「パソコンで楽しく保健室経営C」
この連載も残り2回となりました。パソコン=保健管理というイメージがありますが、もっともっと楽しい使い方ができます。
1.委員会活動、たまにはパソコンでポスタ ー作りを。
どこの学校でも、お絵かきソフトがあると思います。本校では、「Crietive
Writer 2:Microsoft社」を使っています。このソフトを使って、1年に1回くらいは委員会でポスター作りをすることにしています。よく働いてくれる健康委員会(本校では、保健委員会を健康委員会と呼びます)の子ども達に「がんばったから、次の月はコンピュータ室でポスターを作ろう」なんて言えば、子ども達は大喜びです。手作りポスターも味があってよいかも知れませんが、たまにはパソコンで作らせるのもおもしろいですよ。一度作れば、何枚でも印刷できるというのが、パソコンの利点です。素敵なのができたら、記念に持って帰らせています。 時間に追われる委員会活動ですが、時にはコンピュータ室でのんびり過ごすのも楽しいものです。
2、ハンカチ調べの結果をアニメーションで。
一昨年、ハンカチ調べを委員会活動で取り組みました。本校では、健康委員会のテレビ番組を「養正健康ニュース」と題して、給食時間に校内一斉ビデオ放送をしています。せっかく調査した結果をビデオにするのなら、格好良くアニメーションで提示することにしました。使ったソフトは、「スーパーYUKI」です。ちょっとした工夫で、ぐっと見栄えがよく、子ども達の心に残るものが出来上がりました。<注1>
3、ヘルシー教室をコンピュータ室で。
肥満児指導をヘルシー教室と呼んでいます。卒業した子からは「また行ってもいい?」と
せがまれるくらいに、できるだけ楽しい指導を心がけています。3学期は1年間のまとめなので、コンピュータ室でクイズに挑戦させてみました。クイズの内容は、本校の栄養職員さんと相談して作りました。後はパソコンに打ち込み、フロッピーに保存して全てのパソコンにコピーすれば準備完了です。ソフトは、「どりこ」<注2>を使いました。(ヘルシーつうしん、参照。)子ども達は、満点を取るまで飽きることなく、パソコンに向かっています。
児童の発達段階を考慮した問題を作ることができずに難しい問題になってしまいましたが、コンピュータ室のあちこちにヒントを掲示しておくと走り回って正解を探しています。カロリーカウンターや万歩計をつけてクイズに挑戦させてみるとおもしろいかも知れません。
以上、三点については、あまり苦労しなかったわりには、子ども達の反応が大きかったように思います。ちょっとしたことでもパソコンを利用すると楽しくなります。
4、保健指導ビデオのキャラクターをアニメ ーションソフトで作る。
さて、実は、私が保健指導で最初に使ったのが、アニメーションソフトでした。研究会でお世話になったFujituから、TOWNS2を貸してもらい「Live
Animetion」でさまざまなアニメーションを作りました。現在までに、保健指導ビデオを30本くらい作成しましたが、その中に登場する保健の博士はこのソフトで作りました。そして、パソコンからビデオテープに保存したものを素材として編修しています。紙芝居よりテレビ紙芝居の方がおもしろいし、テレビ紙芝居よりもアニメーションの方が子ども達の興味を引き出すと思うのですが、どうでしょうか。
保健の博士が登場して6年間が過ぎました。保健の博士に始まった「からだの学習」は、子ども達にはすっかり定着し、現在では主体的にさまざまな場面でからだの学習に取り組んでいるようです。詳しいことが知りたい方は拙著をご覧いただけると幸いです。<注3>
さて、最終回はパソコンで広がる世界についてお話しします。
<1>久保昌子・熊井香澄「児童と共に創る保健ビデオ放送の工夫と実践(小学校・健康委員会)」『健康教室』東山書房、1998年7月増刊号、p.80〜
<2>『どりこ』大曽根良憲(宮城県研修センター指導主事)先生が制作されたフリーソフトです。
<3>久保昌子・熊井香澄『からだの学習・ミニ指導(上)(下)』東山書房
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