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詩集 名前のないもの 第1章 冬眠 01

 星まつりの夜


今日は星も出ていない
薄い霧が流れて
人々は町を行き

灯は所々
さざめき
人は群になって

暖かい息
孤独と孤独が重なって
充足

上を向いて
やっぱり私の足音は
ひとつ

けむり
覚えたものは
タバコの味

歩くことのほか
できない
私に

一日
働いて
何もしなかった

半年
たってしまった
もう

人々は町を行き
ひとつ
私の足音はやっぱり

薄い霧が流れて
今日は星も出ていない

(1965.8.7)

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