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詩集 名前のないもの 第4章 名前のないもの 13

渡世


怠惰の杯飲み干して
どうせおいらは裏切り者よ
はいたワラジのかいもなく
曳かれて行きます世間とやらに

言って下さい苦しい言葉
耳に栓して頭を下げて
何で見えない足の裏

右へ行こうか左にしよか
中で動かず寝て暮らし
それでどうやら無事にすむ

無事であったと思ってみても
閉じた瞼のその裏側に
赤い真っ赤な血が流れ
戦う他人の血が流れ

(1969.3.xx)

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