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詩集 名前のないもの 第3章 呪歌 12

道化の華


貧しきかなや 貧しきかなや
湯気立ち昇りたる雑炊の
熱つ熱つきすすりて
今日もまた失われたりと思う

人よ
我を笑いてある人よ
日々は悲しきものにあらずや

寒むざむき街に
また日昇らむ朝
(あした)
道化の華咲かせむとて出づるにあらざるものを

(1968.10.29)

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