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詩集 名前のないもの 第3章 呪歌 01
春
瞳の中に焼きつくような五月の真昼に
萌えたての草の上に寝ころんで
何の希望も持たずに見上げると
木は優しい姿をしている
こんなに青い空の中にひとつひとつの梢をさらして
木は優しい姿をしている
なんとなく涙がにじんでくるような
さやさやとした細枝の先に
ちろちろと若葉がつきかけて
木は優しい姿をしている
(1968.5.6)
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