常用対数
常用対数とは
常用対数(じょうようたいすう)とは、Aという値が10の何乗かを表したものです。
少し分かり難いと思うので、Aに100を入れて表してみると、100という値が10の何乗か?これが、常用対数の意味となります。100は10を2乗したものなので100の常用対数は2となります。
常用対数を使うことで大きな数字も小さな数字として扱うことができます。
≪常用対数の表現≫
常用対数はlog10を付ける事で常用対数の計算をしていることを表します。平方根(ルート)の計算をするときに、√を付けるのと同じ考えです。
それでは、Aという値を常用対数の計算式で表してみましょう。

このように表すことによってAという値が10の何乗かを表します。
≪底≫
logの隣に小さく書かれた10という数字を、" 底(てい) "と呼びます。
常用対数の場合、この底は10と決まっています。底は、10以外の値をとることもありますが、その場合常用対数とは呼ばず、単なる対数と呼ばれます。
常用対数の底は、省かれることがあります。問題文に注釈なく省かれて表されている場合、logは常用対数を表していると考えてください。
≪常用対数の計算≫
では、少し例題を出しましょう。
@ x=log1010
10は、10の何乗かを表しているので
10x=10 ⇔x=1
答えは、1となります。
A x=log101000
1000は、10の何乗かを表しているので
10x=1000 ⇔x=3
答えは、3となります。
B x=log101
1は、10の何乗かを表しています。
これは、あまり理解しにくいと思いますので1は、10の0乗と覚えてください。
x=log101=0
答えは、0となります。
常用対数の性質
≪掛け算≫
AとBとを掛けた値の常用対数は、AとBのそれぞれの常用対数の和となります。

例えば、Aを100、Bを10で計算すると
log10A×B=log10100×10=log101000=3
log10A+log10B=log10100+log1010=1+2=3
となります。
≪指数≫
Aのn乗(An)の値は、常用対数A(log10A)のn倍として表せます。

これは、
logAn=log10A×A×A・・・×A (Aをn回かけることになります)
=log10A+log10A+log10A+・・・・+log10A (log10Aをn回足すことになります)
=n×log10A (log10Aをn倍)
=nlog10A
となります。
≪割り算≫
AとBとを割った値の常用対数は、AとBのそれぞれの常用対数の引き算となります。

例えば、Aを100、B10をで計算すると
log10A÷B=log10100÷10=log1010=1
log10A−log10B=log10100−log1010=2−1=1
となります。
常用対数の性質

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