3
4
[6] 旧線に戻る
一か八か我々は看板を信じ、危険を承知で山越えコースを選んだ。
GNG:はじめは緩やかな勾配の砂利道でした。ほどなく登り切ると、こんどは下り道。勢いよく下ってゆくと、どんどん道が細くなる。しまいには水が流れてビチャビチャの斜面に……。日没の時刻が迫るのに我々は武田尾駅に近づいているのか、今どこらあたりを歩いているのか、深い山林の中ではさっぱり見当がつきません。私は気ばかり焦っていました。
ゑゐぢ:やっぱりだまされた!と思ったときには遅かった。とんでもない傾斜で足元はこけむして、渓流を降りているのと変わらなかったが、やっぱり電柱がたっているから、武田尾へ通じる道には違いないらしい。ところがしばらく行くと電柱も傾いて、電線が地面すれすれまで垂れ下がってきている。電気か電話かわからないが、感電するぞ!思いがけない2度目の冒険を終えて、再び舗装道路に出た。渓谷だったので武田尾は近いと感じた。しかし、渓谷全体にうっすらと霧がかかっていて、たいして気温は低くもないのに息が白くなるのには、感動しました。
IXE:分かれ道の看板に「車ダメ」のコメントがありました。私は4輪自動車が通れないと思っていたのですがバイクはおろか車と名の付くもの全てが通れないような山道でした。大峰山下山の道よりもさらに険しい道のりでした。このとき私は斥候兵よろしく先導していましたが途中分かれ道にたどりつくと野生の感を頼りに独断で進路を決定していました。自動車が停めてあるのを見たとき、「帰れるんだ」と冗談でなくおもいました。しかし、道があっていたから良いものの私の判断で遭難の可能性があったわけで独断先行は慎まなければと反省しています。駅前で自動販売機を見たとき、文明の懐かしい香りを感じました。私たちは気づかぬうちに文明から離れられない体になってしまっているようです。
PSG:登り坂をちょっと行った後、川沿いに下る道を突き進みました。平地に向かっている事は分かっていたのですが、方角が大きく違っていたらどうしようと不安を感じていました。無事に舗装されている道路へ出て、線路も見えた時には、助かったなと感じました。IXE氏は何やら感激していたようでした。ゑゐぢ氏は非常にはしゃいでいました。GNG氏は嬉しそうに写真を撮ってくれました。見晴らしの良い所から線路と川を眺めると足の疲れがちょっと軽くなった感じがしました。