「廃線と廃駅の調査」

第12回 神々の詩 第3部

〜尾道鉄道〜




[3] 開ノ木(かいのき)トンネル

尾道鉄道の1号トンネルを拡幅したであろう木門田(きもんでん)トンネルを抜けると開ノ木(かいのき)トンネルが見えてきます。車道の坑口の左側には怪しい小さな坑口が・・・。

GNG:これは面白い。車道用トンネルと歩道用トンネルとが別になっているんですね。これぞ親子トンネル。

ゑゐぢ:この歩道用トンネルに転用された旧尾道鉄道の2号トンネルを抜けた所に鉄道の「西校上(にしこううえ)」という駅があり、いまでも谷の中腹に小学校が見えました。ここの谷底の旧国道には中国バスの「西校下(にしこうした)」と言うバス停があるそうです。「上・下」でも位置関係を示す「かみ・しも」ではなく、高低差をあらわす「うえ・した」と言う読み方が、いかにも急勾配を登って行く鉄道と谷底を走る旧国道の関係をよくあらわしています。

GNG:ここでいう上下は南北の方向とは関係ないんですね。

ゑゐぢ:ちなみに歩道用トンネルの内部は真新しいコンクリートが吹き付けられているので、完璧に残っている廃線跡の構造物にしては、さほど感激することもなくスルーしています。

追記:駅名の由来となった尾道市立木ノ庄(きのしょう)西小学校は2017年(平成29年)3月に閉校。中国バスの「西校下(にしこうした)」というバス停名も2018年(平成30年)10月1日より「木門田(きもんでん)」に変更されました。


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