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詩集 名前のないもの 第2章 駄荼懦惰堕 07

イモムシ


イモムシのように蚕食して
眠りの時が来るのが恐ろしい
イモムシはイモムシであることを止めなければならないが
イモムシはイモムシであることを止めたくないのだ

安息の日常が
戦いの日常に変わるのは
成長ではあるかもしれないがイモムシの意志ではない
イモムシの必然に対してイモムシは抵抗する術を持たない
イモムシの意志と必然とを一致させることが
イモムシにとっての宿題

それでもやっぱり
イモムシはイモムシでありたい
イモムシはイモムシ自身でありたい

(1967.5.xx)

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