200489日 発行
全港湾神戸支部本四海峡バス分会http://www.hm.h555.net/~h4kaikyoubus/
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労働組合法違反!神戸地検告発を受理!
社長らを刑事告発!
 去る6月10日、全港湾は、最高裁決定をも無視し違法行為を続ける本四海峡バス株式会社を、刑事告発しました。
 本四海峡バス闘争は1999年夏以来、まる5年が経過し6年目に入っています。1999年8月、全港湾本四海峡バス分会結成以来、会社は「全港湾は絶対認めない」と、全港湾との団体交渉を拒否し続けています。これに対して、労働委員会は「全港湾との団体交渉に応じなさい」とする命令を下しました。会社は、この行政命令を不服として、命令の取消しを求め東京地裁へ行政訴訟を提起しました。東京地裁・東京高裁は、会社の訴えを全て棄却、本年2月26日最高裁が「上告棄却」を決定し、労働委員会命令が確定判決によって支持されるところとなりました。このように労働委員会命令が確定判決によって支持されたにもかかわらず、命令に従わない場合には、労働組合法第28条(罰則)によって、刑事罰が科せられることになります。
 この最高裁決定により、会社は全港湾との団体交渉に応じなければならなくなりました。しかし、この事態に至っても川真田社長自らが「団体交渉は拒否します」などと言明、全港湾との団体交渉を拒否し、犯罪行為へと走り出しました。この確信的な犯罪行為はあまりにも社会正義に反し、労働者の権利を守る労働組合として、絶対に放置することはできません。私たち全港湾神戸支部は、会社のかかる違法行為の実行者である川真田社長ら会社幹部を、本年6月10日、神戸地方検察庁へ告発するに至りました。
 一方、違法行為をあおって、会社の暴走を是認してきた海員組合(55%所有の筆頭株主)は、この事態を招いた責任から逃れる事はできません。海員組合のとるべき道は、筆頭株主として会社の犯罪行為を正し、労働組合としてこれまでの行いを悔い改め会社経営から撤退する以外にありません。この判断に踏み出すのはいつか、使用者とされた海員組合に残された時間はあとわずかです。
 本年5月24日、本四海峡バス(株)は、神戸地裁から「緊急命令違反」による過料、いわゆる罰金50万円が科せられるに至りました。
 これは、全港湾との団交を命じる労働委員会命令を無視し続ける本四海峡バス(株)に対し、東京地裁は2003年1月15日、「判決確定までの間について全港湾との団体交渉に応じよ」とする「緊急命令」を発しました。この「緊急命令」は発しられた時点で法的拘束力を持つ確定命令であり、履行しなかった場合は、1日につき最高10万円の過料が科せられるという罰則付命令です。ところが会社は、この「緊急命令」をも無視し続けるという暴走の果てに、本年5月24日、神戸地裁から「過料50万円」の支払を命じられました。労組法32条が適用され罰金を科せられた企業は、全国で8年ぶり、神戸では実に40年ぶりだそうです。
 労働委員会や裁判所の再三の警告を無視し、緊急命令に従わなかった川真田社長をはじめとする会社幹部と、その違法行為を是認してきた海員組合(筆頭株主)は、かかる事態を承知していたにもかかわらず違法を放置してきました。これは、経営者と筆頭株主が会社に対し、故意に損害を与えたに等しいといわざるを得ません。
 ところが「違法を実行した会社幹部の責任は」との追及に、玉城常務は「全港湾が『違法』『違法』と騒ぎ立てるから罰金が科せられたんだよ」などと開き直り、「罰金は会社が支払うから」と自省のかけらも見せませんでした。50万円の利益を上げるには、どれだけバスを走らさなければならないでしょう?会社のお金は重役の私物じゃありませんよ、玉城さぁ〜ん! また「過料が出たら会社として従業員にきちんと納得のいく説明をするのは当然」などと豪語しておられましたが、会社幹部の責任の所在も含め、かかる事態を全従業員にきちんと説明したのでしょうか。他方、海員組合関西地方支部の井下支部長代行にいたっては、「同じ土俵で相撲をとったら負けるのは最初から判っていた、だから最初から会社を潰せと言っている」などと、労働組合幹部であるにもかかわらず臆面もなく言い放った。これは、海員組合が無法を押し通してきた事を認め、労働者よりも面子を重んじる姿勢をあらわにした発言である。
 違法行為の実行者である会社経営者と、使用者とされた(大阪高裁判決2003.12.24)海員組合幹部は、かかる事態を招いた責任と違法を押し通してきた罪から逃れることはできません。公益バス事業を営む本四海峡バス(株)と労働組合でなければならない海員組合は、企業倫理が問題にされ、CSR(企業の社会的責任)が叫ばれるなか、どこまで暴走を続けるのだろうか。
恥を知れ、罰金企業!
beacon    〜 漂流の果てに 〜
 海員組合(55%所有の筆頭株主)は労働組合であるにもかかわらず、不当労働行為を是認しあおってきました。会社は、司法判断や労働委員会命令を無視し、団体交渉拒否(不当労働行為)を続けているため、罰金が科せられ、社長ら会社幹部が労働組合法違反により刑事告発される事態となっています。
 海員組合も、裁判判決などにおいて「一連の不当労働行為の態様は会社と海員組合が一体になっておこなってきた」などと指弾されてきました。また、2003年12月24日には大阪高裁において「海員組合は使用者にあたる」との判決が下され、海員組合は即日上告しました。しかし、この上告も最高裁の上告棄却・不受理決定を待つだけであろうことは、誰の目にも明らかです。海員組合が「使用者」になるということは、日本で初めて労働組合である海員組合が、労働者に対する不当労働行為の当事者となるばかりか、本四海峡バス株式会社においては、労働組合ではなくなるということです。
 海員組合は、本四海峡バスの全員が脱退した原因を「脱退者は裏切り者」とすることで、海員組合と執行部の面子を優先した。海員組合は、会社と共謀して脅しによるあらゆる不当労働行為で全港湾潰しをおこなってきた。海員組合は面子と利権に拘泥するあまり、労働組合の担い手である労働者を置去りにしてはいないだろうか。もはや海員組合の座礁は避けられないのではなかろか。

おのが守り手たちを忘れた国は、みずからが忘れられる
                                                カルヴィン・クーリッジ

一時金評価制度を海員組合へ提案!
評価されるべきは経営者だ!
 会社は、春闘の「賃下げ要求」(会社撤回)に引き続き、一時金における「評価制度」導入を海員組合に提案した。今回も春闘と同様に、従業員は絶対反対の姿勢を表明した。
 全港湾は「団体交渉をひらかないまま海員組合とどのような合意に至ろうと全港湾組合員にはおよばない」ことを明確にし、評価制度導入を強行するのであれば、あらゆる手段をもって対抗することを通告した。
 他方、現場海員組合員も「絶対反対」の意思を海員組合に伝え一時金交渉へ入っていった。海員組合員の間では、海員組合執行部の「それは全員の意見ですか?おかしいですね僕が聞いた人の話とは違いますよ」などと、現場の姿勢を牽制するような発言があったようで、「もう海員組合との間で評価制度導入は決まっているのではないか」などとの憶測が流れたりもしましたが、現場はあきらめず絶対反対の姿勢を貫きました。これにより、海員組合も「評価制度導入を受け入れない」との姿勢を明確にするにいたった。結果、会社は評価制度導入を撤回した。だが、収益が伸びているにもかかわらず、一時金の率が毎年下がり続けている事実を見落としてはならない。
 会社は、今回の評価制度について懲戒や注意などを減算対象にあげているようであったが、むしろ評価されなければならないのは真面目に働く従業員ではなく、法律違反により罰金を科せられたあげく、最高裁決定をも無視し、確信犯として違法行為を続ける社長ら経営陣ではなかろうか。

暑さ厳しい折
  くれぐれも
     ご自愛のほど
  お祈り申し上げます。

          2004年盛夏

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