子育てコラム:子育てに悩んでいるお母さんを応援します

Vol.14:大切なお願い:予防接種で来院する方へ H26.01.12

 予防接種は痛みを伴うので、子供にとっても、同伴する親にとっても、つらいものです。でも、それは子供のためを思って行うことです。そのことを、子供にしっかり伝えることが、とても大切と考えています。3歳を過ぎたら、「今から注射に行くよ。」と、親の口から伝えて来院するようにお願いします。痛いかどうかと尋ねられたら、「痛いけど、3秒がまんしよう。」と伝えてください。それで、泣きながら診察室に入って来ても、全然かまわないのです。私は小児科医として、がんばって覚悟してきたお子さんの気持ちを心から応援して、痛みも苦痛も最小限になるように接種します。多くの場合、接種後、子供はホッとした顔で帰っていきます。逆に、普通の診察のつもりで来院して、急に接種したら、全身で怒りを表します。それは当然のことだと思います。
 「注射」「痛い」など、言葉の意味を、子供はしっかり理解しています。だから、大人に尋ねてきます。スムーズに診察室まで連れてくるために、「注射じゃないよ」、「痛くないよ」と言ったところで、実際に痛い注射を受けるのは本人なのですから、そのようなごまかしは、何の意味もないどころか、親子の信頼関係をこわしてしまうことになります。親が楽をするために、子供をだましたということになるのです。医師との関係も同じです。本当のことを伝えることで、注射の時は覚悟して、そうでないときは安心して診察室に入って来られる、そんな関係を築きたいと願っています。
 親は注射を希望していないのに、あるいは痛くない注射を希望しているのに、医師が無理やり痛い注射をすると子供に思わせたら、医師の姿は、大きな注射器を持った怖い悪魔にしか見えません。余談ですが、言うことを聞かないお子さんに、「お医者さんに行って良い子になる注射をしてもらおう。」などとは、決して言わないでください。切実なお願いです。

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