§08 九変篇
九変篇では、
「地形や状況に応じて臨機応変に対応すること」
が説かれている。
08-01
「塗(みち)に由(よ)らざる所あり、軍に撃たざる所あり、
城に攻めざる所あり、地に争わざる所あり」
むやみに進軍したり攻撃すれば良いというものではなく、
合理的目標の設定が大切である。
08-02
「君命にも受けざる所あり」
トップの命令であっても、
従うべきでない場合もある。
08-03
「兵を治(おさ)むるに、九変の術を知らざれば
五利を知ると雖(いえども)も、人の用を得ること
能(あた)わず」
用兵に当って、いくら知識を持っていても、
現場で臨機応変に生かすことが出来なければ
成果は得られない。
(リーダーは『戦いの九原則』の知識を有し、
かつ現場でそれを駆使できなければならない)
08-04
「智者の慮(おもんばか)りは必ず利害を雑(まじ)う」
智者は必ず利益と損失の両面から物事を考える。
08-05
「諸侯を屈するには害を以てし、
諸侯を役(えき)するには業(ぎょう)を以てし、
諸侯を趨(はし)らすには利を以てす」
諸侯を屈服させるには害を与えるといって脅迫し、
諸侯をよく働かせるには充実感や名誉を感じさせ、
諸侯を誘うには利益をかざせば良い。
08-05-1
「諸侯を屈するには害を以てす」
諸侯を屈服させるには害を与えるといって脅迫すれば良い。
08-05-2
「諸侯を役するには業を以てす」
諸侯をよく働かせるには充実感や名誉を感じさせれば良い。
08-05-3
「諸侯を趨(はし)らすには利を以てす」
諸侯を誘うには利益をかざせば良い。
08-06
「其の来たらざるを恃(たの)むこと無く、
吾れの以て待つ有ることを恃(たの)むなり」
敵が来襲しないことを期待するのではなく、
敵がいつ来ても良いような備えを
固めることが大切である。
08-07
「将に五危(ごき)あり、
必死(ひっし)は殺さる可(べ)きなり、
必生(ひつせい)は虜(とりこ)にさる可きなり、
忿速(ふんそく)は侮(あなど)らる可きなり、
廉潔(れんけつ)は辱しめらる可きなり、
愛民(あいみん)は煩(わずらわ)さる可きなり」
将として乗ぜられやすい資質の欠点に五つある。
(1)必死になる者は、大局的判断が出来ず犬死しやすい。
(智が欠けている)
(2)生に執着する者は、臆病になって捕虜にされやすい。
(勇が欠けている)
(3)短気で怒りっぽい者は、挑発に乗り易く
足元を見られやすい
(信と仁が欠けている)
(4)潔癖すぎる者は、面子にこだわり戦略を間違えやすい。
(智と仁が欠けている)
(5)情にもろい者は、優柔不断に陥りやすい。
(厳が欠けている)
08-07-1
「必死(ひっし)は殺さる可(べ)きなり」
必死になる者は、大局的判断が出来ず犬死しやすい。
08-07-2
「必生(ひつせい)は虜(とりこ)にさる可きなり」
生に執着する者は、臆病になって捕虜にされやすい。
08-07-3
「忿速(ふんそく)は侮(あなど)らる可きなり」
短気で怒りっぽい者は、挑発に乗り易く
足元を見られやすい。
08-07-4
「廉潔(れんけつ)は辱しめらる可きなり」
潔癖すぎる者は、面子にこだわり戦略を間違えやすい。
08-07-5
「愛民(あいみん)は煩(わずらわ)さる可きなり」
情にもろい者は、優柔不断に陥りやすい。
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