1.配置までの動き

福知山区への配置は1986(S.61)年11月1日福知山線宝塚-福知山間、山陰本線福知山-城崎間の電化開業からです。車両は国鉄の財政難により新製車の配置が見送られ各地より113系0番台を捻出。降雪地帯の運用を考慮し耐寒耐雪改造を施した113系800番台となりました。4連(K編成)9本と中間動力車を先頭車化した2連(S編成)14本が配置され、塗色も黄色5号に青20号の帯の福知山色に変更されました。また、115系はJR移行後、岡山区より転入してきました。

1−1.運用開始

運用開始はもちろんダイヤ改正日からですが厳密には前日(10月31日)から入りました。これは改正前、福知山線の普通列車に宮原区の12系客車が使用されていて、折返しが翌日にまたがる運用に入ると改正後になるため予め113系で運転されました。

               2.車両の特徴

2−1.耐寒耐雪改造

主な改造内容は、扉の半自動化とそれに伴う取っ手の取付と半自動案内プレートの取付。タイフォンカバーの取付。ドアレールヒーターの取付。耐雪ブレーキの新設。床下機器の耐寒耐雪強化。2連Mc+M’cのみ予備笛を屋根上の追設及びホイッスルカバーの取付。などとなっています。

2−2.ベンチレーター

降雪対策としての改造を受けましたが、ベンチレーターはグローブ式のままで、通常押込式が適していますが工費の都合なのか見送られたようです。しかしグローブ式では無理があったようで一冬越したのちに前後を塞ぐ小改造が行われました。(後に転入したクハ115−600番台も同様の改造が行われた。)またS13・S14は押込式ですが種車時代からのものです。(種車のM+M’181〜232は関ヶ原地区降雪対策の為新製時より押込式)また、最終増備改造のクハ111−826〜828の3両はグローブ式ですが未改造のようです。(次ページに別項でまとめてます)

2−3.冷房装置

配置当初4連4本、2連9本が冷房車で、これらは国鉄標準のAU75を搭載してますが、この中に試作冷房車クハ111-810が含まれています。またJR化後に追加改造された中にも含まれておりモハ113−813819が該当します。この他、試作冷房車を元に翌年(昭和46年)改造したクハ111のみ110kVAのMGが装備され、この中からも819〜822へと改造、Y編成の冷房電源確保に重宝されました。

2連9本のうち6本は耐寒耐雪、先頭車化改造の時冷房化され、この時取り付けられたMGは容量が70kVAのサシ481の廃車発生品を流用しています。また既に冷房改造済みの車両も2両給電となるため、同様に70kVAへと取り替えられています。(0番台の冷房改造のものは160kVA)JR移行後はK1・K2を除く全編成がインバーター方式で冷房化されました。最初は1両に3基搭載する分散式WAU102で4連3本が改造を受けました。このタイプは他区所でも見られますが、中間車のM+M’ユニットに搭載してるのは800番台のみです。(あとモハ113-801の1両のみも該当)その後S3・S7・S9が床置式のWAU202で冷改されました。この冷房装置は車内、車端部に設置され特にクモハ112はトイレの向かい側で、車端部にシートがなくなり通路のみとなりました。冷改当初は設置部外面に大きいルーバーがありましたが、後年機器の一部が屋根上に移設されルーバーはなくなりました。また、七尾線電化の時415系800番台の種車としてクモハ113が選ばれましたが、このWAU202搭載の3両は改造対象からはずれ残留、後にクハ111(823・824・825)と組んで3両編成(Y編成)となりましたがクハ111もWAU202で冷改のうえ800番台化。このクハ111の場合トイレを撤去後その場所に冷房装置が置かれました。その後WAU202での冷改は行われずWAU102となり、非冷房で転入のクハ115−604・605もこの方式で冷房化されました。

2−4.塗色

当初は黄色に青の帯でしたが、JR後クリーム1号にぶどう2号と緑14号の帯に変更されました。しかし当初は2色の帯の間隔がなく(K7・S10)その後は現在のようになりました。(便宜上、前者を新色@。後者を新色Aとして分類してます)JR化直前に転入してきたK11は、しばらくTc・T’cが関西色、M+M’が阪和色でした。K10は、115系で唯一旧福知山色になった編成。K13・K14のクハ115−604・605の冷改出場後もしばらく湘南色のままでした。しばらくして新色になりましだが、この2両元はクハ111で冷改・塗色変更でクハ111−800番台とほぼ同じ姿となりました。K12は湘南色のまま転出・返却されました。あと網干区(K4・K6)へ一時期転出していた編成も復帰後しばらく湘南色でした。このように113系国鉄色は横須賀色を除く全色が配置されたことになります。

2−5.ヘッドライト

クハ111は種車が0番台のため原型ライト車が多数配置されていますが、JR後シールドビーム化した車両が現れました。国鉄時代と違い大型の枠を存置したタイプ(808号)と103系初期車や竜華区のEF58と同じ(通称=ブタ鼻シールドビーム)タイプ(819号)の2種ですが前者が採用され819号も再改造されましたが全車には及びませんでした。(後の調査で801・820も改造を受けていたことが判明)

2−6.シルバーシート

通常先頭車のトイレ付近のロングシートが指定されていますが福知山区の場合この位置にシートのない車両が存在するためか、乗務員室寄り客室ドア横の2人掛けとなっています。(※現在は優先座席となり、指定場所は異なります。)

2−7.ジャンパ栓受け

クハ111−2000番タイプのものが3栓、台座に取り付けたうえに大阪向の車両に装備。基本的に城崎向は栓受けがありませんがクハ115−604・605・クハ111−826〜828には存置。

2−8.クモハ112

各車の特徴がでている部分を表にまとめてみたのでこちらを参照して下さい。

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