど)、シンプルな朝食を食べてすぐに出発。驚いたことに日本人の母娘が同じ宿にいて朝食時にみかけたが、いつものように無視された・・・まあいいか確かにこっちは酔っ払いだ。よしさあ行こう!

ヴィシェグラード方面行きバス  凝縮観光をするために、確かトラムにも使えたはずの地下鉄回数券10枚つづりを1200Fで購入、その足で地下鉄3番線アールパード橋[Arpad hid]駅へ向かい、そこからバスでハンガリー北部のドナウベンド地方ヴィシェグラードまで。どれくらいかかるかちょっとわからないが日帰りできる距離。
 駅からバスターミナルまで目と鼻の先のはずだが結構わかりにくく、急いでいた割に逆方向へ行ったりして少し迷う。幸い聞けば親切に教えてくれるので迷ったら早めに聞いたほうが良いと思う。

 写真(左)はそのターミナルで乗るバスを撮ったものです。地下鉄の駅から地上へ上がると空はどんよりしていて、ターミナルでバスの出発を待っている間には雨が降り始めた。
 その他に、待っている間小学生の集団がいくつか前を通って他のバスに乗って行ったが、かなりの数になる興味のまなざしにさらされてちょいと緊張する。少年はいつものようにジャッキー・チェンと言ってくるので、ぼくは必ず、彼は香港で中国人でぼくは日本人だと教えを説くように説明する。大抵その真実を知って彼らは驚くのだがどういう印象を日中それぞれにもっているのか非常に興味深い。
 また少女たちも同じようにこちらに興味を持っているのがわかる。恐ろしいくらい美人の子供たち(子供ですよ子供)に「こんにちは」と日本語で言われたときは、恥ずかしながらドキッとした。誰から聞いたのかいくつかの日本語を知っている子が結構いるようでとてもうれしい。

 予想に反してバスはほぼ発車時刻どおりに出発した。約1時間半のバス旅、雨漏りのする席があったりシートが破けてたりするのだが、それもまたこの国を断片を知るにはちょうど良い材料になる。結構乗り降りが激しいので席を譲ったり、空けば座ったりしているとあっという間にヴィシェグラードだという場所についた。バスの運転手がそう言っているので一応確認して降りたが、これがまた人気(ひとけ)があまりない普通の川沿いの道路脇。ついでに雨も結構降っていて更に気が滅入るが、来てしまった以上目的のドナウ川直角ターンを見れる場所に向かおうとする。
 人がいないのでとりあえず歩いてみるとこれまた運が良いことにオリエンテーリングというのかサマーキャンプのような子供達の集まりに出くわした。近くに14世紀から15世紀頃の王宮跡があってとりあえずそこの見学を兼ねて雨宿りする。子供達もぞろぞろと張られたテントで雨がやむのを持っているが朝からずっと降ったりやんだりなので期待薄のように感じられた。

ドナウ川ターン  写真(右)がドナウ川のターンですが、本当はもっと高い場所からもっときれいに見れます(と思います)。その絶景が見れる目標は王宮跡から見える山の上にある砦なんだそうですが、雨で霧まで発生し、砦そのものが下から確認できず見えません。かすかな期待を込めて王宮のインフォメーションの前で待ってみるが雨はやまないし霧も晴れない。
 一人でタクシーに乗って王宮跡までやってきた中国語をしゃべる男がインフォメーションで砦までのタクシーをチャーターしようとしていたので、便乗しようと挑戦してみたが非常に非情なお答え。ぼくにはとても出す気になれない言い値のタクシー代を支払ってタクシーで一人去って行った。人間としてでかいのか小さいのかよーわからん。

 雨が小降りになったが砦は霧で覆われたままなのでシャラモン塔という観光ポイントまで移動してそこから写真を撮り、とりあえずの目的を果たす。塔から降りてくる頃には雨もやんでいたが待っている間に聞かされたセンテンドレという街にも行きたくなったので、バス待ちの間に自分の意思で食う初めてのちゃんとした食事であるチキンのグリルを食べる。800Fなので日本円で500円程度だったがかなりボリュームあって美味かった。

 方向的にブダペスト方面へ戻ることになるのでバス待ちしてそうな人に確認を取って一緒に待つ。子供達は東洋人に興味津々。
 来たバスに乗り込み、「せんてんどれ」「せんてんどれ」と繰り替えすと運転手は「オッケー」と答えて金を渡せってなジェスチャー。様子を見ながら少しずつ渡すと最終的に200F取られたが、値段がよくわからずそのまま運転手に一番近い場所に立ったままでいるとすぐにバスは動きだした。いくつかの小さい町でどんどんお客が乗り降りするが、1時間くらい走ってる間に徐々にお客は減っていき、総人口の1/5が住むという首都ブダペストに近いはずなのにセンテンドレに着いた頃にはお客は半分以下になっていた。

センテンドレ  写真(左)はそのセンテンドレの一コマです。ちなみに雨はようやく上がりました。
 途中で郵便局に寄ったりしながら人の流れに着いていくと、ぽつぽつとお土産屋さんが顔を出してくる。ここの魅力は石畳の細い路地で、いたるところにノスタルジックな風景が出てきます。トルコの迫害を逃れたセルビア人によって建設された街だそうだが、セルビア風の小さな家、コンパクトな古い欧州車の映える街角、とってもおしゃれなゆったりした時間が流れる街だった。
 ブダペストから近いせいか週末のお出かけで現地の人もやってくるほど有名なセンテンドレだが、やはりここでも日本人のツアー客と遭遇。彼らの滞在時間は1時間程度だったと思うが、ぼくが簡単に行けないようなところにも時間のロス無く行けることなども考慮すると、ツアーの価値も結構高いのかなと思う。

 明日明後日とブダペストに滞在することを決めたのは良いが、宿を決めていない。明日の朝改めて探すのも良いけどとりあえず安心したいのでLEVという郊外電車でブダペストへ戻る(センテンドレだけならこのLEVが非常に便利。乗車時間も30分ほど)。
 さらに地下鉄を乗り継いで東駅まで来たものの、客引きがまったく来ない。らしい人物もいるような感じだが、やはり大きな荷物も持っていないし商売相手として見られていないのかもしれない・・・ひょっとすると東洋人お断りもあるやもしれないと怖いことも考える。
 そうこうしながら少しの間駅の構内をぶらついたがまったく成果なし。さすがにもう30E以上の宿に泊まるのは先が怖いので、最後の手段である有名な日本人宿へ入ることも考えつつ時間がもったいないので市内観光に出発。

プスカシュ・スタジアム  まず東駅から繁華街とは逆方向に20分ほど歩いて、写真(右)のフランツ・プスカシュ・スタジアム。レアル・マドリーでも大活躍したハンガリーの英雄、マジック・マジャールの中心人物でもあったフランツ・プスカシュの名を冠したスタジアム。ぐるっと外周を周ってみようかなと思ったが、かなりでかいスタジアムですぐにあきらめた(笑)。
 大きな入場口(メインゲート?)は完全に閉まっているが、それなりの人数の人が中でスポーツを楽しんでいるようだった。
 進入できるところは、と見渡してみたが発見できず勝手に作った観光ルート(頭の中にしかない)に戻る。駅からちょっと歩くとほとんどスラム街のような様相になりちょっとびびる。こういう時はあまりキョロキョロせずに早足で歩いてさっさと人の多いところに出ることにしているが、昼間でも運が悪ければ暴漢に襲われるってなこともあるかもしれない。

聖イシュトバーン大聖堂  さらに写真(左)は有名なくさり橋からも近い聖イシュトバーン大聖堂です。たどり着いたのが夕方で、既に入館できなかったが近くに腰掛けて休憩しながらブダペストの人々が往来するのを眺める。傍ではオープンカフェが出ていてヨーロッパな雰囲気を醸し出している。

 趣あるトラムや点在する観光ポイントの写真を撮りつつ、たまに迷ったりしてるとあっという間に日が落ちる。
 昨夜宿へ帰る途中にみかけて気になっていたおしゃれな劇場で名優ショーン・ペンの主演した「21グラム」というハリウッド映画をハンガリー語吹き替えで観て(890F)、小さなお店でスナック菓子とワインを買い、まあ昨夜と同じように暗い夜道を早足で帰る。今日もかなり歩いていつもなら水脹れができる頃だが、今回履いてきたニューバランスはいい調子だ。さすがにオフィシャルショップで店員に合わせてもらっただけのことはある。
 明日は早めに一旦東駅へ出て宿探しをする予定なので、パッキングを済ませてからワインを飲み始める。
 するとやはり疲れがあったのだろう、気がつくともう朝になっていて、ワインはほとんど残っていた(泣)。もったいないが栓の開いたボトルそのまま持ち歩くこともできないし、一晩開けっ放しにしてしまったこともあり、泣く泣く水道へ捨てた。ああもったいない。

 ハンガリー ハンガリー/ブダペスト リラホテル 2004年5月27,28日泊
リラホテル リラホテル
宿泊料2泊で60ユーロ、バス共同・トイレ・朝食付
ブダペスト東駅(ケレティ)のツーリストセンターにて紹介された宿。
ユースホステルのような設備で、実際宿泊客は休暇中の学生ばかり。特別安いわけでもないのにほとんど満室状態で、3泊の予定が2泊分しか空いてなかった。部屋はまずまず広め。
ブダペスト東駅からトラムで15分くらいだが、逆に便利なメトロの駅からはかなり遠く夜は周辺が真っ暗になるのが問題。隣にキャンプができる公園があるので、野宿できる装備と勇気がある人はそっちのほうがいいかも。
ツーリストセンターで予約すると宿までのタクシー代を無料にしてくれるが、なぜか結構予約が入っているので値引きはまったくきかなかった。

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