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詩集 名前のないもの  付録 拾遺集 10

陽ざしの中で


しばらくの間降り続いた雨があがって
綿向山にも春がすみがかかり
黄花タンポポも白花タンポポも
陽光に顔を向けて歌う日に

なんだろうか
心の中に残っている淋しさ

力をつくして
徒労なのだろうか

いつのころからか
一つの顔を造って
半面だけの失敗作になり
未完成

レッドクローバーもホワイトクローバーも
柔らかく柔らかく伸びて
羊の子もしっかりと駆けまわる
陽ざしの中で

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