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初段に12AT7(1/2)、出力段は12AU7の差動プッシュプルで構成、出力トランスにノグチトランス製、ファインメットコア使用のFM12P‐8kを使用した、ヘッドホンアンプの製作を紹介します。 |
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私のオーディオ状況は最近、スピーカを鳴らすよりヘッドホンで聴く頻度のほうが多くなっています。この状況に加え、12AT7、12AU7、手ごろな電源トランスが手許に余っていましたので、これらを使ってヘッドホンアンプを作ることにしました。 とはいえ、いちからアンプを設計する知識も根性も私にはありませんので、先輩方が製作されたものを参考にさせていただきます。で、今回、“MJ無線と実験”誌2004年9月号で柳沢正史先生が発表された、“ラインアンプ兼用3球ヘッドホンアンプ”を参考に製作させていただきます。 実はこのアンプ、私数年前にも一度作りましたので、今回二度目の製作になります。柳沢正史先生は出力トランスにISOのFE10‐10を使用されていますが、私は一度目の製作では「お求め易さ」に勝てず、ノグチトランスのPMF‐15Pを使用しました。このアンプは非常にいい音で鳴ってくれて、今現在もメインのヘッドホンアンプとして使用しています。 そこで今回は、出力トランスにファインメットコア使用のFM12P‐8kを使用し、PMF‐15Pとの違いを比べたいというのも、今回製作を決めた理由のひとつです。 今回製作するにあたり、私的アレンジ点をもうひとつ。それは、B電源回路です。柳沢正史先生は、B電源整流素子にショットキーバリアダイオード、A&RラボのS5A45を採用されていますが、今回は、整流管の6CA4を使ってみます。 |
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さて、大まかな回路構成が決まったところで部品調達です。真空管とトランス類以外のほとんどの部品は、大阪日本橋の電子部品&ジャンク屋の“デジット”で揃えました。 で、デジット店内を物色中、面白いものを見つけました。“6E2”というマジックアイ(同調指示管)です。 ふと、このマジックアイを電源投入モニター(つまりパイロットランプ)として使おうと思い立ち、購入。(@¥650)。
マジックアイとは真空管上面あるいは側面にあるターゲットとよばれる電極に蛍光塗料が塗られていて、これに電子が衝突すると緑色に光るというもの。3極管のプレートと直接接続された制御電極があり、この電圧で光る範囲が変わります。制御電極の電圧がターゲットより低い時は陰ができて光っている部分が小さくなります。実際にはグリッド電極にかける電圧を可変することで光る範囲を変えます。グリッド電圧が0V近辺の場合は3極管のプレート電流が沢山流れ、Rにより制御電極の電圧が下がるので、影の部分が増え、 このマジックアイ、用途としてはその昔、戦後のラジオ受信機に同調度合を示すメーター的な用途で使われていました。
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ここで今回製作するヘッドホンアンプの回路図(構想段階ですが・・・)を示します。
さてさて、部品も揃ったところで製作に入ります。 これ位のアンプであれば、真空管もケース内に納めてしまっても問題ないと思いますが、普通のパワーアンプのようにシャシ上面から真空管、トランス類を出す構成にしました。さらに、シャシはアルミ製か鉄製というのが多いですが、面白みに欠けるので、回路はアルミ製シャシに組むのですが、それを木材で作った自作シャシの中に収納することにしました。
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◎A電源製作 |
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12AU7及び12AT7のA電源(ヒーター電源)は、シリーズレギュレータのLM350Tで安定化させます。(回路図参照)。安定化の回路を、基板上に組みました。 実は当初、A電源は電源トランスの6.3Vタップの3つあるうち1つを使い、ヒーターをパラにして6.3Vで点火するつもりでした。(もうひとつの6.3Vタップは整流管とマジックアイのヒーター、余ったもうひとつの6.3Vタップでマジックアイのグリッドにかける−電源を・・・と。) ところがです。実際点火させたところ、これでは容量不足でヒーターに6.3Vかけるのは無理でした。そこで急遽、電源トランスの6.3Vタップ2つを直列にし、12.6V点火に変更したのでした。これに伴って、マジックアイのグリッド用に適当な電源トランスを追加しています。 |
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←LM350Tにはシャシに取り付けるための金具兼ヒートシンクをつけました。
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