「廃線と廃駅の調査」

第12回 神々の詩 第3部

〜尾道鉄道〜



[10] (いち)

GNG:民家がぽつぽつと増えてきました。もう一息です。

ゑゐぢ諸原(もろはら)駅を出てからはもう真っ暗で、廃線跡をトレースできる状態ではありませんでした。

GNG:年配の女性が歩いていたので、尾道鉄道のことを聞いてみました。「諸原(もろはら)の駅の跡が荒れ果てている」という話でしたね。暗い夜道を歩く、怪しい二人組のこれまた怪しい質問によくぞ答えてくれました。御協力ありがとうございました。

ゑゐぢ:ようやく目的地であるバスの営業所((いち)出張所)に到着しました。ここが尾道鉄道の終点の(いち)駅でした。

GNG:もう寒さと疲労とで、自らの言動について冷静な判断なんかできない状態だったのは事実です。ゑゐぢ氏は、バスの営業所で両替えしようにも手がかじかんでお金を出せなかったんですよね。

ゑゐぢ:バス停の名前は「(いち)出張所」となっており、大きめの敷地にバス会社の建物やターミナルがあります。辺りには民家があるものの、「(いち)」の市街地の中心からは離れているようです。石畦(いしぐろ)から(はた)までの新国道を歩いて来て数カ所バス停が有ったのですが、どこも1日数本で正月運休となっており最悪の場合、尾道に帰れずに「(いち)」かさらに進んで福塩線の「府中(ふちゅう)」で1泊する事も覚悟していました。

GNG:営業所の人に聞くと尾道行きがすぐに出ると言う事なので、慌てて乗り込みました。バスの行き先表示幕にはバイパス経由と書いてあったのですが、新国道を走るのは「(はた)」までで、そこからは旧国道を走って行きます。なので石畦(いしぐろ)から(はた)までの新国道のバス停の運行本数が極端に少ない理由が分かりました。

ゑゐぢ:谷底の旧国道沿いにはちらほらと民家や農協があるようですが、月の明かり以外何も見えないような状況でした。「(いち)出張所」からバスの乗客は我々以外に2名いましたが、結局我々が新尾道で降りるまで一切乗降はなく、驚く事に全バス停ノンストップでした。


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